人間は寒い日、例えば雪の日などは指先や足先が冷えてかじかんでしまいます。では犬はどうなのでしょうか。犬が裸足で肉球のまま冬場の路面を歩いているのを見ると「犬の足って冷えないのかな?」と不思議に思うことがありますよね。
実はとても興味深いことに、犬の肉球には、道路が雪で凍っていても凍えにくいシステムが備わっています。
これから、犬の肉球の構造や雪の季節にどのように犬の肉球をケアしたらよいかについて紹介します。
犬の肉球の構造
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「パッド」や「パウ」とも呼ばれる犬の肉球には、「蹠球(しょきゅう)」という正式名称があります。ところで犬の肉球はどのような構造になっているのでしょうか。
犬の肉球には人間の手のひらにあたる「掌球」と呼ばれる部分が、そして人間の指先にあたる「指球」と呼ばれる部分が全部で4つあります。
前脚には人間でいえば親指にあたる「小パット(狼爪が生えているところ)」、そして掌球から少し離れたところにある「手根球」があります。一方、後脚には基本的に手根球と狼爪がなく、掌球と指球4つで構成されています。
寒さに強い構造
犬の肉球の表面は、地面にある小石などを踏んでも怪我しないように、そして摩擦で傷つかないように、足裏を守る構造になっています。
さらに犬の肉球は、毛細血管を間に挟むことなく、動脈と静脈が直接つながっている構造を持っています。そのため、肉球が冷たくなると自律神経が働き、血流の量が増加して寒さから足を守ることができます。まさに緻密な構造です。
愛犬の肉球をしっかりケアしてあげよう
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このように、犬の肉球には雪で凍っていても凍えにくいシステムが備わっているため、多少寒い位の状況なら冬場でも大丈夫です。
しかし無理は禁物です。犬種や年齢によって犬の寒さの感じ方は異なるので、人間同様犬も冬の寒さを苦手とする場合はあり得ます。「どんな寒さでも大丈夫」というわけでは決してありません。
さらに冬場にはとがった氷片があったり、雪の中に埋もれて見えないものの鋭利なものが埋まっている可能性があります。
さらに雪国では融雪剤がまかれることがありますが、融雪剤の化学物質が肉球に刺激を与える可能性もあります。
こうしたことを考慮すると、冬場でも状況によっては肉球のケアが必要です。それでは肉球を守るために何ができるでしょうか。具体的にどんなケアをすることができるかを紹介します。
犬用の靴や靴下を活用する
冬場の肉球対策として、犬用の靴や靴下を活用する方法があります。靴や靴下を履くことで怪我や皮膚への刺激から守り、犬の手足が冷えるのも防ぐことができます。
靴や靴下を履かせる時、最初のうちは戸惑いを見せることもあるでしょう。そのような場合でも徐々に慣らしてあげるなら、靴や靴下を履くことは犬にとって日常の一コマとなっていくので大丈夫です。
肉球クリームも活用できる
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人間もそうですが、冬場は乾燥する季節でもあります。それは犬も同じで、冬場に犬の肉球は乾燥したりひび割れしたりすることがあります。
このような場合もお肌のケアが必要ですが、この点肉球クリームを塗ってケアすると効果的です。
肉球のマッサージも有用
人間と比較すると、犬は毛細血管が少ないので血行があまり良くありません。そこで肉球マッサージをすると血行がよくなります。
ただ、犬によっては前脚の裏の肉球を触られるのを嫌がったり、場合によっては噛みついてくることもあり得ます。そのあたりは十分に注意して安全のうちにトライしてみましょう。
肉球を濡らす機会をできるだけ避ける
肉球を濡らす機会をできるだけ避けることも大切です。例えば、足を洗いすぎるというのは考えものです。
足をキレイにしようとシャンプーを使用すると、皮脂が奪われてしまいます。さらにシャンプーの後にドライヤーの温風を当てようものなら、さすがの肉球も乾燥してしまいます。冬場にこのような乾燥を生じさせる行為はできるだけ避けましょう。
散歩後も濡らすことなく、乾いたタオルでほこりを払う程度にしておくのも一案です。
まとめ
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犬は確かに寒さに強い動物です。犬の肉球の構造は大変よくできており、道が雪で凍っていても凍えにくいシステムが備わっています。
しかしながら、どんな寒さにも耐えられるわけではありませんので、冬場、雪の季節には雪の季節なりのケアが必要です。
冬場も愛犬の日々の暮らしをしっかり見届け、愛犬の寒さに対する反応に敏感であるようにし、必要に応じて肉球のケアも行ってあげてくださいね。