飼い犬が近づいてきて私たちのにおいを嗅ぐことがあります。その時に犬の鼻が当たることも多いはずです。大抵の場合は、犬の鼻は濡れていて「ちょっと冷たい」と感じるものです。

犬の鼻を実際に触ってみるとペタペタとした触り心地で、確かに湿っているのが分かります。では、犬の鼻が濡れているのはどうしてでしょうか?今回はこの理由をご紹介します。

また、一般的に「犬の鼻が濡れているのは健康の証し」という考えが広まっています。この考えは正しいのでしょうか?鼻の湿り具合と健康の関連性も解説いたします。

犬の鼻の特徴

犬の鼻

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まずは犬の鼻について少し解説します。犬の鼻は人間と違って独特の特徴や能力をもっています。鼻が濡れていることとの関連もあるので知っておくと理解しやすいです。

犬の鼻の役割

犬の鼻は主に3つの役割をもっています。

1つ目は「呼吸」です。もちろん口でも呼吸できるのですが、人間と同様に鼻呼吸も可能です。両方で呼吸できるので、口を閉じていたり鼻が詰まっていたりしても、息ができないということはありません。

鼻の2つ目の役割は「嗅覚」です。つまり、においを感じるという大きな役割があります。犬の嗅覚は人間よりも優れており、これによりたくさんの情報を集めることができます。人間は視覚に頼りがちですが、犬は目に見えない幅広い情報を鼻から得ているのです。

3つ目の役割は「生体防御」です。空気中に含まれる異物を鼻の中の細かい毛で捕らえ、内部に入れないようにできます。また、鼻粘膜はウイルスや細菌を撃退することも可能です。小さな鼻ですが、身体全体を守るために日々闘っているのです。

犬の鼻の能力

犬の嗅覚は人間の1000倍~1億倍だといわれています。

嗅覚とはそもそも、空気中のにおい分子を捉えて、受容体とよばれる変換細胞に吸着させ、その後信号に置き換えて脳に送るシステムを指します。

つまり、「嗅覚の鋭さ」はどれだけ「空気中の分子を捉えて受容体に触れさせる」ことができるか、ということでもあります。

その点、犬はにおい分子が人間が感じ取れる1000分の1または1億分の1しか空気中になくても、それを捉えて信号へと変換できるということなのです。これは人間にはない驚くべき能力だといえます。

犬の鼻が濡れているのはなぜ?

犬の鼻

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特徴的な鼻をもつ犬ですが、なぜその鼻は濡れているのでしょうか?その理由を簡単に解説致します。

鼻の分泌液によって濡れている

犬の鼻が濡れている主な原因は、鼻の奥から出ている分泌液です。

つまり、「鼻水」なのかといわれると実はそうではありません。犬の鼻を濡らしている分泌液は「涙」と「汗」が混ざったものです。

まず、犬にも涙腺があり、これは目の奥に存在しています。ここで作られた涙はもちろん目を通して流れていくのですが、内側を通って鼻の内部へと流れていくこともあり、これが鼻を通って鼻先を濡らすことになるのです。

もう1つの成分は汗です。そもそも犬自体あまり多くの汗腺を持っていません。ただし、同じようなものが鼻の奥にある外側鼻腺(がいそくびせん)から分泌されています。

この分泌液は犬の体温調節するために役立っており、犬にとっての汗のようなものです。この2つが鼻の奥で混ざり合い、犬の鼻の濡れた状態をつくっているのです。

私たち人間が時折汗をかいて濡れていることも、また目が涙で潤っていることも自然であるように、犬の鼻が濡れているのもごく自然なことだといえます。

舌で舐めている

上記の分泌液による自然な作用以外にも、犬が意図的に行って鼻が濡れる場合があります。

それが舌で舐める行為です。犬が自分の鼻先をペロペロと舐めている姿を見たことがあるはずです。舌には唾液が付いていますので、舐める度に鼻先は濡れてしまいます。

鼻水で濡れている場合もある

当然ですが、鼻水で濡れてしまう場合もあります。これはあまり良い状態ではありません。

普段であれば鼻水が垂れてしまうことはありませんが、体調が優れないときなどは鼻水が大量に出て、鼻まで濡れてしまうのです。特に、短頭種の犬は目や鼻のトラブルを抱えやすく、鼻水を垂らしてしまうことが多いので注意が必要です。

犬の鼻が濡れるメリットとは?

犬の鼻

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次に、犬の鼻が濡れているメリットについてご紹介します。動物の身体は素晴らしく精巧にできているので、単に鼻が濡れているだけというものではありません。

濡れていることで特定のメリットがあるのです。その2つのポイントを解説します。

嗅覚が敏感になる

鼻が濡れていることの1つ目のメリットは、嗅覚が敏感になるということです。

犬たちは空気中の分子を捉えてにおいを感じているとお伝えしましたが、この分子を捉えやすくするのが水分です。犬の鼻はたくさんの細かい溝があり、鼻が濡れることでこの溝の中に水分が含まれるようになります。

そして水分が分子を捉えるのを助けるため、犬の鼻にはたくさんのにおい分子が集まるというわけです。人間の1000倍以上の嗅覚をもつ犬の秘密の一部は、濡れた鼻にあったということです。

体温を下げる

もう1つのメリットは、犬が素早く熱を放出し、体温を下げることができるというものです。こちらも、犬の鼻には汗のような分泌液があり、これによって体温を下げると上記でお伝えしました。

鼻が濡れているから体温が下がるわけではありませんが、「体温を下げるために鼻の奥から分泌する汗によって鼻が濡れる」わけです。

つまり、鼻が濡れているということは、犬の体温調整機能がしっかりと働いていることを意味しています。

情報提供元:mofmo
記事名:「犬の鼻が濡れている理由とは?「濡れていると健康」は本当?