愛猫が急に頭を高速で振り始めたら、飼い主さんは心配になってしまうことでしょう。犬は比較的このような動きが多いイメージがありますが、実は猫もしばしば行うことがあります。そのためあまり頻発しなければ心配する必要はありません。
猫が高速で頭を振る理由
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猫の行動や仕草にはそれぞれ何かしらの意味があるといわれています。ですから、この高速で頭を振るという行動も理由があるはずですね。ここでは、そのいくつかをご紹介します。
ストレスを感じている
猫は繊細で、環境の変化にとても敏感です。ですから、ちょっとした日常の変化でストレスを感じることがあります。このような緊張状態が続くと、頭を高速で振ることがあります。
また怖い時や危険を感じた時にもストレスから頭を高速で振ることがあり、まるで「怖いよー」と訴えているかのようです。
過度なストレスは愛猫にとってあまり良くありません。飼い主さんが状況をコントロールしてストレスを与えないようにしましょう。
視線を合わせるため
猫にとって視線を合わせる行為は「威嚇」や「攻撃」を意味します。ですから、大好きな飼い主さんの目を直視することはあまりないかもしれません。
しかし狩りモードのスイッチが入ったなら、獲物に狙いを定めて頭を振りながら近づいていきます。獲物との距離を測っているのかもしれませんね。
水分を飛ばしたい
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猫は水に濡れることを嫌います。それは、水によって体温が下がってしまうからです。猫は長い時間濡れた状態でいると体温調節ができず、身の危険を感じるといわれています。ですから、1秒でも早く水分を取り除くために高速で頭を振ります。体温喪失を防ぐための大切な行動なのです。
耳が痒い
皮膚が痒い時は、猫は舐めたり前足で掻いたりすることで対処します。また耳の表面が痒い時は、前足で掻くことができます。
しかし耳の中が痒い時には手が届かないので、頭を高速で振ることで痒みを取り除こうとします。これは必死に痒みと闘っている時に見られる行動です。
耳のゴミを取りたい
人間なら耳垢を掃除して取り除けますが、猫はそうはいきません。飼い猫なら飼い主さんに耳の表面を掃除してもらうこともあるでしょう。
しかし奥に入ってしまったゴミは取れませんし、野良猫であればそもそも掃除してくれる人はいません。ですから、頭を高速に振って耳の中のゴミを外に出そうとします。本能で組み込まれているとはいえ知恵がある行動ですね。
強く頭を振っても猫は大丈夫なの?
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犬や猫などが高速で強く頭を振っているのを見ると「脳震盪(のうしんとう)」を起こさないか心配になりませんか?
「脳震盪」を起こすメカニズムには、脳の大きさが関係しているといわれています。犬や猫の脳の大きさは人間と比べるとかなり小さいですよね。ですから、猫が高速で頭を振っても脳は私たちが思うよりも揺れていないと考えられます。これらの点を踏まえると、犬や猫が頭を高速で振っても脳震盪や眩暈を起こさないといえるでしょう。
一方人間の場合、赤ちゃんに見られる「揺さぶられっ子症候群」やロックミュージシャンの「ヘッドバンキング」による脳震盪から分かるように、高速で頭を振る行為は危険が伴います。
ですから遊び半分で「愛猫が頭をふっているのに合わせて振ってみよう」とは考えないでくださいね。たとえ愛猫が喜んでも、飼い主さんが脳震盪になってしまうかもしれません。
愛猫が異常に頭を高速で振っている場合は注意
もし異常なまでに愛猫が頻繁に高速で頭を振っているなら、何かの体調不良があることも考えられます。至急、獣医師さんに相談してください。
遅れると治療が長引き、愛猫も辛い状況が長く続きますし費用もかさみます。早めの対処を怠らないでくださいね。
まとめ
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猫が高速で頭を振るのを見ると、最初は心配になるかもしれません。しかしこのような行動はしばしば本能的に行うものなので心配はいりません。
頭を振る行動以外にも、一見飼い主さんが驚くような行動が本能や習性からくる仕草であることは少なくありません。1つ1つの仕草に過剰に反応せずに、見守ってあげましょう。そのすべてを飼い主さんに受け入れて守られるなら、愛猫も嬉しいはずです。
同時に、愛猫に過度のストレスや痒みを与えないために、日頃からお手入れや健康チェックを欠かさずに行いましょう。そうすることで、愛猫の体調不良を早めに気づくことができるようになりますよ!