人間でも不器用な性格だと自分の気持ちを素直に表現できなかったり、相手にうまく通じなかったりして苦労することがあります。
特に猫の場合はコミュニケーション手段が限られているので、不器用だと飼い主さんが「全然なつかない可愛げのない猫」「クールでそっけない性格」と思い込んでしまうことがあるかもしれません。
しかし本当は不器用なだけで、猫なりに精一杯飼い主さんへの気持ちを伝えている場合もあります。そんな猫のサインがわかれば、心が通じてより可愛いと思えるに違いありません。
不器用な猫の特徴
pixabay.com
不器用な人は、シャイで人とうまくコミュニケーションが取れなかったり、反応が薄いので誤解されたり、素直に甘えられずに変な距離ができてしまったりなど、対人関係で不器用さが明らかになることが多いです。
不器用な猫も、飼い主さんなど人と接する時に不器用さが露呈することが多いようです。不器用猫あるあるの特徴をここではいくつかご紹介します。
超がつく人見知り
不器用な猫は、人と距離をとりたがります。「初めまして」の場合、どの猫もそれなりに距離を取りますが、不器用な猫の場合は、どこかに隠れこんで姿さえ見せてくれません。
家に迎えた後も、しばらくはひとりでどこかに潜んでいます。ご飯をあげて優しくお世話をしても、人の気配がするだけで隠れてしまい、なかなか距離を縮めることはできません。
しかも、その状態が数日ではなく1ヶ月ほど続くこともあります。まさに、ただの人見知りではなく「超」がつく人見知りです。
先住猫がいる場合、飼い主さんよりも先に先住猫と仲良くなる場合が多いです。人見知りの延長だと思われますが、甲斐甲斐しく面倒を見てくれる飼い主さんよりも、同類の猫の方が心を開きやすいのでしょう。
飼い主さん的にはちょっと複雑かもしれませんが、自分でなくても仲良くできる相手が見つかったことを喜んであげましょう。
自己主張しない
pixabay.com
複数の猫が一緒にいると、それぞれの性格の違いがはっきり見えてきます。「自分を見て!」といわんばかりに大きな声で鳴いたり、他の子の前に出たりする積極的な猫もいれば、ボーッとしていて周りの猫や世話してくれている人にされるがままなっているおっとりした猫もいます。
不器用な猫は、当然のことながら積極的な猫とは全く違いますが、かといっておっとり猫のようでもありません。
ボーッとしている訳ではなく、静かに周囲を観察して周りの動きに合わせ、息を潜めるように逃げたり隠れたりして自分を防御しています。できるだけ注目されないように、意識的に行動しているのです。
目立たないことが一番の防御とばかりに、警戒を怠ることなく自己主張をしないことを徹底している猫は、不器用な性格と判断していいでしょう。
不器用な猫は、一匹になっても自己主張をすることはありません。甘えようと膝に乗ったりおねだりするために体をスリスリしたり、かまって欲しくて鳴いたりなど、自分から飼い主さんにアピールすることはまずありません。
自己主張をしないのは、周りの猫とのバランスをみているからではなく、その猫自身の性格なのです。
不器用な猫の控えめな愛情表現
pixabay.com
不器用な猫は人見知りですが、決して人嫌いな訳ではなく、ちゃんと飼い主さんのことを特別な人と認識し、好意を持ちます。
しかし、自己主張をしないので、なかなかその気持ちが伝わりません。でもよく観察していると、非常に控えめではありますが、飼い主さんに自分の気持ちをぶつけています。
これから不器用な猫がする5つの愛情表現をご紹介します。
1.密かに、ソロ~と近づいてくる
人見知りの猫がさりげなくでも人に近付くのは、その人のことを相当好きで信頼しているからです。
2.遠くからジーと見つめてくる
好きな人のことを目で追ってしまうのは、猫も同じです。目があった時にゆっくり瞬きしたなら、同じように返してあげると喜びます。
3.少し離れたところに座る
微妙な距離であっても近くに座るのは、距離感を大事にする不器用な猫なりの精一杯の愛情表現です。
4.家具にスリスリする
飼い主さんには恥ずかしくて直接できないので、代わりに家具に甘えている状態です。
5.甘えないがずっと側にいる
部屋を移動するとついてきたり、ベタベタしないけどいつも側にいるなら、飼い主さんのことが大好きで、いつも一緒にいたいと思っている証拠です。
飼い猫がなつかないと悩んでいる方は、まず、不器用な猫の特徴に当てはまらないかをチェックして、これらの控えめな愛情表現をしていないか、見逃さないようによく観察しましょう。今まで気づかなかった猫の愛情が見えてくるかもしれませんよ。