犬がたくさんの食べ物を欲しがる理由
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犬たちはごはんを食べることが大好きです。そのため、ついつい与えすぎてしまう飼い主さんもいることでしょう。
しかし、愛犬の健康を考えると、好きなだけ食事を与えるべきではありません。ほとんどの飼い主さんたちは、愛犬の健康のためにドッグフードのパッケージに記載されている適量を守っているのではないでしょうか。
ところが、ほとんどの犬は簡単に満足してくれません。それでこれから、犬たちがたくさんの食べ物を欲しがる理由を解説させていただきます。
十分食べてももっと欲しがる犬
犬は基本的に、与えれば与えるだけ食べてしまう動物です。ですから、犬の反応を見ながら食事を与えると、どうしても与えすぎになってしまいます。規定量を与えても「もっと欲しい」とせがまれることさえあるのです。
人間であれば、普通は「満腹感」を感じて自然と食事をやめるものです。しかし、犬には満腹感が無いように思えます。どうして満腹にならないのでしょうか?
原因は犬の「満腹中枢」にあります。
満腹中枢とは?
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満腹中枢とは、食欲をコントロールする脳の神経の一部です。この満腹中枢は食事によって上昇した血糖値によって刺激され、「満腹感」を得させるようにする働きがあります。
そして、満腹中枢には感度の違いがあります。人間でも満腹中枢の違いには差がありますよね。たくさん食べられる人と、ちょっと食べるだけですぐ満腹になる人がいるのです。
犬の満腹中枢はどうなっているの?
犬と人間は生物的に満腹中枢の感度が異なります。犬は人間よりも鈍感な満腹中枢をもっているため、すぐには満腹になりません。生存するために十分な1回の食事量を食べた後でも、まだ満腹中枢が反応しきれていない場合が多いのです。
そのため、ごはんを食べた後でも幾らかの空腹を感じたままになっており、「もっと欲しい」とせがんでくるのでしょう。
これは、犬が「食べ過ぎ」とか「欲深い性格」だからというわけではありません。生物的にそうなっているので、ある程度はしょうがないのです。
この基本的な感度の違いに加えて、個体差も関係しています。食べることが大好きな犬は、よりたくさん食べたいと感じるのです。
野生の本能も関係している
どうして犬たちの満腹中枢の感度は鈍いのでしょうか?これには犬たちの本来の生活が関係していると考えられています。
犬たちはもともと野生動物として狩猟生活していました。獲物を捕らえて食事を得るのは非常に難しく、運が悪ければ食事が得られない日が続いたこともあった可能性があります。
そのため、多くの肉食動物たちは「食いだめ」する習性を持っています。つまり、食べられる時には限界まで食べようとするのです。
もちろん、食べ過ぎた食事は脂肪として蓄えられることになりますが、次にいつ食事を得られるか分からない動物たちにとっては、この脂肪蓄積システムが助けになっているのです。
現代の私たちのほとんどは食事に困っておらず、むしろ脂肪を蓄えないように気を付けています。これは、同じように豊かな生活を送っている飼い犬たちも同様です。
いつでも決まった時間にごはんを食べられるため、脂肪を蓄えやすくなっています。しかし、生物的構造は変わっていないので、満腹中枢は鈍いままなのです。そのため、飼い主さんたちが食事のコントロールをしてあげる必要があります。
犬の満腹中枢を刺激するには?
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では、「もっと欲しがる」犬を満足させるにはどうすればよいでしょうか?食べるのが大好きな犬に効果的な方法をご紹介します。
食事の回数を増やす
食事の回数を変更するのはとても良い方法です。大切なのは、1日の総量は変化させないことです。1回の量を減らして、食事の回数を増やすのです。そうするなら総カロリーには変化がないので、これまでと同じ体型を維持できるでしょう。
さらに、食事の回数を多くすることで、空腹である時間が少なくなります。これにより、犬の感じる「空腹感」を少なくできるのです。
食事内容を考慮する
食事の内容を変更することもできます。ローカロリーのドッグフードに変更するなら、同じカロリーでも量だけ増すことができるでしょう。また、水分を少し含ませることでふやかして量を多くできます。
ただし、人間のダイエットのように野菜をたくさん与えてはいけません。犬は人間と違って植物を消化するのが苦手です。消化不良を起こしてしまう可能性があります。
フードボウルに工夫を!
フードボウルの中には、シリコンの突起がたくさんついたものがあります。隙間にドッグフードが入ってしまうため食べづらく、時間がかかるのです。
犬にとっては煩わしいフードボウルなのですが、食事の時間を長引かせて満腹感を得させることができます。特に、早食いしてしまう犬にはピッタリの道具です。
是非工夫を働かせて、愛犬たちが満足できる食事にしてあげましょう。