子供のころ、熱い料理を食べる前に、お母さんが「ふーふー」してくれたかもしれません。
大人になっても、誰かに「ふーふー」してもらいたいですか。
そんな願いをかなえるべく、日本のロボット開発企業であるユカイ工学株式会社が開発を進めているのが、「猫舌ふーふー」です。
この小型ロボットは、熱い食べ物や飲み物を素早く冷ますために設計されています。
2025年1月に米国ラスベガスで開催された「CES 2025」にて発表され、大きな話題を呼びました。
目次
- 猫舌の味方!?熱いものを冷ましてくれるロボット「猫舌ふーふー」
猫舌の味方!?熱いものを冷ましてくれるロボット「猫舌ふーふー」
寒い季節になると、温かい飲み物や料理が恋しくなります。
しかし、いざ口に運ぼうとすると「熱すぎて飲めない!」という経験をしたことはありませんか。
特に「猫舌」の人々は、食べ物や飲み物の温度に敏感であり、すぐに口に入れることができないかもしれません。
そのため私たちは、自分で「ふーふー」と息を吹きかけることで表面を冷やし、少しでも早く食べたり飲んだりできるようにしています。
でもどうせなら、自分ではなく、「誰かにふーふーしてもらいたい」と思いませんか。

そんな願望をかなえてくれるのが、現在開発中のロボット「猫舌ふーふー」です。
このロボットは、小型のファンを搭載しており、カップやボウルの縁に取り付けることで、熱い飲み物や食べ物を適温まで冷ましてくれます。
取り付けは簡単であり、カップやボウルの縁にクリップのように挟むだけです。
また風量の調節も可能であり、一定の風量で冷ます「標準モード」と、風の強弱をランダムに変える「フーリズムモード」を搭載。
さらに小型で軽量なので、どこにでも持ち運びできます。
開発チームによるテストでは、「猫舌ふーふー」を使用することで、88℃の熱湯が3分で約71℃、5分で約66℃まで冷めることが確認されました。
自然に冷ます場合(3分で80℃、5分で77℃)と比べると、ロボットを使った方がかなり早く冷めると分かります。

このロボットを利用するなら、赤ちゃんや高齢者が熱すぎる食べ物で口をやけどする事故も減らせるかもしれません。
そして何より、可愛い猫型ロボットに「ふーふー」してもらうことで、私たちの心が満たされるはずです。
熱い食べ物や飲み物を冷ます一方で、私たちの心は温めてくれるのです。
このロボット「猫舌ふーふー」は2025年夏よりクラウドファンディングを開始する予定です。
参考文献
ユカイ工学から、新発想のロボットが2つ同時に誕生。熱いものを冷ますふーふーロボット「猫舌ふーふー」、チラ見してくる抱き着きロボット「みるみ」
https://www.ux-xu.com/news/ces2025
nékojita fufu is an attachable mini robot that blows on hot drinks &food to cool them down
https://www.designboom.com/technology/nekojita-fufu-attachable-mini-robot-blows-hot-drinks-food-cool-down-ces-2025-01-06-2025/
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部