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卵を週に1~6個食べている人は心臓病による死亡リスクが29%低下する


モナシュ大学の最新研究によると、週に1〜6個の卵を食べる高齢者は、死亡リスクが低下する可能性があります。特に心血管疾患による死亡リスクが29%減少するとされています。この研究は70歳以上のオーストラリア在住の高齢者8,756人を対象に行われ、週1〜6個の卵を摂取する高齢者は全死亡リスクが17%減少、心血管疾患の死亡リスクが29%減少しました。他方、毎日卵を食べる場合はややリスクが増加する可能性があるものの、統計的には有意ではありませんでした。コレステロール値が高い高齢者も少量の卵を食べることでリスクが低下することが示されました。

「卵は健康に良いの?悪いの?」 これは長年にわたって議論されてきたテーマです。

コレステロールが高いから避けたほうが良いという意見もあれば、栄養豊富だから積極的に食べるべきだという声もあります。

しかし、最新の研究が、この長年の議論に新たな光を当てる結果を提出しています。

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の研究チームが発表した研究によると、週に1〜6個の卵を食べることで、高齢者の死亡リスクが低下する可能性があることが分かったのです。

特に心血管疾患(CVD)による死亡リスクが大幅(29%)に低下するという驚きの結果が示されました。

この研究の詳細は、2025年1月17日付の『Nutrients』誌に掲載されました。

目次

  • 卵は健康に良いの?悪いの?これまでの議論
  • 卵を週に1~6個食べる高齢者は心血管疾患による死亡リスクが29%低下する

卵は健康に良いの?悪いの?これまでの議論

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栄養満点の卵。食べるべき個数については多くの議論が交わされてきた / Credit:Canva

卵は古くから「完全栄養食品」と呼ばれるほど、さまざまな栄養素を含んでいます。

タンパク質、ビタミンB群、葉酸、コリン、オメガ3脂肪酸など、健康をサポートする成分が豊富に含まれています。

しかし、一方で卵はコレステロールが多い食品としても知られ、特に動脈硬化や心血管疾患を引き起こすリスクがあるとされてきました。

例えば、過去の研究では「卵を食べるとコレステロール値が上がり、心血管疾患のリスクが増加する」という報告もありました。

しかし、最近の研究では、食事由来のコレステロールが血中コレステロールに与える影響はそれほど大きくないことが分かってきました。

それどころか、卵を適量食べることが健康に良い影響を与える可能性も指摘されています。

そして今でも、食べるべき卵の個数に関する議論は続いています。

加えて、高齢者における卵の摂取と死亡リスクの関係については、あまり研究されてきませんでした。

そこで、モナシュ大学の研究チームは、「高齢者が卵を食べることで健康に良い影響があるのか」明らかにするための研究を行いました。

卵を週に1~6個食べる高齢者は心血管疾患による死亡リスクが29%低下する

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オーストラリアの高齢者を対象に、卵の摂取量と死亡率を調査 / Credit:Canva

この研究では、オーストラリア在住の70歳以上の高齢者8,756人を対象に、卵の摂取と死亡リスクの関係を調査しました。

参加者は、卵の摂取頻度に応じて3つのグループに分類されました。

ほとんど食べない人(1〜2回/月)、週に1〜6回食べる人、そして毎日食べる人です。

その後、中央値で5.9年間の追跡調査が行われ、全死亡率、心血管疾患(CVD)死亡率、がん死亡率が記録されました。

研究の結果、週1〜6個の卵を食べる高齢者は死亡リスクが有意に低いことが分かりました。

具体的には、全死亡リスクが17%減少し、心血管疾患による死亡リスクは29%減少しました。

一方で、がんによる死亡リスクには有意な関連は見られませんでした。

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コレステロール値が高い高齢者は、特に食べ過ぎと食べ方には気をつけるべき / Credit:Canva

また、毎日卵を食べる人では、卵を全く食べない人と比べて、死亡リスクがやや増加する傾向がみられましたが、その影響は統計的に有意なレベルではありませんでした。

今回の研究では、高齢者は卵を全く食べなかったり毎日食べたりするよりも、週に数回食べる方が健康に良いという結果になったのです。

では、コレステロール値が高い人はどうでしょうか。

コレステロール値が高い人(脂質異常症のある人)でも、週に1回程度卵を食べる人は、卵を全く食べない人と比べて、心血管疾患疾患の死亡リスクが27%低下することが確認されました。

コレステロール値が高い人でも、少しくらい卵を食べることは問題がなく、むしろ健康に良いようです。

もちろん、食べ方には注意するべきです。

バターたっぷりのスクランブルエッグを食べたり、ベーコンやソーセージなどと一緒に食べたりすると、トラブルを抱える可能性が高くなります。

今回の研究は、高齢者にとって卵の適度な摂取が健康にプラスの影響をもたらす可能性があることを示しています。

特に、心血管疾患のリスクが低下するという点は重要な発見です。

全ての画像を見る

参考文献

Regularly eating eggs supports a lower risk of cardiovascular disease-related death
https://www.monash.edu/news/articles/regularly-eating-eggs-supports-a-lower-risk-of-cardiovascular-disease-related-death

One egg a week lowers heart disease death risk by 29%
https://newatlas.com/health-wellbeing/egg-consumption-mortality-heart-disease/

元論文

Egg Consumption and Mortality: A Prospective Cohort Study of Australian Community-Dwelling Older Adults
https://doi.org/10.3390/nu17020323

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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