ブリタニースパニエルの特徴
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鳥猟犬または家庭犬としてアメリカやヨーロッパでは人気のブリタニースパニエルですが、日本ではまだ希少な犬種のうちに入ります。
ブリタニースパニエルの外見的特徴、寿命や体型について説明します。
ブリタニースパニエルの外見的特徴
現在でも実猟に使われているブリタニースパニエルは、たくましい筋肉を持っていて、スピード、持久力、ジャンプ力に十分に発揮されています。
目の上には、茨などから目を守るために発達した細い眉毛が密集していて、尻尾は生えている個体と生えていない個体がいます。
尻尾があるかないかは遺伝によるそうですが、生えている場合は怪我の予防を目的として、9cmほど残して断尾することが多いようです。
足が長く、耳は垂れ耳、そして毛先が緩くカーブしている被毛を持っているのも特徴です。
滑らかな手触りの毛並みをしていて、胸、臀部、尾の毛はフサフサとしています。
イングリッシュセッターやイングリッシュポインターと交配されたことから、スパニエル独特の外観が薄れており、犬名に「スパニエル」がついているのはふさわしくないという見方もあります。
それで、アメリカンケネルクラブでは1982年から、登録名を「ブリタニー」としています。
ブリタニースパニエルの寿命・体型
ブリタニースパニエルの平均寿命は12歳から13歳くらいで、基本的に丈夫な体をしています。
股関節形成不全の予防検査など、健康管理を定期的に行って、できるだけ長生きしてほしいですね。
ブリタニースパニエルは猟犬としては小さめの中型犬で、体高と体長がほぼ同じのスクエア型の体型をしています。
平均体高はオスが47cm~52cm、メスが46cm~51cmとされています。
平均体重はオスが約15kgでメスが約13kgです。
非常にコンパクトで引き締まった体つきをしていて、獲物を探してその位置を静かに示すポンティング犬種の中では最小のサイズです。
重々しくなく気品のある体つきのブリタニースパニエルは、家庭犬としても人気のある犬種です。
ブリタニースパニエルの歴史
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フランスのブルターニュ地方に17世紀頃から存在していたスパニエル系の鳥猟犬がブリタニースパニエルの先祖だと言われています。
優れた嗅覚によって獲物の場所を探し当て、俊敏な動きで仕留めた獲物を回収することを得意としていました。
さらに狩猟に適した犬種にしようと改良が重ねられ、19世紀になると、イングリッシュセッターやイングリッシュポインターと交配されるようになりました。
こうして誕生したブリタニースパニエルですが、スパニエル独特の外観的個性が薄れたため、犬名から「スパニエル」を削除したほうがいいのではないかと言われるようになりました。
1907年にフランスで犬種として公認されましたが、とても優秀な鳥猟犬として人気を集めました。
迅速かつ的確に獲物を見つけてハンターに知らせる能力と、どんなところにでも入って行って獲物を回収する能力に優れていたため、密猟者にも利用されるほどの人気だったようです。
1931年にアメリカに渡ると、数年のうちに人気が広がり、アメリカの繁殖家たちによって現地の狩猟に適するよう改良が続けられました。
1934年にアメリカンケンネルクラブに公式犬種として登録され、1942年には犬種クラブが結成されました。
アメリカ独自の改良により、フランス産よりも少し頭部と体が大きく、がっちりとして筋肉質の体つきをしているため、「アメリカンブリタニースパニエル」と呼ばれることもあるそうです。
また1982年には、スパニエルよりポインターやセターの仲間に近いということで、犬名から「スパニエル」を取って「ブリタニー」と登録されるようになりました。
フランスでは現在でも最も人気のある犬種のひとつで、アメリカやカナダでは鳥猟犬としてだけでなく家庭犬としても人気のある犬種です。