猫にソースを与えてはいけない理由とは
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ソースといっても、ウスターソース、中農ソース、とんかつソース、お好みソースなど種類は様々です。しかし、どのソースにも猫にとって危険な玉ねぎが使用されているため、絶対に与えてはいけません。
玉ねぎには、「アリルプロピルジスルファイド」という物質が含まれており、猫には有毒です。この物質を猫が摂取すると、赤血球を破壊し、溶血性貧血やハインツ小体性貧血を引き起こします。重度の貧血が起こって、輸血が必要な状況にまでなると、高い確率で死に至るとも言われています。
この物質は加熱されても毒性がなくなることはありません。そのため、玉ねぎが入っている料理や玉ねぎのエキスが含まれるものは全て、猫が口にすると中毒を起こす危険があります。
猫がソースを食べてしまった時の症状
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玉ねぎが含まれているソースを猫が口にしてしまった場合、どのような中毒症状が現れるのでしょうか。以下は、玉ねぎ中毒を起こした場合に現れる症状です。
- 嘔吐
- 下痢
- 元気消失
- 発熱
- 貧血
- 呼吸困難
- 血尿
- 黄疸
- 歯茎やまぶたの裏が白くなる
- 脈が不安定
- 食欲消失
- 歩行不安定
- 意識混濁
このような症状が見られる場合は、玉ねぎ中毒を起こしていると考えられます。症状がすぐに現れる場合もあれば、12時間後から2~5日後など、時間が経過してから発症することもあるので、注意する必要があります。
猫に危険が及ぶ摂取量
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ソースのように加工されたものだと、どのくらいの量を猫が口にしたら致死量となるのか、はっきりとしたことは分かりません。また、猫の年齢や健康状態などによっても、症状の現れかたや進行具合は異なります。
一般的には、体重1kgあたり玉ねぎ15g程度(大さじ1杯)の量で、致死量になりうるとされています。しかし、これより少ない量でも中毒症状が出たり、命を落とす危険があるので、注意が必要です。少量でも玉ねぎが入っていたり、玉ねぎのエキスが含まれているものは、与えないようにしてください。
子猫の場合
生後12カ月未満、体重1kg未満の子猫の場合、消化器官がまだ発達していないので、特に注意が必要です。子猫の体はとても小さいので、ほんのわずかな量であっても中毒を起こす危険があります。
成猫の場合
生後12カ月~7歳、体重3~5kgの成猫の場合、玉ねぎ45g~75g(大さじ3杯~5杯)の量を食べると、危険です。しかし、前述の通り、猫によっても個体差があります。ほんの少しの量でも中毒症状が出ることがあるので、決して猫に玉ねぎは与えてはいけません。
老猫の場合
7歳以上になると、年齢と共に体力や免疫力が低下してくるので、注意が必要です。老猫が中毒症状を起こすと、症状が進行し、重症化する危険性があります。
猫がソースを食べてしまった場合の対処法
「目を離したすきに、猫がソースを口にしてしまった!」ということがあるかもしれません。そのような場合、飼い主さんはどのように対処したらよいのでしょうか。
猫がソースを口にしてしまったことが分かった場合、すぐにかかりつけの動物病院に連絡し獣医師の指示に従うようにしてください。上でも述べたように、食べた直後は何ともなくても、時間が経過してから中毒症状が出ることがあります。大丈夫だろうと自己判断して放置するのではなく、症状が進む前にできるだけ早く病院に連れて行き、適切な処置をしてもらうようにしましょう。応急処置として無理に吐かせるのは危険ですので、絶対にやめてください。
獣医師にできるだけ詳細に情報を伝えるようにしてください。「いつ食べたのか」「どのくらいの量を食べたのか」「どんな症状が出ているか」などに加え、猫の年齢や体重、病歴、最近の健康状態など、愛猫の情報も正確に伝えるようにしましょう。
マヨネーズやケチャップも与えてはダメ
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毎日の料理に欠かすことのできないマヨネーズやケチャップも、猫には与えてはいけません。
マヨネーズには、猫の健康に悪影響を及ぼす「塩分」や「食用油」が含まれています。これらを過剰に摂取すると、腎臓病や尿結石、心疾患、膵臓病などの病気を引き起こす可能性があります。また、マヨネーズの原材料に使用されている卵にアレルギー反応を起こす猫もいます。アレルギー症状が出ると、嘔吐や下痢を起こしたり、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こし、死に至る危険もあります。ゆえに、少量であっても猫にマヨネーズは与えてはいけません。
ケチャップには、ソースと同様、原材料に玉ねぎが含まれているため、少しの量でも中毒症状が出る可能性があります。また、高カロリーで塩分が多く含まれているため、糖尿病や腎臓病、心疾患などにかかるリスクも高まります。猫の健康を守るためにも、絶対に与えないでください。