猫に豆乳を与えても問題ない?
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豆乳は、大豆が原料となっている飲み物で、中国が発祥とされています。中国はじめ、東南アジアではポピュラーな飲み物です。日本でも、健康ブームによって豆乳が注目されるようになり、飲み物としてだけでなく、豆乳鍋や豆乳グラタン、豆乳ヨーグルト、豆乳シチューなど、牛乳の代わりに豆乳を使った料理も近年増えてきています。
豆乳の原料である大豆には、猫にとって中毒となる成分は含まれていません。また、大豆はキャットフードにも使用されることもあるので、基本的に猫に豆乳を与えても大丈夫です。しかし、豆乳に含まれる栄養素には、猫が過剰に摂取すると体調不良を起こすものもあるので、注意が必要です。
猫に豆乳を与えてもいい量
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豆乳は健康に良い飲み物ですが、猫に大量に与えるのはよくありません。なぜなら、豆乳には「カリウム」が豊富に含まれているため、猫に豆乳を与え過ぎるとカリウムの過剰摂取になってしまうからです。
カリウムには、細胞の活性を維持したり、体内の不要なナトリウムを排出する働きがあるため、猫にとっても必要な栄養素の一つです。しかし、腎臓に問題がある猫がカリウムを摂取し過ぎると、高カリウム血症になってしまう可能性があります。
さらに、健康な猫であっても、カリウムなどミネラルの摂り過ぎは体調不良を引き起こす原因ともなるので、与える量には注意が必要です。
子猫の場合
AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めている栄養基準によると、子猫は、フード100gあたり0.6%以上のカリウムを摂取するのが適正とされています。
しかし、生後12カ月未満、体重1kg未満の子猫の場合、消化器官が発達していないので特に注意が必要です。基本的に、1日に必要な栄養はキャットフードでまかなうことができるので、わざわざ子猫に豆乳を与える必要はありません。どうしても豆乳を与えたい場合には、少量だけにしてください。
成猫の場合
生後12カ月~7歳、体重3~5kgの成猫の場合も、フード100gあたり0.6%以上のカリウムを摂るのが適正とされています。
猫に豆乳を与える場合は、スプーン1杯程度の量で良いでしょう。無調整の豆乳が少し濃いように感じるなら、水で薄めて与えるようにしてください。栄養豊富な豆乳ですが、大量に与えてしまうと下痢を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合も、消化器官機能が弱っている可能性があるので、気をつけなければなりません。
腎機能が低下している老猫に、豆乳をたくさん飲ませると、高カリウム血症や尿結石などの病気を引き起こすリスクが高まります。リスクを抱えてまで、老猫にわざわざ豆乳を与える必要はありません。
猫に豆乳を与えることで期待できる効果
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豆乳には、抗酸化作用を持つ「サポニン」という成分が含まれています。この成分は、体内の活性酸素を除去してくれるので、老化防止やガン予防に効果があります。
また、豆乳は「植物性たんぱく質」が豊富です。たんぱく質は、筋肉や血液、皮膚、被毛など、体を作る上で欠かせない栄養素です。たんぱく質は体内では生成されないため、食品などから摂取する必要があります。
さらに、豆乳の原材料は大豆なので「大豆イソフラボン」も含まれています。大豆イソフラボンを摂取することで、免疫力の向上や老化防止などのアンチエイジング効果を期待することができます。
猫に豆乳を与えるときの注意点
豆乳には「調整豆乳」と「無調整豆乳」の2種類ありますが、猫に豆乳を与えるときは、必ず大豆のみで作られている「無調整豆乳」を与えるようにしてください。「調整豆乳」は、飲みやすくするために砂糖や調味料、添加物が加えられているため、猫には与えないでください。
また、先ほども取り上げたように、豆乳にはカリウムなどのミネラルが多く含まれています。ミネラルを過剰に摂取すると、腎臓や膀胱、尿管、尿道に結石ができてしまう可能性があるので、与える量には注意が必要です。
加えて、猫の中には、豆乳の原材料である大豆に対してアレルギー反応を起こす子もいます。猫に初めて豆乳を飲ませる場合は、少量だけにし、アレルギー症状が出ないか様子を見るようにしましょう。万が一、下痢や嘔吐、体を痒がる、口周りが腫れるなどの症状があらわれた場合は、すぐに病院に連絡し獣医師の指示に従ってください。
豆乳ヨーグルトや豆乳ホイップは与えても問題ない?
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豆乳ヨーグルトや豆乳ホイップなど、豆乳を使用した加工品は猫に与えても大丈夫なのでしょうか。
猫に豆乳ヨーグルトを与えても問題ありません。大豆に含まれる栄養素だけでなく、乳酸菌も摂取することができるので、猫の腸内環境を整える上で大きな効果があります。ただし、砂糖が入っていないプレーンタイプのものを与えるようにしてください。
豆乳ホイップも猫に与えることができますが、豆乳ヨーグルトと同様、砂糖は入れずに与えるようにしてください。