餓死寸前で発見されたリブレ
ボストンで拾われたこの子犬の長く壮絶な旅路は7月4日に始まりました。ペンシルバニア州ランカスターで、餓死寸前の状態で発見されたリブレ。リブレは世話をしてもらえるはずのブリーダーから完全に放棄されていたのです。
ほぼ死にかけたような状態で発見されたリブレは、すぐにスぺランザ動物レスキュー施設へ連れてこられました。この施設の創設者であるジャニン・グイドさんは、すぐにリブレを専門性の高い病院へ移送することを決め、そこで命をつなぐための治療が始まりました。グイドさんは、この消えそうになっている命の可能性を信じ、リブレを救うことを決してあきらめませんでした。
「リブレ」という名前もグイドさんが与えたもの。それは「自由」を意味します。リブレは放棄されていた時、ずっと足かせにつながれていたのです。
7週間後、リブレは非常に思い毛包虫症という皮膚病にかかり、全身の毛が抜け落ちて皮膚がかさぶたのようになりました。たくさんの感染症も併発し、目の中には潰瘍ができて、全身のウジは皮膚の奥深くまで入り込むような状態でした。加えてうつ状態に陥り、完全に気力を失って何にも関心を示さないリブレ。彼の命が消えかけていることは、誰が見ても明らかでした。
一日一日が命をつなぎとめるための闘いでした。
しかし困難が襲ってくるたびに、リブレは何とか踏みとどまり、闘い続けたのです。
何度も、何度でも。
そしてついに、自分の足で立って歩けるところまで回復しました。
リブレは物憂げで怯えた犬から、外に出ることが大好きな好奇心旺盛な子犬へと生まれ変わりました。
少しずつよくなっている肌を柔らかな草に押し付けて、お日様を浴びることが大好きなリブレ。
リブレは子犬にしては落ち着いた性格の、とても穏やかで優しい犬です。
リブレのストーリーは、ソーシャルメディアを通じてまたたくまに広がり、国内外から多くのサポーターが集まりました。ペンシルバニア州の動物愛護の基準を厳格化するために、リブレの名前をとって新しい法律まで制定されました。
グイドさんはリブレを救い出した数日後にこんなことをFacebookに書き込んでいます。
描いた夢は現実のものとなる
明日の命もわからないような非常に不安定な数か月を病院で過ごした後、リブレは遂に退院し、自分の命を救ってくれたご主人の暖かい腕に抱かれて新しい家族のもとへ迎え入れられました。
健康に、幸せに、そして自由になったリブレ!
とうとうリブレを自宅に連れて帰ることができたグイドさん。リブレは正式にグイドさん家族の一員になりました。グイドさんは7匹の犬を飼っていて、一時的に保護している犬も何匹かいます。リブレはこの大家族の最年少メンバーとして迎えられたのです。
「今日ついにリブレをうちに連れて帰ることができました!」
グイドさんはリブレの治療を続けてくれていた獣医さんのFacebookにこう書き込みました。
「リブレの命をつないでくれて本当にありがとう。今の私の喜びを表現する言葉さえ見つかりません。」
リブレは今も持続的な治療を必要としていて、その費用をカバーするためのお金が続々と寄付し続けられているそうです。
数えきれないほどの困難を克服してきたリブレ。
リブレの生命力もさることながら、リブレの元気な姿を夢見て、決してあきらめずに治療にあたってきた人々の強い意志とひたむきさに心打たれます。
夢見ること、その実現のために全身全霊で行動をおこすことが、この奇跡をおこしたのですね。
リブレの体が完全に癒されて、グイドさん大家族といつまでも幸せに生活することができますように。
Puppy Who Wasn't Supposed To Live Goes Home With The Woman Who Saved Him