ハバナブラウンの特徴
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日本ではなかなか入手が困難なハバナブラウンですが、とても飼いやすい猫としても知られています。
そんなハバナブラウンにはどんな特徴があるのでしょうか。
身体的な特徴、そしてイギリス生まれですがアメリカに渡って繁殖したという歴史から両国のブリーダーの考え方の相違により生まれた外見上の違い、寿命や体質について紹介します。
身体的な特徴
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大きな特徴の一つはその名前の通り、チョコレートの色をした被毛です。
ツヤのあるハバナブラウンの被毛は短くて柔らかい触り心地をしていると言われています。
一般的な猫に比べると少し小さめの猫です。
平均体重ですが、オスだと3.6kg~4.7kgくらいで、メスだと2.6kg~3.8kgほどになります。
オスのほうが成長すると5kg近くになるのに比べてメスは3kg前後が平均になっており、体重差が結構あることがわかります。
「トウモロコシのひげ」とも呼ばれる長くて茶色いひげもハバナブラウンの特徴になっています。
写真を見ると他の猫に比べてひげが長いことがわかるでしょう。
また引き込まれるようなグリーンの瞳は、エメラルドの宝石のようにとても美しく卵型をしています。
イギリスとアメリカのスタンダードの基準の違い
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イギリスで生まれたハバナブラウンですが、アメリカに渡るとアメリカのブリーダーたちによって独自の路線での繁殖が行われたため両国におけるスタンダードが違ってきます。
イギリスのハバナブラウンは無駄のないスリムな体型でいながら体全体は筋肉質なオリエンタルタイプです。
顔の輪郭は逆三角形、あごが小さく締まっていて頭部ははっきりとしたV字型になっています。
鼻は両目の間からあり、鼻筋が通っている高い鼻です。
アメリカのハバナブラウンはイギリスのものに比べて中型でがっちりしたセミフォーリンタイプです。
頭部はV字型ですが、イギリスのハバナブラウンに比べて緩やかで、あごは四角くしっかりしています。
鼻は目の下あたりから付け根があり、イギリスのものに比べると鼻の位置が少し低くなっています。
角の取れた大きな耳をしています。
寿命や体質
平均的な猫の寿命が15歳前後と言われているのに対し、ハバナブラウンの寿命は11~14歳とやや短めです。
しかし飼い主さんがしっかりと健康管理をしてあげることでもっと長生きをする可能性もあります。
シャム猫の血を濃く引いているのでシャム猫の遺伝疾患を引き継いでいる可能性があります。
それ以外では特にかかりやすい病気はないですが、ほかの猫と同様、ウイルス性の病気や尿路結石などに注意する必要があります。
ハバナブラウンの歴史は?
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19世紀後半に様々な猫との自然交配でチョコレートの色の被毛にグリーンの瞳の猫が誕生していたようですが、保護されることなく廃れてしまったそうです。
その後、20世紀に入ってから人為的に新しい猫種としてまずはイギリスに再登場することになりました。
1952年にイギリスのブリーダーたちが雑種の黒猫やロシアンブルー、シャム猫のシールポイントやチョコレートポイントを交配させました。
最初にイギリスの猫血統登録団体GCCFに公認されたのは濃いチョコレートブラウンの被毛と、少し明るいチェストナットブラウンの猫で「チェストナットフォーリンショートヘア」という名称で申請されました。
イギリスで「ハバナ」と呼ばれるようになったのは1970年に入ってからのことです。
その魅力は世界にも伝わり、アメリカに渡ってアメリカのブリーダーによってさらに繁殖されるようになりました。
アメリカではスリムな体型の猫よりもがっちりした筋肉質な猫のほうが好まれる傾向にあったようです。
そのため、もともとはオリエンタルタイプであった猫たちをがっちりとしたセミフォーリンタイプへと変えていきました。
1964年になると、アメリカの猫血統登録団体CFAに「ハバナブラウン」として認定されました。
この名前の由来はチョコレート色した被毛が茶色のハバナ産の葉巻のようだからと言われています。
またハバナブラウンと同じようなチョコレート色をしたハバナラビットというウサギがいるのでそれが由来したという説もあります。
1964年当時、ハバナブラウンは世界中でも100頭くらいしかいないとても希少な猫種だったため、CFAをはじめとするアメリカの猫血統登録団体はロシアンブルーやシャム猫との交雑を認めていました。
その結果ライラック色の猫が産まれるようになったので、1980年代になると正式名称を「ハバナ」に変えました。
2011年ころでも1000頭ほどしか登録されていない世界でも個体数の少ない猫種のため、近親交配を避けるという目的でチョコレートポイントやシールポイントのシャム猫との交雑だけを認めている登録団体もあるようです。