犬は盗み食いをすることがある
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人間の食べ物の中には、犬が食べてしまうと健康に影響を及ぼしてしまうものがあるということは、犬を飼っている方であればご存知でしょう。飼い主さんが見ていないところで、犬は好奇心から盗み食いをしてしまうことがあり、見つけたら早急に対策する必要があります。
盗み食いが癖になってしまうと、食卓に置きっぱなしにしてあった食べ物だけでなく、ゴミの中から漁ってみたり、お散歩中の拾い食いにもつながってしまいます。愛犬が盗み食いをしてしまう原因と盗み食いを防止するためにどのようなしつけをしたらよいのかご紹介したいと思います。
なぜ犬は盗み食いをするの?
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犬の盗み食いは「本能」と「環境」が合わさった時におきます。飼い主さんの不注意で、目の前に放置されている食べ物があれば食べてしまう犬は多いです。しかし、飼い主さんとの信頼関係が作られていて、飼い主さんが犬に盗み食いできない環境を作っていれば、盗み食いが癖になることはありません。愛犬の盗み食いが癖になる前にやめさせるようにしましょう。
犬は食べてよい食材と食べると危険な食材の判別はできません。もし万が一、玉ねぎなどのネギ類やチョコレートなどを大量に食べると中毒を起こす危険もあるので、一刻も早く盗み食いをやめさせるべきです。
犬が盗み食いをしてしまう理由には、以下のような点が考えられます。
1.食事中に食べ物を犬にあげているので、すでに味を知っている
犬の飼い方やしつけの方法は飼い主さんの自由です。食事中に愛犬に可愛くおねだりさせると人間の食べ物を与えてしまうという飼い主さんもおられるでしょう。でも、愛犬のおねだりに負けてはいけません。人間の食事の時間には、食卓から一切食べ物を与えないようにしましょう。
犬の食事と人間の食事を分けることで、愛犬が「もらえない」ということを学習することになるでしょう。これは自分には食べられないものと学習すると「食べたい」「ちょうだい」という犬から要求が必要のないものとなるからです。
一度人間の食べ物が美味しいと味を知ってしまったら、次に欲しくなるのは当然です。愛犬の頭を混乱させないため、盗み食いをやめさせるためにも、人間の食事中にどんなにおねだりされても、与えないようにしましょう。少しだからと思わずに、与えないことが愛犬の健康を守るためと心を鬼にしましょう。
2.主従関係
もし、飼い主さんが目を離した隙や席を立った間に愛犬が毎回盗み食いしている場合には、愛犬は飼い主さんよりも自分の方が上だと考えている可能性があります。
飼い主さんと愛犬の主従関係が築かれていて、基本的なしつけを行い、常にコミュニケーションを取ることができていたら、盗み食いを繰り返すことはないでしょう。これは、盗み食いされた際の飼い主さんの反応に問題があるとも言えます。
犬はやっていけないことをしっかりと理解できる賢い動物です。例えば、盗み食いをする前にテーブルに手をかけた時に「いけない」や「ダメ!」と徹底的に教え込むことで「テーブルに手をかけてはいけない」ということを学習させれば、テーブルの上に飛び乗って食べ物を取り、隠れて食べるというような行動は起こしません。
3.飼い主さんの不注意
目の届くところに食べ物がなければ、愛犬は盗み食いをしないでしょう。盗み食いは飼い主さんの不注意で起こります。食事が終わったらテーブルに食べ物を置きっぱなしにしてはいけません。片付けや洗い物を行い、残った残飯やゴミを処理すれば、犬が目を輝かせて食べ物を探すことはありません。
「盗み食い」は、飼い主さんの不注意で、愛犬が盗み食いをしやすい環境を作ってしまっていることで発生することもあります。これは危険です。例えばチョコレートのたくさん入った袋やネギ類を使った料理を犬が目につくところに置いて、万が一食べてしまったら中毒になってしまう可能性があります。
さらに加熱した鳥の骨は縦に裂けるので犬の喉に刺さってしまう危険があります。魚の骨や焼き鳥の串、爪楊枝も口に入れてしまうと食道や内臓を傷つけてしまう危険があるのでしょう。これらの事故は飼い主さんやご家族が注意を払っていれば避けることができるでしょう。
愛犬の盗み食いをやめさせる方法
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盗み食いをやめさせるには一度きりの対処ではなく、家族でルールを作り、その方法をみんなで徹底して継続していくことが効果的です。家の中で簡単にできる盗み食いをやめさせる方法をご紹介しますね。お家のルールに加えてくださいね。
1.盗み食いができない環境を作る
家族全員で愛犬が盗み食いできない状況を作ることを徹底しましょう。食事が終わったら食卓に放置せず、速やかに片付けや食器洗いを行い、食べ物は徹底して犬の届かない場所へ移動させておきましょう。犬がテーブルの上に乗ってしまう場合には、食卓の椅子の数を最小限にして、しっかり椅子を奥に入れて犬が椅子に乗ってもテーブルの上に上がれない状況にしておきましょう。
床に置いたテーブルで食事をしている場合には、食後はすぐに片付けて何も置かないようにすることが安全でしょう。また、テーブルに手をかけてしまう場合は、手をかけた瞬間に徹底して「ダメ!」「いけない!」などと声をかけて、手をかけないようにしつけを行ないます。お留守番中の盗み食いは、ケージやサークルに入るハウストレーニングを行ない、盗み食いできない状況を作りましょう。
2.待てを覚えさせる
「待て」を覚えさせる事で、飼い主さんが食事中に席を立たなければならない状況でもきちんと待っていられるようにコントロールできます。
やり方は簡単です。いつも愛犬が食べている食器の中に犬のフードを数粒入れて、最初は数秒の待てをさせ、徐々に時間をのばして待てをさせたり、トレーニング中に待てをさせて笑顔で褒めてあげるようにしましょう。
トレーニング中は褒めることに加えて、必ず成功したらご褒美をあげる(おやつまたは褒める)ことがポイントになります。待てに限らず、盗み食いの癖がついた愛犬には、お座り、伏せ、おいでといった基本的なしつけをもう一度最初から行い、飼い主さんと愛犬との関係性を築いていくことも必要です。
3.出せを覚えさせる
「出せ」をさせて口の中に入っているものを出させるしつけをしておくことは、現行犯で盗み食いをしている瞬間に使える方法です。「出せ」を覚えるようにしつけることによって、誤飲してしまったときにも素早く対応することができるでしょう。
このしつけを行うときには、大声を出して騒ぐことがないようにしましょう。飼い主さんが「あっ!」「ダメー!!出してぇ」などと大声を出して騒ぐと、犬は遊んでもらっている、飼い主さんが喜んでいると学習してしまい逆効果になってしまうでしょう。
基本的なしつけに加えて、おもちゃを持ってきて離すという動作ができない犬に、いきなり「口の中の食べ物を出せ」といってもできないのは当然のことでしょう。まずは、おもちゃを持ってきて離すところから練習させましょう。飼い主さんの言葉を理解するまで何度も根気強く行なっていきましょう。
4.人間の食べ物を与えない
人間の食べ物を与えないようにすることで「もらえない」ということを愛犬に学習させましょう。愛犬が一度人間の美味しい食べ物の味を知ってしまったら、次も食べられないかな?と考えるのは自然なことです。テーブルの様子を伺うようになるでしょう。愛犬が混乱しないように、家族全員で協力して人間の食べ物を与えないことを徹底しましょう。
どうしても愛犬にドッグフード以外の食べ物を与えたい場合には、食卓から離れた場所で与えるようにしましょう。食べ物を犬用の食器に入れて与えるして、犬の食器以外では絶対に食べ物を与えないといったルールを決めておき、それを家族全員で守るようにしましょう。家族と一緒にテーブルについてそこから食べ物をもらう習慣をつけないことが大切です。
5.キッチンには入れないようにする
キッチンには境界線を作り、絶対に入れないようにすることで人間の食べ物は食べられないと学習させて、盗み食いをやめさせることもできます。キッチンは愛犬にとって美味しい匂いのする魅力的な場所で、残飯のゴミの臭いも漂います。キッチンにゲートを設置するようにして、入れない状況を作るようにしましょう。