猫はどんな過程で成長するの?
Happy monkey/shutterstock.com
猫は一般的に、生まれてからの年齢が『0~12か月以下の成長期(幼猫期)』『1~7歳未満の維持期(成猫期)』『7歳以上の高齢期(高齢猫期)』『17歳以上の超高齢期(長寿猫期)』の4つの時期に分類されます。
この分類からも分かるように、猫は生後1年で大人になります。平均寿命は飼い猫(室内飼育)の場合だと15年前後ですが、キャットフードや医療技術の進歩が進んでいるため、最近では20歳頃まで生きる猫も増えてきました。
平均寿命はもちろんですが、成長過程や年齢ごとの大きさも、飼育環境や兄弟の数、猫の種類などによって変わってきます。特に、兄弟が多い子は少ない子に比べて大きさも小さく、体重の増え方が遅くなります。
猫の成長過程① 子猫時代
uzhursky/shutterstock.com
子猫時代とは、生まれてから成猫とよばれるようになる前の生後9か月までの事をいいます。猫の成長過程の中でもこの子猫期は重要で、この時期に驚く程の急成長を遂げます。特に生まれてからの3か月は1週間単位でどんどん育っていきます。
生まれたての子猫は平均100~120gで、大きさは手のひらに乗るほどです。まだ目も開いておらず、耳も聞こえませんが、鼻先の触覚はとても敏感なので、自分で母乳を探して飲むことがきます。
ちなみに、子猫が生まれて初めて飲む母乳のことを初乳といって、免疫力を高める抗体や多くの栄養素が含まれています。
以下に生後1週刊以降の子猫の体重や人間に換算した際の年齢、その時期の特徴などについてを月齢ごとに詳しくまとめました。
生後1週間
体重は約200~250gで、個体差がありますが、だいたい生後7日頃から開き始めて、生後14日前後で完全に開きます。自然に少しずつ開いてくるので、なかなか開かないからといって無理やり開けないようにしましょう。また、この頃から耳も聞こえるようになります。人間に換算した場合の年齢は生後1ヶ月の赤ちゃんと同じくらいです。
生後2週間
体重約250~300gで、人間に換算すると生後3か月頃に相当します。こちらも個体差がありますが、乳歯が生え始めます。完全に生えそろうのは生後約5週目頃になります。
この時期になると『社会化期』とよばれる時期に入り、生後3か月頃まで続きます。生後2週目頃の子猫は好奇心旺盛でとにかくやんちゃですが、遊びや他とのじゃれあいを通して噛む力の加減や善悪の区別を学んでいきます。
このように、兄弟や親猫など他の猫や人間、他の動物との関わりをこの時期にたくさん持つことによって、将来的に人懐っこくて社交的な性格の猫に育つと言われているほど、この社会期という時期は猫の性格を形成するうえで重要なのです。出来るだけたくさんのふれあいの機会を作ってあげましょう。
生後3週間
体重約300~400g。人間に換算した年齢は生後6か月頃です。自分で排便ができるようになったり、爪を引っ込められるようになります。
少しずつですが、背中を丸めてシャーシャーと威嚇をする防衛反応も見られるようになります。
飼い主さんや兄弟の声を認識できるようになったり、おぼつかない足取りでよちよち歩けるようになるのも大きな特徴です。離乳食を開始してもいい時期です。
生後1か月
体重約400~500gで、人間に換算すると1歳です。この頃になると、毛づくろいをしたり、喉をゴロゴロ鳴らしたりして、感情を表現できるようになります。トイレトレーニングを始めるのに良い時期でもあります。
動物病院でノミ・ダニ対策をしてもらうとよいです。また、保護した子猫の場合は、お腹の中に虫がいる可能性もあるので、すぐに獣医さんに診てもらいましょう
生後2か月
体重約950~1000g。人間に換算すると3歳に相当します。生まれてからずっと青っぽい色をしていた目が、その子本来の目の色に変わる時期です。初めてのワクチン接種を迎える時期にもなります。子猫は体が小さく、抵抗力があまりないので、ワクチンを接種することによって免疫力を高めてあげることが大切です。
生後3か月
体重約1~1.5kg、人間に換算した年齢は5歳頃です。オスは睾丸が目で確認できるようになるので、オス、メスの区別が見てわかるようになります。
離乳食やウェットフードを食べさせている場合は、この頃からドライフードに切り替えてあげてよいでしょう。ただし、急に切り替えてしまうと食べなかったり、お腹を壊したりする場合があるので、初めのうちはウェットフードに少しずつ混ぜてあげてください。
生後半年
体重は約2.5~3kgで、人間に換算すると9歳になります。毛が生え変わったり、乳歯が抜けて永久歯が生えそろう時期になります。ある日突然、いつも噛んで遊んでいるおもちゃに歯が刺さっていたり、床の上に落ちていたりしてビックリする飼い主さんも少なくないようです。
また、個体差はありますが生後半年前後で発情の兆候が見られる子もいるので、この頃から避妊や去勢手術について考えておきましょう。これらの手術を行うのに適している時期は一般的に初めて発情を迎える前が望ましいとされていて、メスの場合は生後半年~8か月頃、オスの場合は生後半年~10か月と言われています。
生後9か月
体重約3~3.5kgで、人間に換算した年齢は13歳に相当します。早い子だと7~8か月頃ですが、平均的にはこの時期に初めての発情を迎えるメス猫が多いです。
去勢や避妊手術をした猫はエネルギー消費量が低下するため、太りやすい傾向にあります。ですので、手術をしたら食事を子猫用から成猫用、もしくはライト食に切り替えてあげましょう。
現在のペットショップでは、法令上生後2か月未満の子猫の販売は禁止されていますが、他人から子猫を譲ってもらったり、子猫を拾ってきたとか、捨てられた子猫を助けた場合など、猫の場合は様々なきっかけで猫の飼い主さんになることも多いです。そこで、この生後1ヶ月などの小さな子猫を育てる場合は、いったいどうやって育てたらよいのでしょうか?様々な育て方のヒントをご紹介します。
https://mofmo.jp/article/2688