はじめに
猫の尿検査は、健康状態を知ることができる大事な検査のひとつです。しかし、自宅で愛猫のおしっこを採取することは簡単なことではありません。タイミングが合わなかったり、猫が気配に気づいてしまっておしっこをしてくれない・・など、愛猫の採取に困っている飼い主さんも多いことでしょう。
猫の尿検査に必要なおしっこの量は少なくとも0.5mlあれば大丈夫と言われていますが、余裕をもって検査をするためには1~2ml採取する必要があります。
この記事では猫のおしっこの採取方法や失敗しないコツについて解析していきます。さっそくみていきましょう。
猫のおしっこの採取を自宅で行う方法とは?
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猫のおしっこを飼い主さんが自宅で採取する方法には、全部で3つあります。それぞれの特徴とその方法、注意点をみてみましょう。
1.ウロキャッチャーで採尿する方法
ウロキャッチャーとは、先端がスポンジ状になっている猫のおしっこの採取のために開発された採尿器です。最近は動物病院だけではなく、ネット通販でも購入することが可能です。
使用前の先端のスポンジは触ると固いですが、スポンジにおしっこを直接染み込ませると柔らかくなります。猫が普段通りにおしっこをしている時に、後ろからウロキャッチャーをお尻下にそっと入れて採尿するのが一般的な方法です。
ただし、染み込んだおしっこの量が少ないと尿検査ができないこともあります。どれくらいの量のおしっこをするかにもよりますが、およそ10秒以上おしっこを直接染み込ませるなら十分な量のおしっこを採取できるでしょう。
ウロキャッチャーが入っている袋には、どのように使うべきか、分かりやすく採尿の方法が記載されているので、猫のおしっこの採取が初めての飼い主さんでも安心して使うことができます。
ウロキャッチャーを使う際に注意したいこと
ウロキャッチャーを使う時はいくつかの注意点があります。以下のような点を意識してください。
1.猫の後ろからそっと入れること
猫はとても神経質な性格をしています。特におしっこなどトイレに入っているところを人に見られることを苦手としています。
ですから、ウロキャッチャーを使用する場合は、猫の真正面からではなく後ろからそっとお尻下に入れましょう。
また、非常にデリケートで人に見られるのが嫌いな猫は、オシッコすることを我慢してしまうこともあるので、 猫の顔をじっと見たり、すぐ跡を追ってトイレに行くことは控えましょう。
さらに排尿の姿勢をとったときにウロキャッチャーを入れてしまうと、緊張しておしっこをしなくなることがあります。
念のため、おしっこが出てから入れるようにすることがポイントです。
2.猫砂の量を減らして隙間を作ること
ウロキャッチャーの採尿で失敗が多いのは、ウロキャッチャーが猫砂についてしまうことです。ほとんどの猫砂はおしっこがつくと吸収し固まる性質をしています。
そのため、ウロキャッチャーに猫砂がついてしまうと、スポンジ全体が猫砂と共に固まってしまうので尿検査には使えません。
ですから、ウロキャッチャーを使っておしっこを採尿するときは、いつもより猫砂の量を減らし、猫の足元に隙間を広くつくってあげることがポイントです。猫砂が付きにくくなるでしょう。
2.システムトイレで採尿する方法
猫のおしっこを採取するために、システムトイレを利用する方法もあります。
一般的な猫のトイレはおしっこをすると猫砂が吸収して固まるという特徴がありますが、システムトイレはおしっこをすると、下にあるマットやシーツに流れ落ちるシステムになっています。
システムトイレ用のマットやシーツは、猫1匹の場合は数日分のおしっこを吸収することができます。そのため、もちろん毎日掃除をすることに越したことはありませんが、一般的な猫のトイレのように頻繁に掃除をする必要がないという魅力もあります。
システムトイレでおしっこを採取する場合は、マットやシーツを取ると1番下のトレーにオシッコが溜まっていますので、清潔なビンや容器に入れて完了です。
システムトイレを使う際に注意したいこと
システムトイレを使う時は以下のような点に注意してください。
1.愛猫をシステムトイレに慣らすこと
猫はとても神経質な動物です。特にトイレにはこだわりを持つ傾向があり、少しの違和感があるとトイレを使わずに我慢する子も中にはいます。
ですから、おしっこの採取目的のために突然トイレを変えてしまうと、排泄を我慢したり粗相してしまう原因にもなります。
つまり、前もってシステムトイレに慣らしておくことは大切です。システムトイレに慣れているなら、スムーズにおしっこを採取できることにつながるでしょう。
2.チップや猫砂をキレイな状態にしておくこと
システムトイレ用の猫砂やチップはおしっこが染み込まないので、普段は毎日掃除をしなくても問題ありません。
しかし、猫砂やチップが汚れているとそれが新鮮なおしっこに付着してしまいます。そうすると下のトレーに溜まっているおしっこが新鮮ではなくなる可能性があり、検査に影響が及びます。つまり、時間が経過した猫のおしっこには、細菌の数が増えたりするなどの影響から正確な尿検査を行えません。
ですから、採尿する場合は、出来るなら新品な猫砂やチップに替えてあげることができるかもしれません。
また多頭飼いの場合、他の猫がトイレしてしまってはおしっこが混ざってしまうので意味がありません。必ず採尿する猫だけがそのトイレを使うように隔離したりなど、工夫する必要があります。
3.採尿シートを使う方法
多くの猫は、非常にデリケートで敏感な性格をしています。
少しでも違和感があるとトイレを我慢する傾向があるため、猫のおしっこの採取に悪戦苦闘している飼い主の声を活かした「採尿シート」が獣医師さんたちにより開発されました。
採尿シートは、手軽にネット通販で入手することが可能です。その使い方はとても簡単で、採尿シートをカットして猫砂の上に置くだけです。
いつも通りに猫がおしっこをし、採取シートにおしっこが吸収されたら、それを絞ることで採尿することができます。絞ったら、清潔なビンや容器に移し替えて完了です。
採尿シート自体は、猫の尿検査の結果に影響がないよう開発されていますので、安心して使うことができるでしょう。
採尿シートを使う際に気を付けたいこと
採尿シートを使う時は以下のような点に気をつけてください。
1.システムトイレを使うと便利
普段おしっこをする際、猫は前足で猫砂を掘る習性があります。そのため、採尿シートがトイレの端に移動されてしまっておしっこがつかなかったり、猫砂の下に埋もれてしまって固まってしまう可能性もあります。
このような失敗を避けるために、採尿シートを使う場合は、おしっこを吸収せず固まらないシステムトイレ用の猫砂を使うことで失敗しにくくなります。