純血種・雑種犬・ミックス犬はどんな違いがあるの?
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みなさんは犬を飼うとき、どんな犬を飼いたいですか?純血種?雑種?最近はペットショップに行くと「ミックス犬」という分類もありますね。犬と聞いて思い浮かぶのはこの3種類でしょう。
純血種はどんな犬かわかる方もいると思いますが、雑種とミックスって違うの?同じじゃない?と思う方もいることでしょう。ミックス犬と雑種ってどう違うんでしょうか。
実は大きく分けると「混血種」「純血種」の2種類に分けられるんです。つまり雑種もミックスも同じくくりになるというわけなんですね。どんな違いがあるのか?一つ一つ見ていきましょう。
純血種とは
純血種とは、ペットショップやブリーダーから犬を購入すると血統書を持っている犬がいますが、これらが純血種として認められている犬です。
純血種は長い間身体的特徴や性格的な特徴を固定するために、ずっと同種の犬種間でのみ掛け合わせて作られているため固定化されています。血統を保つために繁殖は厳しく管理されています。
例えば昔から牧羊犬、狩猟犬として活躍してきた犬種がいますが、こうした目的に合わせて繁殖されているため、持久力がある、かむ力が強いなど犬種ごとの特徴があります。
雑種犬とは
純血種は1種類の犬種のみであるのに対して、雑種は2種類以上の犬種の血が流れています。ですから野良犬などはどんな犬種かわからない犬同士の子どもですから雑種といえるでしょう。
一般的に雑種は人間が目的をもって交配させたのではなく、自然界の中で無作為に繁殖した犬ということができます。そのため、見た目でどんな犬種が混ざっているかすぐに判断できそうな場合もあれば、全く想定できないものまで様々です。
昔は外で飼われる犬も多かったため、飼い主さんも気が付かないうちに犬同士が交配し、異なる品種の犬が生まれて雑種犬となってきました。最近は野良犬は少ないですが、昔は野良犬も多くその大部分は雑種犬でした。
日本でよく見られる雑種犬といえば、柴犬のような日本犬のような見た目をしている雑種犬ではないでしょうか?「日本犬雑種」とか「柴犬の雑種」などと呼ばれているようです。
ミックス犬とは
ではミックス犬とは何でしょうか?ミックス犬とは正式名称ではなく、他にも「ハーフ犬」「ハイブリッド犬」などとも呼ばれます。
ミックス犬も異なる犬種の交配によって生まれた犬ですので、一言でいえば「雑種」ということになります。しかし「ミックス犬」には3つの特徴があります。
・親犬は純血種である
・純血種同士の交配で生まれた1代目である
・人間が意図的に交配している
こうしたことを踏まえて誕生しているのが、チワワとダックスフンドから生まれた「チワックス」、コークシャーテリアとトイプードルから生まれた「ヨープー」、マルチーズとトイプードルから生まれた「マルプー」、ポメラニアンと柴犬の「ポメ柴」などです。
ほとんどが人気の高い犬種同士を掛け合わせたものです。これらミックス犬は人間が人工的に交配した、それぞれの純血種が持っている特徴を持つ犬種ともいえるでしょう。
最近はペットショップではこうしたミックス犬が増えてきていますね。
純血種・雑種犬・ミックス犬のメリット・デメリット
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ではここからはそれぞれのメリットやデメリットを簡単に紹介したいと思います。
純血種のメリットとデメリット
・メリット
純血種は古くから他の犬種の血を混ぜず、身体的、性格的特徴を大事にしてきています。そのため見た目や性格は犬種ごとにわかりやすいものとなっています。この犬種は賢いとか、甘えん坊とか、警戒心が強いので番犬に向いているなどです。小型犬はずっと小型犬ですし、大型犬はずっと大型犬です。
そのため成犬になった時にどんな性格の犬になるか、どの程度の身体の大きさになるのか、被毛の質や色はどうなるか、遺伝子疾患はどんなものがあるかなど、あらかじめある程度予測が可能なのです。
そして純血種ということで血統書がでますから、ドッグショーや競技会にも参加ができます。
・デメリット
デメリットは長年の同犬種間での交配のため遺伝的なリスクを抱えていることがあるので、遺伝疾患に注意しなければなりません。
雑種犬のメリットとデメリット
・メリット
雑種犬はたくましさがあります。そのため近年日本では純血種が好まれる傾向にありますが、海外に目を向けてみると介助犬や警備犬として活躍する雑種犬も多くいます。あえて雑種を好むブリーダーもいるようですよ。
また、特定の犬種にこだわらずいろいろな犬種の血が流れているため、性格や個性も様々ですし、健康面でもいろいろな犬種の遺伝子を受け継いでいるため、遺伝的欠陥が補われて免疫力が強くなり、特定の病気にもかかりにくくなるので、丈夫で長生きする傾向にあります。
そして雑種犬の多くは自然の中で犬同士が交配して生まれた犬たちです。ですからその地域の気候にもなじみやすいといえるでしょう。暑さや寒さなどにも適応しやすいケースが多いといえます。家の中で温室育ちさせなくてもよく、外でたくましく生きていくことができます。
・デメリット
デメリットとしては、親の血統がわからない(特定できない)ため、どんな成犬へと成長するのか予測ができないということです。
純血種の場合は子犬の段階で、すでに成犬の身体の大きさや被毛の感じなどもすべて予測できますが、雑種の場合は大きくなるのか小さいままなのかなど予測が難しいでしょう。両親とも小型犬だったのに、隔世遺伝などによって大きく成長したりその逆になったりすることもあります。
どんな成犬に成長するかわからないといった点は、外見だけではなく性格にも現れます。
どんな気質の犬に成長するのか予測が難しいですし、賢かったり、気難しかったり、頑固だったり、人懐こかったり性格はいろいろです。そのためその子に合わせたしつけの仕方が必要になっています。マニュアル通りにはいかないことでしょう。
ミックス犬のメリットとデメリット
・メリット
ミックス犬は血統書付きの両親から生まれてくる犬ですので、父犬と母犬のそれぞれの良いところを持って生まれることがほとんどです。それでいてどっちに似るかによって毛色や顔立ちなども変わってきますので、単一な純血種に比べると変化を楽しむことができます。
成長過程は非常に楽しみなのではないでしょうか?また飼いたい犬種が2種類ある場合、ミックス犬なら1匹で2匹分の可愛さを味わえるでしょう。ミックス犬には独特の可愛さがありますよ。
さらにミックス犬は純血種よりも販売価格が比較的安くなっています。ですから購入しやすいのも魅力の一つですね。
・デメリット
デメリットはメリットとも似ているのですが、例えばどっちに似るかによって体の大きさが変わることもあります。
小型犬と中型犬の交配をした場合は予想以上に体が大きくなることもあるでしょう。兄弟犬であったとしてもそこは違いが出てきます。ここはメリットでもありデメリットでもありますね。
また予想外の部分を受け継いでいたり、中には両親それぞれの遺伝疾患を受け継いで体が弱かったりなんてことも考えられます。そのため寿命が短い可能性があります。
また両親は血統書がありますが、ミックス犬には血統書がありません。ですから将来ドッグショーに出したいと考えたとしても出すことは出来ません。ドッグショーは純血種のショーです。
ミックス犬の種類
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では最近増えている人気のミックス犬を紹介したいと思います。人気筋はトイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフンドなどの交配で生まれたミックス犬のようです。
■トイプードルとの交配
・マルプー(マルチーズとトイプードル)
・ポメプー(ポメラニアンとトイプードル)
・ヨープー(ヨークシャーテリアとトイプードル)
・シュナプー(ミニチュアシュナウザーとトイプードル)
・キャバプー(キャバリアとトイプードル)
■チワワとの交配
・チワプー(プードルとチワワ)
・ポメチワ(ポメラニアンとチワワ)
・ヨーチワ(ヨークシャーテリアとチワワ)
・チワピン(ミニチュアピンシャーとチワワ)
・チワズー(シーズーとチワワ)
■ミニチュアダックスとの交配
・マルックス(マルチーズとミニチュアダックスフンド)
・ダップー(トイプードルとミニチュアダックスフンド)
・シークス(シーズーとミニチュアダックスフンド)
・ぺキックス(ペキニーズとミニチュアダックスフンド)
■その他
・ラブラドゥードル(ラブラドールレトリーバーとスタンダードプードル)
ラブラドゥードルは賢いラブラドールレトリーバーと抜け毛が少なくアレルギーが出にくいプードルを交配させることで、アレルギーフレンドリーな犬種を繁殖させようという目的の元誕生した犬種です。現在はセラピー犬として活躍しています。
・ポメ柴(ポメラニアンと柴)
・ポンスキー(ポメラニアンとシベリアンハスキー)