パンダの特徴
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パンダには、白黒の被毛が特徴的な「ジャイアントパンダ」と、茶色くて小さい「レッサーパンダ」の2種類が存在しています。
現在は、パンダといえば白黒模様が可愛い「ジャイアントパンダ」がすぐにイメージされるため、2種類のパンダといわれてもピンとこない方も少なくないでしょう。
しかし、最初にパンダと呼ばれていたのは実は「レッサーパンダ」の方です。パンダと猫との関係について触れる前に、まずは「レッサーパンダ」と「ジャイアントパンダ」の特徴を簡単にご紹介します。
レッサーパンダ
レッサーパンダは原産国が中国で、顔が熊に、体が猫に似ていたので「熊猫」と名付けられました。
体長50cm~63cm、体重3kg~6kgの小柄な体型で、全身を柔らかい被毛で覆われています。被毛の色は、全体的には赤褐色で、お腹や足は黒、頬や耳は白、尻尾は淡褐色の模様が入り、とても可愛らしい見た目をしています。
木の上に上手に登る姿やしなやかな動きは確かに猫のようでもありますが、見た目はキツネやアライグマに似ていると感じる方がほとんどでしょう。昔の中国人と現代の日本人では感覚が違うのか「レッサーパンダが熊に似ているとは思えない」という方も多いでしょう。しかし熊猫という漢字が当てられることになりました。
レッサーパンダは元祖パンダでしたが、1869年にジャイアントパンダが発見されたことによって「小熊猫」と呼ばれるようになり、現在ではパンダの名称を完全にジャイアントパンダに奪われています。
ジャイアントパンダ
ジャイアントパンダは、体長120cm~150cm、体重80kg~150kgと、レッサーパンダより大きかったので「大熊猫」と名付けられました。確かに、体の大きさや丸っこさが熊に似ています。
ジャイアントパンダ最大の特徴は、ユニークな模様です。全体的には白い被毛で覆われていますが、目の周りや耳・四肢は黒く、個性的で憎めない姿をしています。
このインパクトのある模様こそがパンダのキャラクターを確立させ、唯一無二の魅力で人々を惹きつけています。
今ではパンダという言葉は一般的にジャイアントパンダを指して用いられますので、この記事では「パンダ=ジャイアントパンダ」として解説していきます。
パンダと猫の共通点
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ぱっと見は似ていませんが、パンダと猫の間には少なくとも3つの共通点があります。これから1つずつご紹介します。
高い所が好き
大きな体のパンダも、軽々と木に登ることができます。上野動物園に見に行くと、パンダが木の上で寝ていたり、食事をしている姿をよく見かけます。
猫は外敵から身を守ったり狩りをしたりするためによく高いところに登りますが、パンダも猫と同じように単独行動をする動物で、高いところに登ることによって安心感を得るようです。
爪の剥がれ方が同じ
猫の爪はとても鋭く、引っ掻かれると傷になります。飼い猫の爪を切ろうとして大暴れをされたり、家のいたる所で爪とぎをされて家具をボロボロにされたなど、猫の爪に対してネガティブなイメージを持っている方も多いでしょう。
猫の爪は、何層にも重なった構造で、とても丈夫です。木に爪を引っ掛けて、自分の体重を支えながら垂直に登っていくわけですから、どれほどの強度があるか想像できるでしょう。
酷使される爪は、使う度に削れたり変に尖っていったりするので、定期的に爪とぎをしてお手入れをする必要があります。爪とぎをすることによって、外側の古い層の爪を剥がし、内側の新しい爪に入れ替え、常に丈夫で鋭い爪をキープしています。
この猫の爪の構造や剥がれ方は、実はパンダの爪の構造や剥がれ方と全く同じです。パンダの爪もいくつもの層になっていて、外側から剥がれ内側の新しい爪が出てくるという仕組みになっています。見た目にも同じで、パンダと猫の爪の写真を並べて比較すると瓜二つです。
頭が入ればどこでも入れる
猫の骨格で、一番横幅があるのが頭蓋骨です。つまり顔の幅が一番広いので、頭が入ればどこでも入ることができます。猫はよく、狭いところにスルリと入り込みますが、骨の構造がそれを可能にしているのです。
大きくて丸々したパンダが狭いところに入るのはちょっと想像しにくいかもしれません。しかし、見た目の印象とは異なり、実はパンダの骨格は華奢で体もほっそりとしています。そのため、木々の間や遊具の隙間などの狭い場所でも、頭さえ入ればスルリと通り抜けることができます。
このように、パンダと猫には意外な共通点があります。ただやはり、一番の共通点はやはり「可愛いさ」であることはいうまでもないでしょう。