“犬は飼い主の帰宅が分かる”といわれていますが、どのように察知しているのでしょう。
さまざまな諸説はありますが、優れた「嗅覚」と「聴覚」で飼い主さんの気配を感じ取っていると考えられます。飼い主さんの帰りを待ちわびて、神経を研ぎ澄ませているのかもしれませんね。
やっと帰ってきた飼い主さんをお出迎えするのにおもちゃを持ってくるのには、何かもっと深い理由があるはずです。
お出迎えの時に愛犬がおもちゃを持ってくる心理とは?
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飼い主さんとの待ちに待った再会の場面におもちゃを持ってくるという、ちょっと不思議な行動の中には愛犬なりの心理が隠れています。そのいくつかを解説します。
こっちを見てよ!!
愛犬にとっては長いお留守番が終わり、やっと帰ってきた飼い主さんとの再会です。ですから、家にある他のどんなことよりも自分に注意を向けてほしいと思っていることでしょう。
おもちゃを持ってくることで”こっちを見て!!”と必死にアピールしているんです。この必死さが愛らしく、ついつい愛犬をなでてしまう飼い主さんも多いかもしれませんね。
遊んでよ!!
愛犬は、飼い主さんがお出かけしている時はほとんどの時間を寝て過ごしています。なので、飼い主さんの帰宅は愛犬の1日のメインイベントの一つなのかもしれません。
愛犬のメインイベントなわけですから、喜びがあふれて興奮してしまうのも無理がないといえるでしょう。必死で遊んでもらおうとアピールしている姿はとても愛らしいですね。
褒めてよ!!
愛犬とフリスピーやボールで遊ぶことが習慣となっているでしょうか?
もしそうなら、投げたおもちゃを飼い主さんに持っていくと褒められたという経験が愛犬の記憶の中にあるかもしれません。この嬉しかった記憶をたどって、褒めてもらおうとおもちゃを持ってくるのでしょう。”褒めて”というアピール心理の一つといえます。
プレゼントだよ!!
群れで生活している野生の犬は、リーダーに物をプレゼントする習慣があります。飼い主さんをリーダーと認識している犬は、コミュニケーションの一環としておもちゃをプレゼントすることがあります。
これは単なる義務感ではなく、飼い主さんを喜ばせたいという心理も隠れています。相手の感情を読み取る能力があるので、飼い主さんが「元気ないな」「つらそうだな」と思った時に”元気出して”とおもちゃを持ってきます。
お出迎えの時にいつもおもちゃを持ってくるなら、飼い主さんの帰宅時の表情がいつも疲れているように見えているのかもしれませんね。
このおもちゃいいでしょ!!
愛犬がおもちゃを持ってお出迎えしたのに、いざ飼い主さんが一緒に遊ぼうとするとそっけない態度を取ってくるとしたら、それは単純にお気に入りのおもちゃを見せびらかしたいだけなのかもしれません。
飼い主さんがプレゼントしたおもちゃであってもお構いなしで、「このおもちゃいいでしょ」とアピールしたいのでしょう。
物をくわえることで安心する!!
狩りをする習性がある犬は、物を回収し運ぶという行動が本能的に組み込まれています。ですから、愛犬が習慣的に何かをくわえているなら”物をくわえる”ことが好きだと考えられます。
お留守番の寂しさを紛らわすために、おもちゃをくわえて精神的に安心しているのでしょう。お留守番の時間が長い場合によく見られる行動の一つです。
おもちゃで吠えぐせを直してみよう!!
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飼い主さんが帰宅すると嬉しくて興奮してしまい、愛犬が吠えてしまうということはありませんか?
飼い主さんにとっては嬉しい瞬間でも、帰宅するたびに愛犬が大きな声で吠えるとご近所に迷惑になってしまうと心配になることもあるでしょう。
そんな時の対処法として、玄関先に愛犬のおもちゃを隠しておき、吠え始めたら噛ませることで吠えるのをやめさせることができます。
愛犬の注意をおもちゃに向けることで吠える余裕がなくなりますし、口の中におもちゃがあるので吠えられません。こうした少しの工夫で、ご近所トラブルを防げるでしょう。
まとめ
愛犬がお出迎えの時におもちゃを持ってくるのは、自分に注意を向けたいアピールの心理と、大好きな飼い主さんに対する親愛の気持ちの表れです。必死に飼い主さんの帰りを待ちわびている愛犬の姿は、何ともいえない愛らしさがあります。
お留守番の時間が長いのは、愛犬にとってストレスです。犬は本来群れで生活する習性があるからです。唯一の仲間である飼い主さんとひと時も離れたくない気持ちがあります。
ですから、帰宅したら愛犬のために時間を取って、お出迎えの時に持ってきたおもちゃでいっぱい遊んであげましょう。そうすることで次のお留守番も頑張れるはずです。