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アルビノの犬を育てるときの注意点とは?健康維持のためのサポート方法を紹介


アルビノと白変種は違う

アルビノのスカンクと通常のスカンク

Roger Givens/shutterstock.com

全身が真っ白い動物を見たことがあるでしょうか?時々突然変異のように白い動物が生まれる場合があります。この生き物たちは「アルビノ」と呼ばれる動物たちです。しかしアルビノの特徴のあるものとは別に「白変種」と呼ばれるタイプの動物たちもいるのをご存知でしょうか?どちらも白いので、外見から違いを見分けるのは難しそうですよね。

アルビノ種はさまざまな動物におり、生まれつきメラニンを合成することができないために真っ白な体になります。今回は、アルビノと白変種の違い、アルビノの犬を飼育していく際にどんなことに気をつけるべきかについてご紹介したいと思います。

アルビノ種の犬が生まれる経緯

アルビノは野生で自然に生まれてくることもありますが、近年ではその美しい見た目から故意にブリーディングされることもあります。古代のエジプトなどでもそうですが、元々は珍しいということもあってか、歴史の中では「神の使い」などとして神格化されたこともありました。

しかし、アルビノは元々身体が弱いという特徴があったり、犬の場合には高確率で視聴覚に障害がある個体が生まれたり、内臓疾患、色素がないため皮膚がんになりやすいなどのリスクを持ち合わせています。そして黒い色素がないということは、紫外線に極めて弱いということでもあります。

また犬の場合には、神経細胞の生成と色素が大きく関わっているので、色素がないということは母親の胎内にいる時に目や耳の形成に悪影響が発生すると考えられます。このため犬のアルビノは高い確率で目や耳に問題を抱えてしまうことが多いです。アルビノは見た目が美しいからといって、本来ブリーディングなどにより人為的に作り出すべきではありません。

人工的なブリーディングではなく、もともとアルビノが現れやすい犬種もいます。例えばダックスフンド、ドーベルマン、ダルメシアンなどは両親によってはアルビノ種が誕生しやすい特徴があります。

アルビノの犬を飼う際の注意点

アルビノの犬

yhelfman/shutterstock.com

ブリーディングなどでアルビノを人為的に誕生させることには様々な問題がありますが、場合によっては飼っている犬同士からアルビノ種が誕生したり、もしくは引き取ったりすることなどもあるでしょう。その場合には、色素を持つほかの犬とは違う、気をつけるべき点があるので知っておいたほうがいいでしょう。

例えば、アルビノは視聴覚の障害が際立っていない場合でも、色素がないために非常に太陽の紫外線などの弱いという特徴を持っています。そのためアルビノの犬の場合、日中の散歩は避け夜間に連れ出してあげる必要があるでしょう。普段でも日差しが強い時は犬用サングラスをさせるなどの対策をしてあげることが必要です。

サングラスにはフレームを引っ掛けるタイプと頭の周りをグルッと紐で止めるタイプ、ゴーグルになると頭の周りとあご紐でおさえるタイプなどがあります。最初は慣れないでしょうし、単に引っ掛けるタイプだと嫌がって自分で外してしまうことも多々あるでしょう。外すだけまだしも、噛んで壊してしまう犬もいます。

また、慣れないサングラスで急に視界が悪くなり犬としてはすごく戸惑う様子も見られるでしょう。最初は短時間でサングラスをつけることの楽しさを教えたりして、徐々に慣れさせていくようにしましょう。サングラスをつけない時には犬の届かないところに保管しておくことも心がけましょう。

アルビノの犬は身体が弱いところがあるので、定期的な健康診断が欠かせません。飼育場所も日差しなどにさらされない室内飼いが基本です。もし、アルビノの犬が生まれたり、もしくはどこかからもらい受けたりすることになったのであれば、これらのことに気をつけて飼っていきましょう。

アルビノと白変種の違い

カメラを見るホワイトライオン

pixelparticle/shutterstock.com

では白変種と言われているものについてですが、こちらは体毛や羽毛など全身が白い色をしているものの、色素を作り出す遺伝子に問題がなく、身体が単に白化した生物のことを言います。有名なものとしてはホワイトライオンやホワイトタイガーなどです。それらの動物は、この白変種であることが多いようです。白変種は目や鼻などに黒い色素がありますので、眼が弱いということもありません。

黒い色素は持っているけれど、何らかの理由で毛色が白くなった個体のことです。白変種は一説によると氷河期などを経てきた過程で、雪景色などに身を隠すために環境に適応して白くなったのではないかと言われています。

一方、アルビノは同じ白い色でも生まれつき色素を作り出すメラミンが生成できず、色が白くなることを言います(まれにアルビノでも色素が一部残り、身体に班などがある個体もいます)。アルビノは遺伝子に色素を作る情報がない先天的な疾患となります。

有名なアルビノ動物と言うと、山口県岩国市の白蛇がいます。これはとても珍しい自然繁殖したアルビノの生き物で、地元の人たちによって保護されています。通常アルビノはとても目立つ見た目から、野生ではいち早く獲物になってしまいます。

両者を見分ける方法としては、白変種の動物が目や鼻などに黒い色などが残っているのに対し、アルビノ種は鼻、口周り、アイラインなどがピンク色していたり、目の網膜が赤い色、もしくは非常に薄い色をしていたりするのが特徴です。アルビノは赤い目をしているという印象は、瞳から血管の色がそのまま見えているというわけですね。

紫外線対策

サングラスをかける犬

deviangel/shutterstock.com

アルビノの犬は紫外線をブロックをするメラニンを持っていないので、しっかりと紫外線対策していくことが必要ですが、アルビノの犬でなくても犬の紫外線対策は必要です。夏になるとお散歩は朝早く・夜遅くなど日差しや紫外線を避けて行かれると思いますが、犬は私たちよりもずっと地面に近い位置を歩くので、アスファルトの照り返しがあり、全身に紫外線のダメージを受けています。

日焼け止めを塗ることも帽子をかぶることも犬はないですよね。暑さ対策のためにサマーカットなど毛を短くする場合には、毛による皮膚の保護をするための機能が低下してしまうこともあります。紫外線や日差しのダメージを受けやすくなってしまうこともあるでしょう。毛をカットした場合、散歩の際は通気性のよいお洋服で皮膚を保護するなど、皮膚を紫外線や日差しから守ってあげるようにしましょう。

夏のお散歩は紫外線の量を考えて行うと良いでしょう。紫外線を測定することができるアイテムを活用すると分かりやすくて便利です。測定して数字でみるとよく分かりますが、曇りの日でも雨の日でも意外と紫外線って多いんです。

抗酸化作用のある食べ物(緑黄色野菜)を食事に取り入れることも紫外線対策となります。ブロッコリーとトマト、リンゴ、ほうれん草などがおすすめですが、お腹を壊してしまう犬もいますし、体質に合わない食べ物である可能性もありますので、少量与えるとしても注意が必要でしょう。

UVカット機能がついたお洋服もありますし、先程ご紹介したサングラスや帽子をお散歩のアイテムに加えて活用することもできるでしょう。犬用の日焼け止めスプレーもあり、海外では日焼け止めアイテムはメジャーなのだそうです。

犬に及ばす紫外線の影響

紫外線は私たちにも犬たちにも必要な存在です。健康を維持するために適度な紫外線は必要なので、適度な日向ぼっこをさせてあげると良いでしょう。紫外線を浴びることによりセロトニンという物質が体内で分泌されると言われています。セロトニンは感情伝達物質の一種であり、感情をコントロールする物質なので紫外線にもメリットがあります。

ただ、デメリットもあります。紫外線を多く浴びることによって犬の身体の中でも活性酸素が過剰に分泌されます。活性酸素にはウイルスや細菌を除去するという働きがありますが、過剰に分泌されたしまった活性酸素は健康な細胞にも攻撃をしてしまい、病気の発症や老化を早める原因になってしまいます。

犬の目で考えられるのが、白内障をはじめとした目の病気を発症するリスクが高くなることです。白内障とは、目の中の水晶体が白く濁る病気です。人間も同じですが、視野が曇りすべてがぼんやりと見えるような感じになります。

白内障は先天性と後天性とありますが、先天性の場合は遺伝的要因が大きいとされています。一方で後天性の場合、原因のひとつとして考えられるのが、紫外線を過剰に吸収したことが挙げられているようです。

もともと白内障は加齢に伴って進行するもの、病気等によっ代謝が落ちて進行するものなど、様々な要因が考えられるわけですが、加えて紫外線を過剰に浴びるような外的な要因が加わると白内障の進行に拍車をかけることになると言われています。UVケアによって病気の発症を避けたり、遅らせることができるのであれば積極的に活用していきたいと思います。


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