■猫の不思議な行動

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猫体をすりよせてこすりつける体をすりよせてこすりつけるようなしぐさをします。
この行動には目的があり、対象となる物や場所に自分のにおいをつけることで、ここは自分の場所であること、自分のお気に入りのものである、または自分のものであることを主張するいわゆるマーキングをしているんです。
自分のにおいが周囲のいろんなところについていると、猫はそれで安心できます。
また猫同士がお互いににおいを交換して、コミュニケーションをとっています。
感情を共有するという目的のために、相手が猫であろうと人であろうと自分のにおいをつけようとします。
実際、猫には人と同じように感情があります。
親愛の気持ちや喜び、恐怖や怒りなどの感情をもち、それを表現します。
このことを踏まえて、猫が人間の口をなめるという行動にどんな意味があるかを考えます。
■猫が口をなめてくるのはどんな意味があるか?
猫が相手の口をなめるのは、仲良しだということを意味します。
猫の場合、自分が心を許す相手だけに、舌で毛づくろいしようとします。
なめる時に相手のにおいを嗅いで安心します。
また、相手に自分のにおいを残すことで、親愛の気持ちを表しているわけなんです。
相手が飼い主さんでも同じ気持ちを表すために相手の口や顔をペロペロなめます。
心を許していてうれしい気持ちでいることの表現です。
きちんと意味があって行動しているんですね。
■口をなめるのはどんな時?

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気持ちがリラックスしていて、甘えたい時に、飼い主さんの口のまわりをなめようとします。
猫は舌でなめることによって、相手のにおいを確認しています。
特に、外出先から帰宅すると、猫が近寄り、なめようとします。
これは、帰宅した飼い主や家族に外のにおいがしっかりついているので、本当に飼い主であるのかを確認しているんです。
嗅ぎなれないにおいがたくさんついてる飼い主になめることにより、自分のにおいをつけることで、外からのにおいを消し去り、安心感を得ようとするわけです。
また飼い主が就寝前、また早朝まだ起床時間には少し時間が早いという時間帯に猫が口をペロペロなめてくることがあります。
頼むから早く寝かしてほしい、まだ早いからもう少しだけ寝かせておいてというタイミングで猫が愛情表現をします。
人の顔をなめる行動は猫の最大の愛情表現となります。
うれしいんだけど、今は勘弁してちょうだいという絶妙なタイミングで寝込みを襲う猫には降参ですね。
これをやりたがるのは特に甘えん坊のオス猫です。
また遊んでほしい時や、ご飯がほしい時にも人の顔をなめることがあります。
飼い主が猫の欲求にすぐに応じようとしないなら、さらにエスカレートして、よりしつこくなめるんです。
それでも無視しているといたずらを始めます。
遊びの要求であれば、少しの時間でも構わないので一緒に遊んであげましょう。
餌の要求であれば、餌を与えたら満足します。
また猫は意外にも飼い主の様子をしっかり観察しています。
もしも飼い主の体調が優れなかったり、ストレスや落胆を感じたりするなら、そのことを感じ取り、状況を察して、少し優しく顔をなめてくれます。
元気づけ、励ましたいという気持ちの表れです。
いつでもマイペースに見える猫ですが、ちゃんと空気を読めるんですね。
まとめ
猫が人の口をなめるときは、いろんな意味があります。
自分の欲求を満たしてほしい時や飼い主を励ましたい時、とにかく甘えたいという気持ちの表れもあります。
どの場合にも共通しているのは、なめることで、飼い主のことが大好きであることを伝えたいみたいです。
いつでも要求をのめるわけではありませんが、できる時には気持ちを聞いてあげて応じるなら、猫の喜びも、それを見る飼い主の喜びもありますね。
そんな愛情深いユニークな猫を大切にしましょう。