猫に練乳を与えてはいけない理由とは
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練乳は、牛乳を濃縮したもののことで、無糖練乳(エバミルク)、砂糖を加えて濃縮した加糖練乳(コンデンスミルク)に分けられます。
練乳の原料である牛乳には、「乳糖(ラクトース)」が多く含まれていますが、猫には乳糖を分解する「ラクターゼ」という消化酵素が少ないため、乳糖をうまく分解・吸収できず消化不良を起こしてしまいます。ゆえに、牛乳を濃縮した練乳は猫に与えてはいけません。
また、加糖練乳には糖分が多く含まれているため、猫に与えると肥満になってしまいます。さらに、糖尿病や高血圧など、様々な病気を引き起こすリスクを高めるので、猫に練乳を与えるのはおすすめしません。
猫が練乳を食べてしまった時の症状
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上で述べたように、猫が練乳を食べると消化不良を起こすのは、乳糖を分解するラクターゼが不足している「乳糖不耐症」が原因とされています。練乳を食べた量や猫の個体によっても症状のあらわれ方は異なりますが、猫が練乳を食べると次のような症状が出ることがあります。
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 腹部膨満
これらの症状が見られる場合は、猫が練乳を食べている可能性が考えられます。また、継続的に猫に練乳を与えていると、肥満になり、糖尿病や高血圧などの病気を引き起こす可能性があるので、注意しなければなりません。加えて、猫が牛乳にアレルギーを持っている場合、血便や体の震え、皮膚を痒がる、痙攣といった症状が出ることもあります。
猫に危険が及ぶ摂取量
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どのくらいの量の練乳を猫が食べたら致死量となるのかに関しては、データがなく、はっきりとしたことは分かっていません。
しかし、猫が練乳を食べると、様々な病気を引き起こすリスクがあります。重症な場合、死に至る可能性があるため、少量であっても猫に練乳を食べさせないようにしてください。
子猫の場合
生後12カ月未満で、体重1kg未満の子猫の場合、消化器官機能が未発達なので特に注意が必要です。
子猫の場合、ラクターゼが分泌されても、離乳後にはラクターゼが10分の1に減ってしまうと言われています。子猫は、体が小さく体力もないので、練乳を食べて下痢を起こすと、重症化してしまう危険があります。また、様々な病気を引き起こす要因ともなりかねないので、子猫に練乳を与えるのは避けてください。
成猫の場合
生後12カ月~7歳、体重3~5kgの成猫にも練乳を与えてはいけません。猫は成長し大きくなるにつれラクターゼの分泌は低下し、やがて分泌されなくなります。そのため、乳糖を過剰に摂取してしまうと、体調不良を起こしてしまいます。
老猫の場合
シニア期に入ると、子猫同様、消化器官機能が弱ってくるので注意が必要です。
練乳の原料である牛乳には、ナトリウムやリンなどのミネラルの他、たんぱく質も豊富に含まれています。腎臓機能が低下している老猫が、これらの成分を摂り過ぎると、症状が悪化する可能性もあります。ゆえに、老猫に練乳を与えることは絶対にしないでください。
猫が練乳を食べてしまった場合の対処法
少量の練乳を口にした程度では、すぐに死に至ることはありません。ですから、愛猫が誤って練乳を食べてしまったとしても、慌てずに落ち着いて対処するようにしましょう。飼い主さんが慌ててしまうと、猫もパニックになってしまいます。
練乳を食べた後に猫が下痢を起こした場合は、下痢の状態や回数などをチェックしてください。下痢がひどく何回も続くと、体の中の水分が大量に失われてしまい、脱水症状を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。下痢が続くようであれば、すぐにかかりつけの動物病院に連絡し獣医師の指示に従うようにしてください。
動物病院に連れて行く際は、「いつ食べたか」「どのくらい食べたか」「何回下痢をしたか」「他にどのような症状が出ているか」など、詳細に伝えるようにしましょう。
牛乳も生クリームも与えてはダメ
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牛乳は本来、赤ちゃん牛を育てるためにお母さん牛が出す乳です。そのため、牛の赤ちゃんにとって必要な栄養素は含まれていますが、猫にとっては十分な栄養にはなりません。また、牛乳には猫の母乳より多くの乳糖が含まれています。そのため、猫が牛乳を飲むと、乳糖をうまく分解することができず、消化不良を起こしてしまいます。ゆえに、猫に牛乳を与えてはいけません。
生クリームには乳糖はほとんど含まれていませんが、人間用の生クリームには砂糖が加えられていることが多いので、猫にとっては糖分の摂り過ぎになってしまいます。糖分を多く摂取してしまうと、糖尿病になる可能性があるため、猫に生クリームを与えてはいけません。また、生クリーム自体、脂肪分が高いので、猫に与えると肥満の原因となってしまいます。