寂しそうな顔はわざと?それとも本心?
pixabay.com
最近「あざとかわいい」という造語をよく耳にしますが、自分のかわいらしさを自覚し、それを利用して懐に入り込もうとする人がいます。
確かに犬は文句なしにかわいいですし、かわいさを自覚している犬もいるようです。 だからといって、わざと寂しそうな表情をして、人の注意をひいたり、自分の思い通りにことを進めようとするのでしょうか?
人間とのコミュニケーションで表情を使う
pixabay.com
まだ研究過程ではありますが、犬が意識的に寂しそうな表情を作ること、その表情を人間に向けてすることは判明しています。
つまり、わざとしているのは確かです。
なぜそうなったかというと、人間の表情をまねし始めたことがきっかけなようです。 眉毛を下げたり、遠い目をしたり、首をかしげたりという、人の表情を見て、その気持ちを察して、犬もまねして人に対してやり始めたのでしょう。
1万2千年前の遺跡には既に、人間と犬が一緒に埋葬されているお墓が発掘されているように、長い間、人間とともに生活してきた犬は、人間の表情から気持ちや意思をくみとり、その表情を真似て自分の意思を伝えることができるようになったとしても不思議ではありません。
現在では大切な家族として生活している犬は、表情を使って飼い主さんとコミニケーションをとることに非常にたけています。
寂しそうな表情は何のため?
pixabay.com
犬があえて寂しそうな表情をして人に見せるのことは分かりましたが、何のため?どんな気持ちを伝えようとしているの?という疑問が残ります。
ある調査によると、保護犬のうち、人に寂しそうな表情をよくする犬ほど早く新しい家族を見つけられるということが判明しました。
2分間の対面のうち5回寂しそうな表情をした犬は約50日後に引き取られましたが、15回した犬は28日後に引き取られたというデータがあります。
つまり、寂しそうな犬の表情を見ると、人はほっておけないと思ったり、他の犬よりかわいく思えるということです。 実際、犬の寂しそうな表情はその犬をより幼く、子犬らしく見せる効果があります。
そのことを知っている犬は、よりかわいく、守ってもらう必要がある存在と見せるためにしているのでしょう。