はじめに
近年、時代の変化とともに、猫を完全室内飼いする家庭が増えています。犬とは違い、散歩をさせる必要がない猫ですが、室内で飼われることで運動不足になりやすい傾向にあります。
愛猫の運動不足を解消させるために、猫じゃらしなどを使っていつも遊んでいる飼い主さんもいることでしょう。そこでこの記事では、猫が運動不足になっている時のサインや猫に運動をさせることの大切さについて解説していきたいと思います。
猫に必要な運動量とは?

Africa Studio/shutterstock.com
猫は1日の大半をほとんど寝て過ごしています。それを時間に換算すると約12~16時間眠って過ごしていると言われています。そのため、「いつ見ても寝ているだけで運動不足になってしまわないだろうか?」と心配している飼い主さんも少なくありません。
では、猫は1日あたりどれくらいの運動量を必要としているのでしょうか?猫が1日に必要としている運動量は猫の種類によって変わってきます。
長毛種は1日の運動量は比較的少ないですが、それでも1日あたり10~15分程度の運動が必要とされています。一方、活発な性格の子が多い短毛種は、1日あたり20~30分程度の運動が必要です。
ただ猫の場合、一気に長時間続けて遊ぶのではなく、1日数回分けて運動させ、トータルの時間が上記の目安時間程度になっていれば問題ありません。
みなさんもご存知の通り、猫は横運動よりも上下に動く運動を必要としています。完全室内飼いだとしても、家の中で上限運動を十分にできる空間を提供していれば、愛猫が運動不足になることはないでしょう。
猫の運動不足のサインとは?

Eric Isselee/shutterstock.com
では、猫は運動不足になるとどのようなサインがあらわれるのでしょうか?それには次のようなものが挙げられます。
サイン①肥満
運動不足のサインと言えば肥満です。もちろん、与えているごはんの量やカロリーも関係していますが、それを消費する運動量が不足しているため肥満になります。
猫の性格にもよりますが、ひとりで遊ぶことを苦手とする子もいます。また、おなかが空いているからごはんを食べるのではなく、”ヒマだから・・”、”やることがないから”といった理由で、過剰にごはんを食べて肥満になってしまう子もいます。
肥満はさまざまな病気を引き起こし、健康や寿命に悪影響を及ぼしますので、運動をしっかりさせることはもちろん、食事の量も見直してみましょう。
サイン②変則的なグルーミングをする
猫がごはんやトイレの後、リラックスしている時などにセルフグルーミングをしていることには全く問題がありません。しかし、猫はストレスや不満がある時にもセルフグルーミングを行います。
もしいつもより多くセルフグルーミングをしたり、反対に以前よりも回数が減っている様子がうかがえるなら、運動不足やストレスが溜まっている可能性があります。
サイン③ほかのペットにちょっかいをだしている
他のペットも多頭飼いしている場合、猫は運動不足になると他のペットにちょっかいを出すようになります。追いかけ回すなどのちょっかいを出すことで、遊んで運動をはじめます。
もし他のペットにちょっかいを出し始めたら、運動量が不足していると言えるでしょう。
サイン④家具を破壊するなどいたずらが増える
運動量が十分に足りていないと、ストレスを発散するために障子を破ったり、家具で爪を研いだりなど、いたずらをしてストレスを発散させようとします。
ストレスの発散の対象となるものは全てです。これらの行動が見られるようなら、運動不足のサインですので、怒ることは控えましょう。
サイン⑤無気力になっている
猫によってストレスの発散方法は違いますが、多くの猫は運動することでストレスを発散しています。
ストレスがしっかり発散できていないと、食欲が低下したり、何をしてもすぐに疲れるようになってしまい無気力になってしまいます。
無気力になってしまうと、うつ病などの精神状態が不安定になってしまい、体調を崩してしまいます。ですから健康維持のためにも、毎日しっかり運動をさせるようにしましょう。
サイン⑥走ることが少なくなった
猫は意外にも走ることが大好きな動物です。室内で飼っていても、猫が部屋の中を猛ダッシュで走っている光景を目にするのではないでしょうか?
特に猫は、トイレの後は身を守るために走り回る本能があります。また、退屈な時にたくさん走り回る真空運動をする傾向があります。
しかし、運動不足や肥満になっていると走ることが少なくなってきます。
サイン⑦高い所に登らなくなる
猫は高い所から下を見ることが大好きです。室内飼いの猫でも、本棚や冷蔵庫、食器棚などの上ります。またキャットタワーは猫の大好きなアイテムのひとつです。
しかし、猫が高い所に上らなくなった場合は運動不足のサインですので注意が必要です。
サイン⑧虫やおもちゃに興味を示さなくなった
猫は狩猟したい!という本能を備えています。そのため、飛んでいる虫や鳥、動いているおもちゃなどを見つけると、すぐに興味を持ち、本能的にハンターになります。
しかし、運動不足になっていると虫やおもちゃなどの興味を示さなくなってしまいます。
猫のおすすめ運動不足解消方法!

Africa Studio/shutterstock.com
猫の運動不足を解消、もしくは予防するためにできる対処方法をいくつかご紹介しましょう。
①キャットタワーの設置
キャットタワーは、完全室内飼い猫の欠かせない必須アイテムです。
飼い主さんがいなくても、猫がひとりで運動できるようキャットタワーを設置してあげましょう。キャットタワーは、猫が必要とする上下運動をすることができるのでストレス発散にもつながるでしょう。
②家具の配置の工夫
住宅環境によってはキャットタワーを設置することが難しいご家庭もあるかもしれません。また、猫がキャットタワーを怖がって使ってくれないこともあります。そんな時は、室内の家具の配置を工夫してみましょう。
猫が上下運動できるよう、高さの違う棚を階段になるように並べたり、ジャンプできるようスペースを作るなど愛猫が運動しやすい配置に工夫されることをおすすめします。
③一直線に走ることができるスペースを確保してあげる
上記でも少し触れましたが、猫は走ることが大好きです。ですから、猫が一直線に走ることができるスペースを確保してあげるなら運動不足解消になるでしょう。
長さはあれば越したことありませんが、短くても問題ありません。また猫用レーザーポインターなどを使って遊んであげるなら、普段は見せないような動きでストレスを発散することでしょう。
④ひとりでも遊べるおもちゃを用意してあげる
猫はマイペースでツンデレなので、自分が遊びたい気分の時に遊びます。しかし、飼い主さんがそのタイミングにいつも合わせて遊んであげるのは難しいかもしれません。
そこで、猫がひとりでも遊べるおもちゃを用意してあげましょう。そうすることで猫は好きなタイミングにおもちゃで遊び、体を動かすことができません。
⑤遊び相手を作ってあげる
多頭飼いの猫の場合、猫同士で遊べるので比較的運動量が多いようです。兄弟のようにじゃれあったり、一緒に走り回ったりすることで、自然と運動不足を解消しています。
しかし、これは必ずしも猫が遊び相手になるということではありません。家族の中のだれかが愛猫の兄弟のように遊んであげることで、運動不足を解消できるでしょう。