ビションフリーゼとトイプードルは似ている!?
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トイプードルは日本でもとても高い人気を誇っている犬種です。トイプードルを飼育している人も多いのではないでしょうか?
そのトイプードルと見た目が似ている犬種がいます。その名前は「ビションフリーゼ」です。ビションフリーゼとトイプードルはとても似ているので、ヘアスタイルによってはその違いが分からない人も多いかもしれませんね。
それでも、それぞれの犬種には特徴があって、お世話の仕方なども異なります。トイプードルかビションフリーゼを飼おうと悩んでいる人は、それぞれの違いをしっかりと把握することをおすすめします。
ビションフリーゼとトイプードルとは?
ビションフリーゼはフランス原産の犬です。「ビション」はマルチーズという意味があり、フリーゼには「巻き毛」という意味があります。つまり、「ビションフリーゼ」は「巻き毛のマルチーズ」という意味なのですね。
ビションフリーゼの特徴はなんときっても、そのヘアスタイルです。アフロヘアのようなまん丸でフワフワとしたヘアスタイルにすることが出来ます。この見た目だけでビジョンフリーゼだと分かるものです。
しかし、このヘアスタイルにしない場合もあります。その場合は、トイプードルと非常に似ており、一見トイプードルと勘違いしてしまう人もいるほどです。
トイプードルは、プードルを品種改良して小型化させたものです。
スタンダードサイズのプードルは体重が15~19㎏あるのですが、トイプードルは体重が3㎏ほどしかありません。「スタンダード・プードル→ミニチュア・プードル→トイ・プードル」とどんどん小型化させて出来た品種です。
トイプードルもフワフワとした巻き毛が特徴的です。現在では非常に人気の高い犬種となっています。ビションフリーゼよりも周知されているため、ビションフリーゼをトイプードルと勘違いしてしまう人もいるようです。
似ているので違いをしっておこう!
ビションフリーゼとトイプードルはとても似ています。しかし、犬種が異なるのでたくさんの違いがあります。その違いは、育て方やヘアスタイルなどにも影響します。
同じものと考えて飼育すると、思った以上に大変だったり、期待する特徴がなかったりしてがっかりしてしまうかもしれません。
どちらかの購入を考えている場合、それぞれの違いを把握することは大切です。これからビションフリーゼとトイプードルの違いをいくつか紹介したいと思います。それぞれの特徴を比較してみてくださいね。
ビションフリーゼとトイプードルの違い1:体格
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ビションフリーゼとトイプードルは全体的な体格は似ていますが、細かい違いがあるようです。
ビションフリーゼの体格
ビションフリーゼの体重は3~10㎏です。体高は24~29㎝です。小型犬ではありますが、個体差が大きいのが特徴です。
トイプードルに比べて身体が大きくがっしりとしている子が多いようです。ビションフリーゼは胴長短足であり、トイプードルよりも足が短いのが特徴です。全体的にみると丸いイメージになります。
トイプードルの体格
トイプードルの体重は3㎏前後です。体高は35~45㎝となっており、ビションフリーゼに比べて身体は小さいです。しかし、ビションフリーゼよりは足が長いので、全体的にすっきりとしてスリムな体形をしています。
ビションフリーゼの方が成長して大きくなることが多いです。トイプードルは品種改良を重ねたうえで生み出された犬種なので、基本的にサイズが変わることがありません。
ビションフリーゼとトイプードルの違い2:毛色
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ビションフリーゼとトイプードルの毛色には明確な違いがあります。特にトイプードルの見分け方は簡単です。
ビションフリーゼの毛色
ビションフリーゼの毛色は1色しかありません。本当のビションフリーゼは純白に限るのです。幼いころには、手足の先や耳の周りなどにわずかな色が付くことがありますが、大人になると消えて白色だけになるでしょう。
つまり、ブラックやクリームなどの色がついたビションフリーゼがいたなら、ちょっと怪しいのです。もしかしたらトイプードルかもしれませんよ。
トイプードルの毛色
トイプードルの毛色はたくさんあります。ビションフリーゼと違って、白だけでなく様々なバリエーションを楽しむことが出来るのです。
ホワイト、ブラック、グレー、ブラウン、クリーム、シルバー、ブルー、レッドなどたくさんの色があります。好みの毛色があるなら、トイプードルを飼育するようおすすめします。
ビションフリーゼとトイプードルの違い3:被毛の種類
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ビションフリーゼとトイプードルの最大の違いは、被毛の種類にあるでしょう。見た目がことなるだけでなく、カットの仕方なども異なります。ビションフリーゼ特有のヘアスタイルも、この被毛に違いがあるからこそできるのです。
ビションフリーゼの被毛:ダブルコート
ビションフリーゼの被毛はダブルコートと呼ばれるものです。ダブルコートは被毛が二重になっており、固くて太いオーバーコートと柔らかくて細いアンダーコートに分かれています。オーバーコートとアンダーコートが2重になっているものがダブルコートなのです。
基本的に、本来の犬はダブルコートを持っています。ビションフリーゼも犬本来の被毛構造をしているのですね。
ダブルコートは換毛期がとても大変になります。季節に応じて被毛が抜け替わるのです。特に春から夏にかけてはアンダーコートが抜けていきます。ブラッシングなどの手入れが大変になるでしょう。この時期は抜けた被毛が身体にまとわりついていたり、風で周囲に飛んで行ったりします。
抜けた被毛はしっかりと取り除いてあげなければ、不衛生に繋がってしまい皮膚病になることもあるのです。
お家の中で飼育している場合は、家の中のあちこちに抜けた毛が散乱して大変でしょう。ビションフリーゼを飼育するなら、換毛期のこまめなお手入れが必要になるのです。
トイプードルの被毛:シングルコート
ビションフリーゼの被毛と対照的なのは、トイプードルの被毛です。トイプードルの被毛はシングルコートと呼ばれるものです。ダブルコートが2重構造の被毛なのに対して、シングルコートは被毛が重なっておらず、単毛なのです。
ダブルコートが犬本来の被毛構造なのに対して、シングルコートは人間によって作られたものであることをご存知でしたか?
シングルコートは室内飼育を目的に人間の手によって品種改良されたものなのです。トイプードルも愛玩動物として品種改良された犬種ですから、毛並みも同じように人間によって作られたものなのです。
シングルコートは室内飼育を目的に改良されていますから、ダブルコートに比べて寒さに弱いとされています。しかし、単毛なので、抜け毛が少なく室内でのお世話が非常に楽になります。
シングルコートの犬は換毛期によって温度変化に対応することが出来ません。暑い時期には、カットの仕方で対応するしかないのです。ただ、温度管理のされた室内で過ごすのであれば、そうした対応も必要ないかもしれませんね。
ビションフリーゼの特徴的なカット「パウダーパフ」
ビションフリーゼの写真などを見たことがある人はご存知かもしれませんが、ビションフリーゼの大きな特徴は、その特徴的なヘアスタイルです。ビションフリーゼは「パウダーパフ」と呼ばれるヘアスタイルにすることが多いのです。
パウダーパフとは、アフロヘアのような丸くてフワフワとしたヘアスタイルです。
このヘアスタイルは、アメリカで流行ったものです。ビションフリーゼは1950年代にアメリカに持ち込まれましたが、その時にパウダーパフスタイルが考案され、たちまち人気を集めたのです。このヘアスタイルの人気は現在でも健在です。
このパウダーパフカットはビションフリーゼ特有のものです。トイプードルには出来ないのです。パウダーパフにするためには、土台となるアンダーコートがとても重要な役割を果たします。アンダーコートが土台となることで、オーバーコートがしっかりと逆立ちフワフワの丸い形にすることが出来るのです。
トイプードルはシングルコートなのでアフロのようなヘアスタイルは難しいのですね。
ビションフリーゼであったとしても、パウダーパフを維持するのは難しいとされています。被毛をしっかりと手入れしないと、被毛がフワフワにはならず、べったりとしたヘアスタイルになります。
毎日ブラッシングして、専門のトリマーにカットしてもらうことでパウダーパフを維持できるのです。
ビションフリーゼのパウダーパフの写真を見て飼育したいと思う人もいるでしょう。それでも、毎日のお手入れと毎月のトリミングがあってこそなので、そのことを念頭に置いておきましょう。