犬に豆苗を与えても問題ない?
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豆苗はエンドウの若菜で、もともとは大きく成長したエンドウの若葉と茎を摘んだものでした。近年は豆から発芽させたものが豆苗として販売されています。年間を通して安定して生産できる野菜で、さらにリーズナブルな価格で購入できるとあって近年人気を集めている野菜となっています。
豆苗は生でサラダとして食べることもできますし、おひたしや炒め物などさまざまな調理法ができる野菜です。しかも、可食部を切り取った後の根っこの部分を水に浸しておけば、再度芽が伸びてまた収穫することもできます。
栄養価も非常に高いので、多くの家庭で食されることが増えてきた豆苗ですが、人だけでなく犬にも安心して与えることができます。ネギや玉ねぎのように、犬が中毒症状を引き起こしてしまうような危険な成分は含まれていないので、健康な犬であれば基本的に問題なく食べることができますし、さらにはある程度の栄養効果も期待できる食材です。
犬に豆苗を与えてもいい量
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豆苗を犬に与える際には「量」をきちんと守って与えることが大切です。犬は雑食動物なのでどんなものでも口にしますが、基本的には肉食に近い動物で、野菜に含まれる繊維を消化することが苦手なので与え過ぎは良くありません。
また、犬が必要とする栄養素はドッグフードの中にすべてバランスよく入っているので、基本的には副食で栄養を摂る必要はありません。豆苗を犬に与える時はおやつやドッグフードのトッピング程度に抑えておくようにしましょう。一般に犬に与える副食は1日に摂取する食事量の10%程度と言われています。
犬に与えていい豆苗の適正量は犬のサイズや体重によって異なります。ではこれから1日の食事量の10%以内を目安に、与えていい豆苗の適正量を犬の体重別に取り上げてみることにしましょう。
超小型犬の場合
超小型犬とは体重が4kg未満の犬のことで、その中にはチワワやトイプードル、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャーテリアといった犬種が含まれます。
超小型犬が1日に必要とする食事量は体重1kgの犬でだいたい100g程度です。超小型犬の場合、体重が1kg増えるごとに食事量は50gずつ増加する計算で、体重2kgであれば150g、3kgの犬で200gといった具合です。
この食事量の10%以内ということは、愛犬の体重に合わせて10g~25g前後が与えていい豆苗の目安量ということになります。
小型犬の場合
小型犬とは体重が10kg以下の犬のことをいいます。シーズーやパグ、狆やペキニーズ、ミニチュアダックスフンドなどが該当します。
体重が5kgの犬の1日の食事量はだいたい300g程度です。小型犬の場合、体重が1kg増えるごとに食事量は40gずつ増える計算になります。体重が10kgの犬であれば500gです。その10%以内ということは、30g~50g前後が与えていい適正量といえます。
中型犬の場合
中型犬は体重が25kg以下の犬を指します。ウェルシュコーギーやパセンジー、ビーグルやブルドッグ、ボーダーコリーなどです。
中型犬の場合は体重1kg増えるごとに食事量は35gずつ増えていく計算です。体重15kgの犬であれば675g、20kgの犬であれば850gが1日の食事量です。この10%以内なので、50g~100g前後がおおよその目安量となります。
大型犬の場合
体重25kg以上の犬が大型犬です。ドーベルマンやロットワイラー、ボクサー、ダルメシアン、秋田犬などが含まれます。
体重25kgの犬の食事量は1日1000g、以降体重が1kg増えていくごとに30gずつ食事量が増えていく計算です。この10%以内なので、愛犬の体重に合わせて100g以上の豆苗を与えることができます。
子犬の場合は注意が必要
子犬に豆苗を与える時は特に注意が必要です。子犬は消化器官がまだ発達していないため、下痢や嘔吐などの消化不良を起こしやすいからです。子犬の体重に関わらず「ほんの少し」程度与えるか、もしくはわざわざ与えなくても良いと言えるでしょう。
犬に豆苗を与えることで期待できる効果
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豆苗にはさまざまな栄養素が含まれています。特にビタミンB群やビタミンA、ビタミンKやビタミンCなど、たくさんのビタミンが豊富に含まれています。さらにβカロテンやたんぱく質、葉酸といった栄養素もあります。
ビタミンは皮膚や粘膜を保護したり、白内障の予防や角膜の保護など目の健康を保たせたりするのに効果が高い栄養成分です。免疫力を高めて、いつまでも健康で若々しい体を維持するのに欠かせません。たんぱく質も肉食に近い犬にとっては必要なエネルギー源となるでしょう。
犬に豆苗を与えるときの注意点
豆苗を犬に与える際、生でも加熱した状態でも与えることができますが、消化の良さを考えると、できれば加熱して柔らかくするか、もしくは細かくカットして与えた方が良いでしょう。
特に初めて豆苗を愛犬に与える時はごく少量からスタートするようにし、体調に変化が見られないかよく観察するようになさってください。特定の食材にアレルギー反応を示す犬もいるからです。
もし、豆苗を食べた後で愛犬の体調に何らかの変化が見られたなら、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。
かいわれ大根やブロッコリースプラウトは与えても問題ない?
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豆苗と見た目が非常に似ている野菜の中に、かいわれ大根やブロッコリースプラウトがあります。豆苗はエンドウ豆が発芽したものですが、かいわれ大根は大根の発芽したもの、ブロッコリースプラウトはブロッコリーが発芽したものとそれぞれ属種が異なります。
かいわれ大根もブロッコリースプラウトもどちらも犬に与えて問題のない野菜です。しかし、豆苗と同じく消化しやすい工夫をすることと、適正量を守って与えるようにしてください。