トイプードルは意外と吠える?
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トイプードルの人気が止まりません。ジャパンケネルクラブ(JKC)が発表した2018年(1月~12月)における犬種別犬籍登録頭数によると、プードルが74,215頭で2位のチワワの49,689頭に大差を開いて堂々の第1位、しかもプードルの中でもトイプードルが73,046頭と断トツの人気です。
さらにアニコム損害保険株式会社の「どうぶつ健保」に加入した0歳の犬種ランキングでも、トイプードルが20,427頭で2位のチワワの15,295頭に5,000頭以上の差をつけて堂々の第1位、しかも2010年から10連覇達成というのですから安定した人気ぶりがわかります。
そんなトイプードルの人気の秘密のひとつに「吠え癖が少ない」という理由が挙げられています。物覚えが良くて賢い犬として知られているトイプードルは、小型犬でありながらほかの犬種に比べると吠え癖が少なくて集合住宅でも飼育しやすいようです。とはいえ、飼ってみたら思っていた以上に吠えるという飼い主も少なくありません。
トイプードルが吠えると、とにかくキンキンと甲高い。そのため家族みんなにとって迷惑なだけでなく、近所迷惑になるのではないかと心配にもなります。人間はこれを「無駄吠え」と呼びますが、トイプードルからすると何かしらの理由があって吠えています。今回はトイプードルが吠える原因として考えられること、その対策について考えていきましょう。
トイプードルが吠える原因
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わたしたち人間にとっては無駄吠えでも、犬にとっては無駄吠えではありません。何かしらの原因があって吠えているのです。原因がわかれば吠えるのをやめるかもしれません。人間とは違って言葉を話すことのできない犬、だからこそよく観察して何を訴えているのかを感じ取ってあげましょう。
では、どんな理由で吠えることがあるでしょうか。トイプードルが吠えるときに考えられる原因を挙げます。
1.警戒心が強いので吠える
小型犬は中型犬や大型犬に比べて警戒心が強い傾向にあり、よく吠えると言われています。トイプードルは比較的吠えることが少ない犬種だとされていますが、それでも小型犬なので警戒心は強いです。何か気配を感じたりすると唸ったりワンワンと吠えたりすることがあります。いつもとは違う物音が聞こえているのかもしれませんし、誰かが玄関に近づいているのかもしれません。
子犬時代に社会化トレーニングがうまくできないと、他の犬や人に対して警戒心が強い子に育ってしまうことがあります。その場合も過度の警戒心から少しのことで吠えるようになります。慣れさせようとして対象を近づけるとさらに吠え続けるので、対象から離れるようにして落ち着かせてあげましょう。落ち着いて吠えるのをやめたら褒めてあげてください。
2.要求吠えをしている
ご飯やおやつが欲しくて要求吠えをすることもあります。飼い主がご飯の用意を始めたとたんに飛びつきながら吠える場合はこれにあたります。「お腹が空いたよ~。早くちょうだいよ~!」と訴えているかのように吠えるのです。これを毎回のご飯の時にされると困ってしまいますね。
ご飯だけでなく、遊んで欲しい時や散歩に連れて行って欲しい時に吠える子もいます。トイプードルは物覚えが良くて賢いため、散歩の時間を察知するようです。「そろそろ散歩の時間だな」と思ったら吠え続けて飼い主に催促するようになります。吠えることによって要求がかなった成功体験はなかなか忘れることができないようです。
3.興奮しているから吠える
トイプードルが興奮すると、あちこちに動き回りながら吠えたりもします。飼い主が家に帰ってきたときや、友達が遊びに来た時などに飛び回って吠えることがありませんか?これはうれしくて興奮している証拠です。興奮して吠えるときと要求吠えは少し似ているかもしれませんね。ご飯や散歩の時間がうれしくて興奮して吠え続けることもあります。
4.体調が悪い、または不安なので吠える
いつもとは違う吠え方をしている時は体調が悪いのかもしれません。痛い時にはキャンキャンと吠えることがあります。体調が悪かったりケガをしたりして吠えている時は、いつもと様子が違うのがよくわかると思います。すぐに対処するようにしましょうね。
不安や恐怖を感じて吠えることがありますが、この時は体をこわばらせていたり、尻尾が下がっていたりするのが特徴です。小型犬なので基本的に怖がりな子が多く、工事の騒音や雷の音などにビックリして吠えることがあります。
5.攻撃的になって吠える
日頃のストレスが溜まって攻撃的になる子もいます。散歩が足りなくて運動不足になっているのかもしれません。また、自分の縄張りを守ろうとして攻撃的になって吠えることもあります。飼い主や家族を守ろうとする意識が働いていることがあり、相手が犬や人間、テレビに映ったものであっても吠えかかります。
飼い主や家族を守ろうとして攻撃的になっているときは注意が必要です。もしかしたら家族の中で自分がリーダーだと勘違いしているかもしれないからです。飼い主との主従関係がうまくできていないとこのような勘違いをするようになり、常に気を張っているのでよく吠える子になるようです。