猫にマグロを与えても問題ない?
Bildagentur Zoonar GmbH/shutterstock.com
基本的に元々猫は肉食の動物ですが、日本に住む猫は日本人の食生活のもとで育ち魚中心の食事になりました。その魚の中でもマグロは特に猫の体に良いといわれています。
キャットフードの材料になるほど、マグロには猫に必要な栄養素が含まれています。タンパク質やタウリンなど猫にとって有効な成分を含んでいるので、猫にマグロを与えることはメリットがあります。
味付けや量を調節することで、猫の健康にもいい効果を期待できます。ただし、食べすぎると食中毒やアレルギーなどを発症する可能性があるので注意が必要です。
猫にマグロを与えてもいい量
pixabay.com
どんなに猫の健康に有効な栄養が含まれているマグロでも、与え過ぎはよくありません。猫の体は小さいので、人間の食べられる許容量よりかなり少なくなります。
味付けも人間用に味付けられたものは猫にはかなり濃いので注意が必要です。そして、猫の年齢や体型によっても与える量が変わってきます。
子猫の場合
生後12ヶ月未満で体重が1kg未満の子猫の場合は消化器官がまだ発達してないので、生のマグロは与えない方が賢明です。
マグロの刺身が一切れで大体30kcalです。子猫の一日に必要なカロリーが52kcal〜75kcalなので、刺身一切れは子猫の一日に必要なカロリーの約半分になってしまいます。一口与える程度が適量と言えるでしょう。
成猫の場合
生後12ヶ月から7歳で体重が3〜5kgの猫の場合、一日に必要なカロリーは200kcal前後です。
刺身で計算した場合、マグロの刺身が一切れで大体30kcalなので、刺身一切れの1/4か1/5ぐらいが適量と言えます。マグロアレルギーがある猫もいるので初めて与える時は少量を与えて様子を見ることが必要です。
老猫の場合
7歳以上の老猫はさらに一日に必要な摂取カロリーが減るので、本当に少量で十分です。また消化器官が弱ってくるので、生のマグロは控えた方が賢明です。少しの量でもアレルギーや中毒症状の危険があるので注意が必要です。
猫にマグロを与えることで期待できる効果
pixabay.com
マグロには猫に必要な栄養素がたくさん含まれています。タンパク質、タウリン、ビタミンB6、DHA・EPAなどです。
タンパク質はエネルギー源となり、血液や内臓、筋肉などを作る源になります。タウリンは動物性の食物にしか含まれておらず、猫はそれを体内で合成することができないので食事から摂取する必要があります。それでマグロは有効な食材と言えます。
ビタミンB6は血液やアミノ酸、脂質や炭水化物の代謝に役立ちます。ビタミンB6が不足すると猫の皮膚や血液に異常が起こる可能性があるので、食物やサプリで補う必要があります。
DHA・EPAは神経組織の発達や血液の流れを良くし、腎臓系の予防に効果があります。このような要素からマグロは猫に有効な食材と言えます。
猫にマグロを与えるときの注意点
pixabay.com
マグロには猫に有効な栄養がたくさん含まれていますが、与えすぎには注意が必要です。特に、生のマグロを食べすぎるとヒスタミン中毒やチアミン欠乏症、イエローファットにかかる危険があります。
この他にもマグロアレルギーがある猫もいるので、初めてマグロを与える時は少量を与えて様子を見ることをおすすめします。
マグロにはメチル水銀が含まれており、水銀中毒の危険があるので注意が必要です。特に生のマグロは食中毒の危険があるので、保存方法や与える量に注意して、少しでも猫に異常が見られた場合は早急に獣医師に相談してください。
また、醤油やわさびなど人間用に味付けされたマグロを猫が食べると塩分の取り過ぎになるので、猫にマグロを与える時には味のついてないものを与えるようにしましょう。
猫にツナ缶やマグロ節は与えても問題ない?
pixabay.com
マグロの加工品と言えばツナ缶ですが、人間用に加工されたツナ缶は猫にとっては味付けが濃く、塩分の取り過ぎになってしまうため与えないほうが賢明です。どうしても与えたい場合は、猫用のツナ缶が販売されているのでそちらを与えることをおすすめします。
マグロ節も同じく塩分が多いので猫に与えることはおすすめできません。こちらも猫用のマグロ節が販売されているので、猫用を与えてください。
猫にとって塩分の取り過ぎは、寿命を縮めるだけでなく猫が苦しむ病気の原因になりかねません。くれぐれも人間用の加工品は猫には与えないでください。