猫にトマトを与えても問題ない?

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基本的に猫は酸味の強い食べ物を嫌う傾向があります。トマトも酸味が強い野菜なので、猫はあまり好まないかもしれません。しかし、中にはトマトを好む猫もいます。猫が欲しがるようでしたら与えても問題ありません。
トマトにはトマチンという成分が含まれています。この成分はASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の発表している「猫に毒性のある植物リスト」に挙げられています。ただし、その中で「熟した果実に毒性はない」と記載されています。ですから、完熟のトマトの実の部分は猫に与えても問題ないと言えます。
トマトはとてもみずみずしいので、暑い時期の水分補給の助けになること間違いなしです。
猫にトマトを与えてもいい量
猫の年齢や体重によって、与えてもいいトマトの量が変わってきます。それは、年齢によって消化器官の成長度合いや老化度合いが変わってくるからです。また、それに伴って必要な摂取カロリーも変わってきます。ここでは、年齢ごとにトマトを与えても大丈夫な量をご紹介します。
子猫の場合
年齢が12ヶ月未満で体重が1kg未満の子猫の場合は消化器官が未発達なので、トマトを与える時には注意が必要です。特にトマトは消化があまり良くない食べ物なので、少量にとどめることをお勧めします。
成猫の場合
生後12ヶ月から7歳までの成猫の場合は、大きなトマトで1/16の量、ミニトマトの場合は1個が目安となります。やはり消化があまり良くないので、一回に与える量はもう少し少なめの方がいいかもしれません。
老猫の場合
生後7歳以上の老猫の場合は消化器官が既に弱ってきています。消化の良くないトマトは老猫にはあまり与えない方がいいかもしれません。どうしても与えたい場合は、皮をむいてペースト状態にすると消化しやすくなります。この場合も、与える量はほんの少しにとどめてください。
猫にトマトを与えることで期待できる効果

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トマトにはリコピンという栄養素が含まれてます。この成分は老化防止や成人病予防の効果を期待できます。このリコピンの抗酸化作用はとても強力で、細胞を活性化させ、動脈硬化を抑える働きがあります。
また、トマトはカリウムやビタミンB、食物繊維などの腸内環境を整え、便秘を解消してくれる成分がとても豊富です。水分がとても多くさっぱりしているので、暑い季節の水分補給や熱中症を防止する効果も期待できます。
その他にも、がんや肝臓などの疾患、ダイエットに効果的だといわれています。
猫にトマトを与える時の注意点
トマトにはトマチンという毒性の成分が含まれています。猫が誤ってこの成分を食べてしまうと、中毒症状を起こしてしまいます。中毒症状を起こすとこのような症状が表れます。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹部の痛み
- 呼吸困難
- 血便
このような症状がある場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。
トマチンは葉や茎や花の部分に多く含まれています。猫にトマトの葉や茎、花の部分は与えないでください。
完熟した実からはトマチンの成分は検出されません。ですから、猫にトマトを与える際は完熟している実の部分を与えるようにしてください。
トマトは消化の悪い食べ物なので、火を通して皮と一緒にスープにしてあげると消化もよく、食べやすくなります。火を通すことで主要な栄養素のリコピンの吸収も良くなります。この際、人間の味付けは猫にとっては濃すぎるので、味付けはせずに自然のままの状態で与えてください。
どんな食べ物もすべての猫に安全というわけではありません。猫の中にはトマトにアレルギー反応を起こしてしまう猫もいます。
- 下痢
- 嘔吐
- かゆみ
- 体の震え
- 気力低下
トマトを食べた後にこのような症状が出た場合、トマトアレルギーがあると考えられます。すぐに獣医師の診察を受けてください。トマトを初めて与える際は少量にとどめて、猫の体調に異変がないかを確認してから与えるようにしてください。
トマトジュースやトマトソースなどは与えても問題ない?

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市販のトマトジュースは砂糖や保存料などが加えられています。特に、糖分は猫が取りすぎると糖尿病などの基礎疾患の原因になるので与えないでください。味付けをしない自家製のトマトジュースは与えることができます。
トマトソースは塩分が多く、猫に有害な成分がある玉ねぎのエキスが混ざっていることがあります。さらに、塩分の取りすぎも猫にとっては健康に良くありません。ですから、トマトソースは絶対に猫に与えないでください。