猫はお互いにどのように意思を伝える?
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飼い猫は飼い主さんとあいさつなどのコミュニケーションを図りたい時、主に鳴いて意思を伝えてきます。しかし猫社会では、猫同士のあいさつではほとんど鳴くことはないようです。
では、猫はどのようにして猫同士のあいさつを交わしているのでしょうか?この記事では、猫同士のコミュニケーションについて詳しく解析していきます。
猫はにおいで情報を収集している
街角などで出会った猫同士が、鼻をくっつけてクンクンとしている仕草を目にしたことはありませんか?
また新しい猫を家族として迎えた時、先住猫と新参猫が鼻をくっつけてクンクンするといった行動もよく目にする猫の仕草のひとつです。これにはどのような意味があるのでしょうか?
猫は嗅覚が非常に優れており、人間の20万倍もあると言われています。その嗅覚の能力を生かして、さまざまなにおいから多くの情報を収集しています。
たとえば新しい家に引っ越したときは、家中のすべてのにおいを嗅いで、どのような場所なのかを確認しています。
また飼い主さんが外出先から帰ってくると、飼い主さんをはじめとし、バッグや靴などすべてのにおいをチェックします。
さらに冒頭で触れた猫同士も鼻をくっつけあってにおいを嗅いでいます。このように猫は嗅覚を使いさまざまな情報を収集しており、猫の本能のひとつなのです。
鼻と鼻をくっつけあってご挨拶
猫社会には猫にしか分からないルールが存在しています。そのひとつが鼻と鼻をくっつける仕草です。これは初対面の仲間同士の猫が出会ったときに見せる仕草です。
まず鼻の嗅ぎあいをしてあいさつをしています。あまり身体を接近しすぎないように気を付けながら、頭と首だけを可能なかぎり伸ばして、お互いが鼻と鼻を近づけてにおいを嗅いでいます。
猫の顔の周りにはにおいを分泌しているポイントがたくさんあるので、においを嗅ぐことで相手がどのような猫なのか情報を得ています。
まず鼻のにおいを嗅ぎ、それが終わると口周辺のにおいも嗅ぎ、それに納得するとお互い首から脇腹へと移動して体のにおいを嗅ぎあっていきます。ここまであいさつが進むと、最後に相手のおしりのにおいをかごうとします。
しかしかぎたい気持ちはありますが、お互いが相手にかがせまいと、相手にかがれないようにグルグルとまわってしまうこともよくあります。
たいていグルグルと回っている間に優劣が決まり、友好的にあいさつが進む場合は、どちらか一方が尻尾をあげて相手におしりのにおいをかがせて、あいさつが終了します。
多くの場合、体の小さい猫や若い猫など立場は弱い猫が、最終的におしりのにおいをかがせる傾向にあるようです。
このようにお互いに興味があり友好的な気分のときには、鼻と鼻をくっつけて最終的にはおしりのにおいをかぐというあいさつが行われますが、一方に、もしくは両者に敵対心がある時にはこのようなあいさつはしません。
”シャー”と威嚇をし合い、相手が自分に近づかないようにさせます。立場の弱い猫が身を引けばそれで終わりますが、お互いに身を引かない場合は喧嘩に発展していきます。
顔見知り同士はあいさつナシ!無視するのが鉄則!
同じ縄張り、つまりテリトリー内に住んでいる猫同士の場合、なるべく出会わないように気を付けます。
万が一出会ってしまった場合はお互い目を合わせることはNGで、知らん顔して無視するのが暗黙のルールです。でもすれ違う際、お互い相手の観察はしっかり行うため、緊張感あふれる中すれ違います。
初めて会う猫でも顔見知りでも、子猫の場合は子猫とはけんかができないため、成猫が視線を外します。それはボス猫も同じで、ボス猫に子猫が近づいてしまったとしても、ボス猫は子猫から視線を外します。
猫の社会に見られる優先順位
猫の世界には、猫にだけ通用する社会が存在しています。単独でマイペースで生活している猫ですが、近所に住む猫たちとの間には暗黙のルールがあり、優位の猫と劣位の猫の上下関係が猫社会にはあります。
その社会にはボス猫がおり、ボス猫以外はみんな対等で、時や状況に応じて時々上下関係が変わっているようです。
ボス猫になれる条件は、去勢をしていないオス猫で、ほかの猫から尊敬されている一目置かれている猫であるということです。
強い猫には優先権があるため、高い場所から自分より劣位の相手をじっと見つめて、自分の優位をアピールする行動をよくします。
一方、劣位の猫は相手から目をそらし、姿勢を低くしてじっと動かないことがルールとなっています。優位の猫が場所を欲しがっているなら、劣位の猫はその場所を譲らなくてはいけません。
このように猫の社会では、わたしたち人間には分からない暗黙のルールが存在しているのです。
猫のテリトリーとは?
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猫は単独で行動する生き物ですが、それぞれ自分の縄張りであるテリトリーを持っています。そして定期的に自分のテリトリーをパトロールしています。
テリトリーには寝たり食べたりする生活空間エリアと、獲物を捕獲するためののハンティングエリアの2種類あります。
生活空間エリアは、同居している猫や人間以外が侵入することを絶対に許しません。もし他の猫が侵入してくると、激しいけんかになることもあります。
一方、獲物を獲得するためのハンティングエリアは、他の猫の出入りも自由にできる共有の場所です。この場所では、顔見知りの猫同士であるならほぼケンカになることはありません。
しかし、全く知らない新参猫が侵入してくる場合は、場所を確保するためにけんかになることもあります。
さらにこの共有の場所では、同じ地域に住む猫同士が夜になると集まり、猫の集会をすると言われています。
猫があいさつをするときの行動
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上記でもみたように、猫は鼻と鼻をくっつけて猫同士であいさつをしますが、それに加えて次のような行動でもあいさつをしています。
ゆっくりとまばたきをする
猫はゆっくりとまばたきをしてあいさつをすることもあります。このあいさつは、信頼している飼い主さんや中の良い猫だけにするあいさつです。
愛猫があなたを見つめてゆっくりとまばたきをしてきたらあいさつをしているので、是非ゆっくりとまばたきをして返事をしてあげましょう。
その際、じっと睨むように見つめてしまうと、たとえ愛猫だとしても”飼い主さんが威嚇している”と勘違いしてしまいますので、見つめすぎには気を付けましょう。
クンクンと相手のにおいを嗅ぐ
これは上記でも触れたように、鼻と鼻をくっつけることで相手のにおいを嗅ぎ、さまざまな情報をキャッチしている表れです。
猫は相手のにおいを嗅ぐことで、相手がどこにいたか、何をしていたのかなどを知ることができるようです。
スリスリしてくる
猫がスリスリする行動を見せるのは、甘えているサインでもあります。特に異性のパートナーや飼い主さんに見せる行動のひとつです。
その際、尻尾をピンと立てることでフェロモンのようなにおいを分泌させ、自分の大切なものであることをアピールしながらあいさつをしています。
尻尾を立てながらすり寄ってくる
猫が尻尾を立てて近寄ってくるときの心理状態は、喜んでいるときや嬉しい気分のときです。尻尾を立てて近寄りながら、あいさつをしてくることもあります。
お腹をみせてゴロゴロする
猫がお腹を見せてゴロゴロすることもあいさつのひとつです。
お腹を見せる無防備な姿はとてもかわいいですが、猫にとってお腹は天敵に狙われると生死にもかかわる大事な部位であるため、信頼できる相手にしか見せません。
猫がお腹を見せてあいさつをするなら、信頼されている証拠と言えるでしょう。