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筋肉の塊!百獣の王ライオンの力は実際どれだけ強いのか?


ライオンはその驚異的な骨格筋率と総合力によって「百獣の王」としての地位を保っています。骨格筋率は58.8%という哺乳類最高の数字を持ち、彼らは数百キロもの獲物を引っ張る強力な引っ張る力や、時速80kmまで加速可能な俊足を誇ります。またライオンは650〜1000psiの咬合力を持ち、強力な顎と鋭い牙で簡単に獲物を仕留めます。これらの能力はライオンを狩りにおいて無双の存在にしていますが、単なる肉体的な力だけでなく、プライドと呼ばれる群れでの社会的構造や協働も彼らの強さを支えています。

動画では、筋肉ムキムキの巨漢が綱を必死に引っ張っていますが、びくともしません。

そしてその相手は、メスのライオンでした。

百獣の王ライオンにとって、綱引きで人間に勝つことなど造作もないことなのです。

この動画を見る限り、ライオンはまだまだ力を隠しているように思えます。

では、百獣の王ライオンはどれくらい強いのでしょうか。

目次

  • 「百獣の王」ライオンは、骨格筋率58.8%
  • ハイスペックなライオン!その強さは総合力にあり!?

「百獣の王」ライオンは、骨格筋率58.8%

動物の持つ力は、人間からは思いも寄らないほど強いことがよくあります。イヌでさえも散歩中に興奮してリードを引っ張られると、抑えるのがかなり難しいでしょう。

では、一般的に最も強い動物だと思われているライオンは、どれくらい強いのでしょうか。

最初にライオンの基本的なパラメーターについて考えてみましょう。

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狩りをするメスと群れを守るオス / Credit:Canva

ライオンは、哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属に分類されます。

ネコ科ではトラに次いで大きな種であり、体長1.4~2.5m、体重150~250kgの大きな体を持ちます。

主な生息地は、アフリカ大陸のサブサハラ(サハラ砂漠より南にある地域の総称)ですが、多くの国の動物園で飼育個体を見ることができます。

ライオンは、ネコ科では珍しい社会性を持っており、メスと子ライオン、そして少数の成熟したオスが群れ(プライドと呼ばれる)を形成しています。

狩りは、数頭のメスが協力して行い、シマウマやヌーなどをターゲットにします。

オスが狩りを手伝うことはほとんどありませんが、自分の群れを守るのはオスの役割です。

ちなみに、オスにある「たてがみ」には、主に、オス同士の闘争の際に首を守ったり、体を大きく見せたりする役割があると考えらえています。(これには異論もあります)

このたてがみは、ライオンのテストステロンの上昇に応じて成長し始め、4歳のころに最大になります。

強いオスはテストステロンの分泌も多く、これによりたてがみの色も濃くなります。

オスは、たてがみの色の濃さで自分の強さをメスにアピールすることができるのです。

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ライオンの骨格筋率は58.8% / Credit:Canva

そしてライオンは、「強そうな見た目」を持っているだけでなく、その体は、実際に大きな力を秘めています。

ライオンの強さの秘密は、骨格筋率(体重における筋肉の重さ)の高さにあります。

ライオンの骨格筋率は58.8%であり、これは哺乳類において最高の比率です。

人間の平均的な骨格筋率が30~35%であることを考えると、ライオンの体がいかに多くの筋肉で構成されているかが分かります。

では、筋肉が詰まった体を持つライオンは、これまでに、どのような強さを示してきたのでしょうか。

ハイスペックなライオン!その強さは総合力にあり!?

ライオンの引っ張る力はかなり強く、クレーンスケールを用いた個人レベルの調査では、ライオンの引っ張る力が、約1500ポンド(680kg)を記録したと報告されています。

普通サイズのライオンが、540kg以上あるバッファローの死骸を顎の力だけで引きずることを考えると、上記の数字もおそらく間違いではないでしょう。

 

またライオンは、獲物を捕らえて離さない強力な「咬合力」も持っています。

これまで、ライオンの噛む力は650psi(pounds/square inch)だと考えられていましたが、最近の研究では、1000psiに近い可能性があることも示されています。

人間の噛む力が約150psiであることを考えると、ライオンがはるかに強い力を持っていると分かりますね。

ライオンは、その強力な顎と鋭い牙で獲物に食らいつき、骨を簡単に砕くことができます。

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強い噛む力と鋭い牙も、ライオンの強さの1つ / Credit:Canva

一方で、カバの噛む力が1800psi以上、ワニの嚙む力が3700psi以上であることを考えると、ライオンの噛む力は、動物の中ではそこまで高い方ではないと分かります。

ライオンは単純な力比べで「百獣の王」と呼ばれているわけではないのです。

彼らの持ち味は、驚異的な骨格筋率から生み出される走行速度にもあります。

ライオンは通常、時速60kmで走ることができますが、本気を出すと最高速度は時速80kmまで上がり、瞬時に獲物を追い詰めることができます。

この最高速度は地上を走る動物の中でも上位であり、ほとんどの動物に勝利できます。

これらライオンの様々な能力を考えると、百獣の王ライオンの強さは総合力にあると分かります。

筋肉が詰まったハイスペックな体と群れのチームワークにより、狩りにおいては無類の強さを誇るのです。

全ての画像を見る

参考文献

Toothsome Tanzania: The Deadliest Bites on Safari
https://thomsonsafaris.com/blog/animal-bite-force/

Lion Physiology
https://lionalert.org/lion-physiology/

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部

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