犬のイヤイヤ期って何?
WilleeCole Photography/shutterstock.com
飼い主の方の中には「犬のイヤイヤ期」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。従順だった犬が急に命令に従わなくなるのです。いわゆる犬にとっての反抗期です。今までは素直にできていたことでも「イヤ」「したくない」と急に態度を変えてしまうのです。
人間にもイヤイヤ期はあるものですよね。特に成長段階の子供がイヤイヤ期になることが多いですよね。お母さんやお父さんたちを困らせるイヤイヤ期ですが、犬の場合も同様です。急な態度の変化に飼い主さんたちは困ってしまいます。
ここでは犬のイヤイヤ期の特徴について考えます。皆さんの愛犬もイヤイヤ期に突入するかもしれませんね。犬のイヤイヤ期の行動と乗り越え方を見てみましょう。
犬のイヤイヤ期の特徴
犬のイヤイヤ期とはどんなものでしょうか?人間の反抗期のようなものと考えるといいでしょう。素直に言うことを聞いていたのに、身体や心の変化に応じて急に態度が変わることがあるのです。頑固な態度になることが多く、いきなり何でも拒否したがることが多いようです。
犬は飼い主さんの言うことを聞く従順な動物で知られていますよね。しかし犬もイヤイヤ期に入ることがあり、急に命令に従わなくなります。イヤイヤ期は一時的なものなので、乗り越え方を知っていれば対処出来ます。
イヤイヤ期の時期
犬のイヤイヤ期はいつ頃くるのでしょうか?個体によって大きく異なりますが、生後数か月の時に1度、そして2~5歳の間にもう1度あることが多いようです。それぞれの成長段階に応じてイヤイヤ期に入ってしまうのですね。
犬のイヤイヤ期は必ずしも訪れるものではありません。犬によってはイヤイヤ期が無い場合もあります。反抗的な犬は「いつもイヤイヤ期なんじゃないか」と思こともありますね。もしあなたの犬の態度が急に変わったのであれば、それがイヤイヤ期である可能性が高いでしょう。
犬のイヤイヤ期は成長に応じて訪れると考えられています。ですから精神的に成長の早い犬は、イヤイヤ期が早めに訪れることが多いそうです。
犬のイヤイヤ期は乗り越えられる!
人間の反抗期が一時的なものであるように、犬のイヤイヤ期も一時的なものです。時期が過ぎれば、自然とイヤイヤ期は消えていくはずです。
しかし、イヤイヤ期は飼い主さんの言うことを聞かないので大変です。困り果ててしまう人もいるでしょう。ですから上手に乗り越える方法を知っておくのは大切です。ポイントは「イヤイヤ期を無くそうとする」のではなく、「イヤイヤ期を乗り越えようとする」ことにあります。
犬の反抗的な態度はその期間中は続くことが多いですが、上手に対処することで飼い主さんや周囲の人に迷惑がかからないようにすることが出来ます。また、反抗的な態度をできるだけ抑えることも出来るでしょう。
これからイヤイヤ期に起こりうる犬の態度や行動をピックアップします。そして、それぞれの行動に対してどのような乗り越え方が最善かをお伝えしますね。きっと参考になるポイントがあると思います。
犬のイヤイヤ期の行動①ごはんを食べない
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今までは美味しそうにごはんを食べていたのに、いきなり食べようとしなくなるかもしれません。どうもイヤイヤ期に入っただけのようです。愛犬がイヤイヤ期に入ると、大切な食事にまでも影響してきます。「食べる」ことに対して反抗的な態度を取るようになるのです。
食事のメニューを変えたわけではないのに、いきなり食べなくなるかもしれません。全く手を付けない場合もありますし、ちょっと食べてすぐに中断してしまうこともあるでしょう。食事スピードがとてもゆっくりになる場合もあります。さも美味しくなさそうに時間をかけて嫌々食べるのです。
病気の場合も食事しなくなることがあります。いきなりイヤイヤ期だと決めつけるのではなく、不安であれば獣医さんに診断してもらいましょう。他の事でも反抗的な態度を取るなら、イヤイヤ期の可能性が高いでしょう。
ごはんを片付ける
ごはんを食べないイヤイヤ期の乗り越え方は簡単です。食べないのであれば、ごはんを片付けるのです。犬があまりごはんを食べられていないとしても心配する必要はありません。犬は1日くらい食べなくても平気です。
ごはんを片付けたなら、後で要求してきても無視します。要求に応じて出すようなことはしません。次の食事の時間が来たなら、いつもと同じように食事を提供します。愛犬はお腹が空いているはずですから、ごはんを食べてくれるに違いありません。2回目も食べなければまた片付けてしまいましょう。
しばらくこの方法を続けましょう。そうすると、犬は自分のワガママでは飼い主さんが応じないことを理解します。与えられた食事を食べないとお腹が空いてしまうことも改めて理解するのです。
イヤイヤ期の犬でも徐々にしっかりと食べてくれるようになるでしょう。仮にまた食べなくなったとしても同じようなスタンスを繰り返すだけで良いです。
もちろん何日も食事を与えないのは問題です。犬も単にイヤイヤ期に入っているわけではなく、食べない理由が他にあるのでしょう。栄養には十分気を遣ってあげて下さい。
工夫を凝らす
上手に工夫を凝らすようにしましょう。水やお湯などを加えて香りを強くするなら、食欲を促進させ食べてくれるようになるかもしれません。十分運動させることで、お腹を空かせる方法も良いですね。
やってはいけないのは、食事の種類を変えることです。犬が好む食事に変更してしまうと、味を占めてしまいます。犬は飼い主さが自分の言うことを聞いてくれると考えるのです。そうなるとますますイヤイヤ期に拍車がかかります。更に反抗的な態度を取るようになるでしょう。犬の要求を呑むのは一時的な解決にしかなりません。
犬のイヤイヤ期の行動②散歩に行かない
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犬のイヤイヤ期が到来すると、散歩に行きたがらなくなる子もいます。散歩が大好きだったはずなのに、急に歩きたがらなくなるのです。散歩の途中でイヤイヤが発動してしまうともう大変ですよね。
運動したくないわけではなのでしょうが、なぜか歩きたがらなくなります。飼い主さんが散歩に出かけようとリードを引っ張っても、寝転がったまま反応しないかもしれません。出発しないのであれば特に問題にもなりませんが、散歩の最中に歩かなくなることもあります。
その場に居座って頑なに動こうとしません。リードを軽く引っ張るのですが、あえて反対方向に力を入れてきます。いつまでも帰宅することができませんから困ってしまいますね。周りの人の目も気になるので、飼い主さんにとってはなかなか辛いイヤイヤ行動だと言えます。
主導権を握る
散歩したくない犬のイヤイヤ行動の乗り越え方は単純です。飼い主さんがいつも散歩の主導権を握るようにしましょう。時には強引に引っ張ることも必要です。
飼い主さんの中には、犬の顔色を窺って犬の動きに合わせようとする人がいます。これだと犬が散歩の主導権を握っていることになります。犬は自分の気分に合わせて、動きたくなくなったら歩こうとしなくなるのです。
飼い主さんが主導権を握るためには、しっかりと犬を引っ張る必要があります。犬がその場を動こうとしないなら引きずるような形になってしまいますが、しょうがないことです。
周囲の目を気にして犬に合わせてしまうと、反抗的な態度が増長するだけです。主導権がどちらにあるか犬にも分かってもらうためにも、はっきりとした態度を取り続けましょう。
なるべく抱っこしない
「犬が歩いてくれないなら抱っこすればいい」と考えるかもしれません。しかし実はこの方法はあまりお勧めできません。イヤイヤ期の犬は自分の思い通りになることでその傾向を増長させるからです。
「自分が歩かなくても飼い主さんが抱っこしてくれる」と分かると、次回からも抱っこを求めるようになります。頑なな態度がさらにひどくなるでしょう。もちろんどうしようもない時には抱っこすることもあると思います。
それでもなるべく粘ることで、愛犬の要求をのんでいないことを示さなければいけません。愛犬が勘違いしてしまうと、イヤイヤ期が終わった後でもワガママな傾向が残ってしまうかもしれません。気を付けたいですね。
犬の体調には注意を払いましょう。イヤイヤ期で動きたくないのではなく、本当に歩けないのかもしれません。体調が悪くなったり関節を傷めたりすることはあり得ます。身体をマッサージしたりすることで、痛みの有無も見つけることが出来るでしょう。柔軟に対応してくださいね。