猫の嗅覚は人間の数万から数十万倍といわれており、私たちが考える以上に、猫は鼻からたくさんの情報を取り入れています。このことからも分かるように、嗅覚をいつも張り巡らすことで、猫は周りの状況や安全を常に確かめているのです。飼い猫になってもその習性は残っており、ニオイには敏感に反応します。
猫同士がチューするのはどうして?
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猫の行動には複数の心理が込められていることが多く、この猫同士のチューにも5つの心理が隠れていると考えられます。
それは、
- 相手の確認
- あいさつ
- 愛情表現
- 敵ではないという意思表示
- 仲が良い
この5つです。
下記で詳しく説明します。
相手の確認
猫同士でキスするなら鼻を近づけるので、自然に相手のニオイを確かめられます。このようにすることで、相手が仲間か敵か、知っている猫か知らない猫かを瞬時に確かめることができます。
嗅覚に優れているので、相手の猫が食べた物や行った場所なども分かるといわれています。ここまでの情報をニオイだけで知れるのは驚きですよね。猫は視力がそこまで良くないため、見て確かめることが難しく、嗅覚で補っているのでしょう。
あいさつ
猫は鳴き声で相手とコミュニケーションを取ることはあまりありません。ですから、どうしても動作や行動であいさつする必要があります。
しかし、このチューをしているように見える顔や鼻をくっつけるあいさつは、親しいと認めた相手としかしません。仲間以外の猫は縄張りを荒らす危険な存在です。このような危険な相手には、キスのようなあいさつどころか、近づくことすら許されないでしょう。
野良猫の世界では、ボス猫に出会ったときに、積極的にあいさつします。そのようにすることで、ボス猫の立場を認めていることを相手に伝えます。
愛情表現
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これは、母猫と子猫の間によく見られます。子猫が母猫のおっぱいをねだるときや、甘えたいときなどに顔を近づけるなら、母猫もそれに応えるので、猫同士のチューに見えるでしょう。お互いの信頼関係や親密さが現れる微笑ましい光景にいやされますよね。
敵ではないという意思表示
猫は敵と思う相手にはあいさつしませんし、近寄りません。ですから、猫同士でチューをしているなら「攻撃しませんよ」という合図です。このようにすることで、けんかや無意味な争いを避けられます。
猫もけんかが好きなわけではないので、無意味にけんかをしたいとは思いません。それには「あなたの縄張りを荒らしませんよ」という意味も込められていると考えられます。
仲が良い
一緒に育った兄弟猫でもチューします。生まれた時から常に一緒にいるので、相手のニオイを感じて安心するのでしょう。密着していたり、そのまま寝てしまったりするかもしれません。そんな姿を見せられたら、飼い主さんは嬉しいですね。