ノルウェージャンフォレストキャットの特徴
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北欧の神話にも登場すると言われているノルウェージャンフォレストキャット。
愛と豊穣の女神フレイヤの乗る車を引く屈強な猫、雷神トールが地上から持ち去ろうとしたが重すぎて持ち上げることができなかった猫として知られています。
そんなノルウェージャンフォレストキャットの身体的な特徴、寿命や体格について説明します。
身体的な特徴
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長毛タイプでとてもゴージャスな被毛をもっており、ダブルコートで雪や水をはじくように皮脂で覆われています。
大きくてアーモンドの形をした目が特徴で、目の色にはグリーン、ゴールド、カッパーなどがあり、被毛が白い個体の場合はブルーやオッドアイもあります。
「穏やかな巨人」として人気のメインクーンに似ていると言われており、実際にそのせいでなかなか猫種として認められなかったという歴史があるくらいです。
メインクーンとの見分け方のポイントの一つは「鼻筋」です。
メインクーンの鼻筋は丸みを帯びていますが、ノルウェージャンフォレストキャットの鼻筋はまっすぐに通っています。
また、「耳」にも違いがあって、メインクーンの耳は尖っていて飾り毛がついていますが、ノルウェージャンフォレストキャットの耳は先端が丸くなっています。
そして「顔」ですが、メインクーンは丸顔なのに対して、ノルウェージャンフォレストキャットは逆三角形型の顔をしています。
たいていの猫は1年もすれば成長が止まり成猫になりますが、ノルウェージャンフォレストキャットの場合は成長がゆっくりで、成猫になるのに3年から5年くらいかかるとされています。
このように可愛い子猫の時期を長く楽しむことができるのも特徴です。
寿命や体型
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ノルウェージャンフォレストキャットの平均寿命は11歳から14歳くらいとされていて、一般的な猫の平均寿命が15歳前後なので、それよりも少し短いことがわかります。
あくまでも平均なので、健康管理や飼育環境に気を付ければもっと長く生きる個体も存在します。
体型はロング&サブスタンシャルタイプで、しっかりとした骨格を持っていて、筋肉質でがっちりした体つきをしています。
前足より後ろ足が長い腰高の体つきをしていますが、これは狩りをするために飛び回って暮らしてきたことで、ジャンプするために使っていた後ろ足がよく発達したためだと言われています。
ノルウェージャンフォレストキャットの成猫の平均的な体高はオスが45cm~60cmほど、メスが40cmほどとされています。
平均的な体重はオスが4.5kg~8.0kgほど、メスが2.8kg~5.5kgほどとされていて、平均的な猫の体重に比べて重いということがわかります。
神話に出てくる雷神トールが持ち上げられなかったというのもわかる気がしますね。
もともとはヨーロッパのみで繁殖されていましたが、人気が出てきてからアメリカでも繁殖が行われるようになったため系統が2つに分かれるようになりました。
「ヨーロッパ系」の特徴としては、骨格が頑丈でたくましい野性本来の姿が保たれていて、額から鼻先までのラインを横から見ると一直線になっています。
「アメリカ系」の特徴としては、ヨーロッパ系にくらべて体つきが華奢で、穏やかで可愛らしい印象の顔立ちをしています。
ノルウェージャンフォレストキャットの歴史は?
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ノルウェージャンフォレストキャットの起源は、北欧の神話にも出てくるくらいなのでとても古く、4000年前にさかのぼるのではないかとも言われています。
バイキングがトルコから持ち帰ったターキッシュアンゴラと地元のショートヘアの交配によって誕生したなど、祖先に関しては様々な説があります。
いずれにせよ、北欧の厳しい冬を生き残った猫たちが交配を繰り返すことにより、長毛で大型の猫になったと考えることができます。
何世紀にもわたりノルウェーではネズミ狩りなどを目的に普通の飼い猫として農場などで飼育されたりしていました。
1900年代に入るとノルウェーのオスロで開かれたキャットショーに登場するようになり、さらにノルウェーの愛猫家たちにより、国を代表とする猫として育成する活動が始まりました。
ところが第二次世界大戦がはじまり、育成活動は中断され過酷な時期を過ごすようになり、個体数の減少が問題になりました。
1975年になると、ノルウェーの繁殖家たちによってノルウェージャンフォレストキャットの最初の猫種クラブが設立され、本格的な育種が再開されました。
1977年にヨーロッパの猫種登録機関に品種として登録され、さらに大きな遺伝子プールを作り上げるという目標とともに個体数の維持と品種の固定化のための努力が続けられました。
1979年にアメリカに渡ったノルウェージャンフォレストキャットはさらに繁殖と育種が行われ、1984年にTICAにより猫種として登録され、1997年にCFAにも公認されました。
メインクーンに非常に似ているため、一品種として認められるのに時間がかかったとされています。