猫にイカを与えても問題ない?
John And Penny/shutterstock.com
基本的に加熱したイカであれば、少量与えても問題ありません。イカはキャットフードの材料にもなっています。
水揚げされたばかりのイカは透明で透き通った色をしています。だんだん鮮度が落ちると表面が茶色くなり最後には真っ白になります。ですから、透明、茶、白の順で鮮度が落ちていくということです。
真っ白になったイカは新鮮ではないので、猫に与えるのには適していません。たとえ新鮮なイカであったとしても、生のイカを猫に与えることはおすすめできません。
このように、イカを猫に与えることはできますが、与え方や与える量に注意することが大切です。
猫にイカを与えてもいい量
猫の年齢や体重によって、猫に与えてもいいイカの量は異なります。それは、年齢によって消化器官の発達や老化の具合が違うからです。また、体重によって必要なカロリーも変わってきます。ここでは、年齢別に猫にイカを与えてもいい量をご紹介します。
子猫の場合
生後12ヶ月未満で体重が1kg位の子猫の場合は消化器官が発達していないので、イカを与えることはあまりお勧めしません。どうしても与えたい場合は、完全に加熱処理したものをほんの少しににとどめてください。生のイカは絶対に与えないでください。
成猫の場合
生後12ヶ月〜7歳までの成猫の場合でも、大量にイカを食べてしまうと猫の健康に害を及ぼす危険があるので、イカミミの半分程度にとどめておいてください。こちらも生のイカは絶対に与えないでください。
老猫の場合
生後7歳以上の老猫の場合は消化器官が老化しており、基礎疾患を抱えているケースが多いため、老猫にイカを与えることはお勧めできません。少しでも体調に変化が見られる場合はイカを与えないでください。
猫にイカを与えることで期待できる効果
ela_elarts/shutterstock.com
イカには良質のタンパク質やカルシウムが含まれています。また、タウリンを多く含んでいて、肝機能を高める効果を期待できます。このタウリンには、他にもコレステロールを下げる効果や動脈硬化を予防する効果、目の新陳代謝を良くし、視力維持の効果も期待できます。
イカにはDHAやEPAも多く含まれているので、コレステロールや中性脂肪を和らげ、いわゆる成人病を抑制する働きがあります。
イカを猫に与える時の注意点
こんなに栄養満点のイカでも猫に与える時は注意が必要です。「イカを猫に与えると腰を抜かす」という話を耳にします。これは、イカに含まれる「チアノーゼ」という成分がB1欠乏症を引き起こすことによって生じる現象です。この「チアノーゼ」は熱に弱いので、しっかり加熱することで症状を予防することができます。
もしも、イカを食べたあとで痙攣や歩行困難、体の硬直、瞳孔が鈍るなどの症状がでた場合はB1欠乏症が考えられるので、すぐに獣医師の診察を受けてください。このような症状がなくても、生のイカを誤って食べてしまった場合は早急に獣医師の診断を受けることをおすすめします。
イカはとても消化が悪い食べ物です。よく加熱したものであっても、大量に猫が食べるとお腹を壊してしまいます。下痢などの原因にもなるので、猫にイカを与える量は少しにしてください。
どの食べ物にも言えることですが、すべての猫にとって完全に安全な食べ物はありません。特に、イカなどにアレルギー反応を起こしてしまう猫もいます。初めてイカを与える際には少量を与えて、アレルギー反応が出ないかを確認してください。もしもアレルギー反応が出るようでしたら与えるのをやめ、獣医師の診察を受けてください。
タコやスルメは与えても問題ない?
Natali Zakharova/shutterstock.com
タコにもやはり「チアノーゼ」が含まれています。ですから、タコも猫に加熱せずに生のまま与えるとB1欠乏症を引き起こす危険があります。加熱したものを少量なら与えることができます。
ただ、タコもイカと同じく消化の悪い食べ物です。加熱したものでも、大量に与えると消化不良を起こしてしまう危険があります。結論として、タコを猫に与える時は加熱したものを少しだけ与えるようにしてください。
スルメは加熱済みなので、猫が食べても基本的に問題ありません。ただ、スルメにはミネラルが多く含まれており、大量に食べてしまうと尿道結石を起こしてしまう危険があります。また、スルメはとても硬く消化に悪い食べ物です。さらに胃のなかで膨らむという特徴があります。ですから、積極的に猫に与えたい食べ物ではありません。
結論として、猫にスルメは与えても問題はありませんが、あまり与えない方がいい食べ物といえます。