犬にぶどうを与えていけない理由とは
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ぶどうは「畑のミルク」といわれるほど、栄養価の高いフルーツとして人気です。日本では夏から秋にかけて出回ることが多いですが、輸入品も多く一年を通して手に入れやすいフルーツです。
犬にぶどうを与えると中毒症状を引き起こす可能性があることが分かるようになったのは実はごく最近のことです。日本ではぶどうを食べたことで犬が中毒症状を起こしたという例はほとんどありませんが、世界各国ではいくつもの症例が報告されています。
しかし、ぶどうがなぜ犬に良くないのか、中毒症状の原因となるものはまだはっきりとは特定されていないのが現状です。ぶどうに付着している農薬や殺虫剤、カビが原因かもしれないといわれてはいるものの、皮を取った状態の実を食べて中毒症状が出た犬もいて、はっきりしたことは分かっていません。
また、ぶどうにはデラウエアやマスカット、巨峰といったようにさまざまな種類がありますが、どれは大丈夫だとか危険だといったことも確認されていません。
いずれにしてもはっきり言えることは、「ぶどうを犬に与えてはいけない」ということです。
犬がぶどうを食べてしまった時の症状
犬がぶどうを食べてしまうと、どんな中毒症状を引き起こしてしまうことがあるのでしょうか。下記のような症例が報告されています。
- 嘔吐や下痢
- 水をたくさん飲みだす
- 食欲が無くなる
- 元気が無くなる
ぶどうを食べたことで重症化してしまうと、急性腎不全を起こしてしまう危険もあります。急性腎不全になってしまうと、下記のような症状が見られることがあります。
- 無気力、動こうとしなくなる
- 脱水症状になる
- 元気がない、食欲がない
- 意識の低下
- 嘔吐や下痢
- 背中を丸めてじっと動かない
- おしっこをほとんどしない
- よだれが大量に出る
ぶどうが近くに置いてあってこれらの症状が見られる場合は、犬がぶどうを食べた可能性があると考えられるかもしれません。
犬に危険が及ぶ摂取量
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では、具体的にどれくらいの量のぶどうを摂取すると犬に危険が及ぶのでしょうか。犬に危険が及ぶ致死量は、犬の体重によって変わってきます。
しかし、ぶどうの何が中毒になるのかが解明されていないので、ぶどうの致死量についてもはっきりしたことは言えません。これまでのぶどうによる中毒症状の症例を見ると、犬の体重1kgに対して生のぶどう3g~57gで発症したことが報告されています。
この数字を踏まえて、犬に危険が及ぶ可能性があるぶどうの摂取量を、犬の体重別にまとめてみたいと思います。
超小型犬の場合
超小型犬とは体重が4kg未満の犬のことをいいます。代表的な犬種の中にはチワワやトイプードル、ポメラニアン、パピヨン、マルチーズなどが挙げられます。
体重が1,5~2kgの犬でぶどう約6gが致死量になる可能性があります。この6gはデラウエアで3粒ほど、マスカットで1粒程度です。
小型犬の場合
小型犬とは体重が10kg以下の犬のことをいいます。代表的な犬種としては柴犬やパグ、シーズー、ミニチュアシュナウザーやミニチュアダックスフンド、狆やペキニーズなどがいます。
個々の体重にもよりますが、ぶどう15g~30gほどから致死量になる可能性が高くなります。
中型犬の場合
中型犬は体重が25kg以下の犬のことで、ブルテリアやビーグル、ボーダーコリー、ブルドッグ、ウェルシュコーギーやコッカースパニエルなどが含まれています。
中型犬の場合、ぶどう60g~75g前後でも致死量になってしまう危険は高くなります。
大型犬の場合
大型犬とは体重が25kg以上の犬種のことです。例えばアイリッシュセッターやアフガンハウンド、サモエド、シベリアンハスキー、ドーベルマン、セントバーナードといった犬種がいます。
大型犬は少ない量でもぶどう90g~120gから中毒症状を引き起こす危険があることが分かります。
子犬の場合はさらに要注意
子犬の危険な摂取量に関しても詳しい情報はありませんが、子犬の場合は体重に関わらずより注意が必要になるといえます。なぜなら、子犬は消化器官がまだ発達していないからです。ほんの1粒でも絶対に与えてはいけません。
犬がぶどうを食べてしまった場合の対処法
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犬がぶどうを誤って食べてしまった場合、食べてすぐであればなるべく早く吐かせて、体内から出すようにしてください。
しかし、無理に吐かせるのは素人では難しく、犬に不要なケガやダメージを与えてしまう可能性もあるので、かかりつけの獣医師に連絡をして、指示に従ってください。
レーズンやぶどうジュースも与えてはダメ
生のぶどうは皮を取った状態でもダメです。では、ぶどうを乾燥させたレーズンやぶどうジュースなどの加工品はどうでしょうか。
ぶどうの果汁が含まれているジュースを少し口にしただけで中毒を起こした例も報告されています。また、レーズンはぶどうの成分が凝縮されるため、生のぶどうよりさらに危険が高くなることが考えられます。
いずれのものも与えないよう気を付けましょう。特にレーズンに関しては、お菓子やパンなどの加工食品にもよく使用されています。愛犬が誤食してしまわないよう、置き場所には注意してください。