猫はよく舐める動物
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猫はザラザラとした舌を持っています。この舌を使って自分の身体を舐めたり、飼い主さんの手や腕、顔を舐めることもあります。
これらの行動にはそれぞれ意味があり、状況や舐め方によっても違った意味を持ちます。その意味を知っておくなら、猫の気持ちをより理解してあげることができるでしょう。これから、猫が舐める意味をその場面ごとに解説していきます。
口まわりを舐める意味
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猫が口のまわりを舐めている場面を見たことがある人は多いことでしょう。自分の舌を伸ばして口のまわりを何度もペロペロと舐めるこのしぐさは、「舌なめずり」ともいわれています。
この舌なめずりには様々な意味があります。ここでは、猫が舌なめずりをする時の3つの理由をご紹介します。
1.食べカスをとっている
猫がごはんを食べた後に舌なめずりしている場合、「口まわりに付着した食べカスをとっている」というのが理由です。舌なめずりすることで口まわりをキレイにしているのです。
また、口まわりに付着した食べカスを長時間放置すると、雑菌が繁殖してとても不衛生です。そうした理由からも、猫は食後に口まわりをキレイにします。
食後に猫が舌なめずりしていたら、「ごちそうさま」のサインともいえるでしょう
2.お腹が空いた
ごはんの前にも猫は舌なめずりすることがあります。これは、「お腹が空いた」と飼い主さんに訴えているのです。
ごはんの時間が近づくと猫たちもお腹が空いてきます。美味しいごはんの匂いがしてくると、思わずよだれが垂れてしまうこともあります。そのよだれを拭うかのように舌なめずりしているのです。実際によだれが出ていなくても、ごはん前に舌なめずりするのが習慣になっている猫も多くいます。
いずれにしても、猫が食前に舌なめずりしていたら、それは「いただきます」のサインといえます。
3.口内トラブルを抱えている
猫も口内炎などの「口内トラブル」を抱えることがあります。口内トラブルを起こしていると、通常よりよだれの量が増えます。そうすると、よだれを拭う頻度も増すので、結果舌なめずりが増えるようになります。
急に舌なめずりが多くなったと気付いたなら、口内をチェックしたり、食欲が落ちていないかなどを確かめましょう。不安であれば、かかりつけの動物病院に連れて行き、獣医師に相談してください。
身体を舐める意味
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猫たちは自分の身体を頻繁に舐めます。これは「グルーミング」と呼ばれる行動です。起きているうちの半分の時間をグルーミングに費やすといわれています。猫たちにとってグルーミングはライフワークであり、日常動作の一つなのです。
ここでは、猫のグルーミングにどのような意味があるのかを解説します。
1.身体を清潔にするため
基本的に、グルーミングは身体を清潔にするために行ないます。猫には被毛がびっしりと生えています。この被毛を舐めることで、汚れの付着を防ぎ、身体を清潔に保っているのです。
身体を清潔にすることは、皮膚病を防ぐことにも繋がります。よって、グルーミングすることで健康も保たれているのです。
キレイ好きな猫は1日のかなりの時間をグルーミングにあてます。猫のしなやかなで美しい被毛は、日々のグルーミングのおかげともいえるでしょう。
2.体温調節
猫のグルーミングには、体温調整の目的も含まれています。グルーミングによって気化熱が生じるので、これにより体温を下げることができます。
私たち人間とは違って、猫には汗腺がほとんどないため、汗によって体温を下げることができません。しかし、グルーミングすることで身体の体温を下げることができているのです。夏の暑い時期にグルーミングしている猫をよく見かけるのも、こうした理由からといえます。
また、この体温調整は冬場の寒い時期にも効果があります。冬に被毛を舐めるなら、被毛をふっくらさせ、空気を含ませることができます。これにより猫の身体のまわりには空気の層ができるようになります。
たくさんの空気を含んだ被毛が保温効果をもたらしてくれることで、猫は冬でも温かく過ごすことができるのです。
3.転位行動
猫は転位行動としてグルーミングをする場合があります。転位行動とは、自分がストレスを感じた時や何か失敗をした時に気持ちを落ち着かせる行動のことです。
私たち人間も、失敗した時に頭を掻いたりすることがあります。特に頭が痒いわけではありませんが、一種のストレス作用としてそのような行動をとるのです。同様に猫たちも、転位行動をとることがあります。