猫の食事が遅いことには理由がある?
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猫にとって食事は大切な時間です。食事は健康を維持するために大切なものです。飼い主さんたちも猫の食事の時間には注意を払っていることでしょう。
最近、愛猫の食事が遅くなっていると感じることがありますか?以前はもっと早くガツガツと食べていたように感じるのに、突然食事のスピードが遅くなったのには何か理由や原因があるのでしょうか。
ここでは、猫の食事が遅い理由についてご紹介していきます。病気が関係する場合もありますので、猫の食事の様子を注意深く観察してあげてください。
猫の食事が遅い原因を考える前に、まず猫の食事とは通常どういうものかを取り上げます。
猫の食事の習性について
通常、猫の食事は早いものです。なぜなら、それは猫がもともと野生の肉食動物だからです。
猫たちは本来、敵の多い環境で獲物を捕らえて生活してきた動物です。猫にとって食事の時間は無防備な姿を晒してしまう時間になりますし、捕まえた獲物が横取りされる可能性もあります。ですから、猫は素早く食事を終える習性があります。
加えて、野生動物は食事を得る機会が均等に与えられるわけではありません。しばらく獲物を捕らえることが出来ず、お腹を空かせてしまうことも多いのです。ですから、食べることができるときには急いでたくさん食べる傾向も持ち合わせています。
飼い猫であっても、野生動物としての本能や習性は持ち合わせています。ですから猫の食事は通常早いのです。
食事が遅いのには原因があるかも
猫の食事が遅い場合には、何か原因があるのかもしれません。今までと比べて遅くなっているのであれば、何か変化が生じているのでしょう。
その変化を見極めることは大切です。大した理由でない場合もありますが、重大な問題が原因となっている場合もあります。病気などがそうです。
ですから猫の食事が遅い原因を見極めるのは大切です。これから猫の食事が遅い理由をいくつかご紹介します。猫の様子を観察して、当てはまるものが無いか確認してみてください。
猫の食事が遅い8つの原因
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猫の食事が遅いのには原因があります。ここでは比較的可能性の高い8つの要因をご紹介したいと思います。
①お腹が空いていない
猫の食事が遅いのは、お腹が空いていないことが原因かもしれません。人間でもお腹が空いていない時には食事のスピードが上がらないものです。ガツガツと食べることは出来ず、どうしてもゆっくりだらだらと食べてしまうのではないでしょうか。
猫がお腹が空いていないのは、間食を与えすぎているからかもしれません。また、フードボウルにいつもキャットフードを入れている状態(置きエサ)にしていると、猫はいつでも食べることができるので食事に対しての喜びが少なく、ゆっくりと食べるようになるでしょう。
②美味しくない
単純に食事が美味しくないのかもしれません。特にキャットフードを変更したときには、急に食べるスピードが変わることがあります。
逆に以前の物よりも美味しく感じる場合、ガツガツと食べるようになるでしょう。以前より美味しくなければ、時間をかけてゆっくりと味わうかもしれません。
新しく飼い始めた猫がごはんをゆっくり食べるような場合は、以前の飼い主(ペットショップ)に与えていたエサを聞いてみましょう。エサの種類が変わったので食欲が落ちているのかもしれません。以前のキャットフードに戻して、食いつきを確認しましょう。
猫の中にはドライフードを好まず、ウェットフードしか食べたがらない子もいます。どのように対応するかは飼い主次第ですが、出来ればドライフードも食べるようにしてあげたほうが良いでしょう。ドライフードにはたくさんの栄養や食物繊維が含まれており、健康には欠かせないからです。
③食事に集中できていない
食事に集中できていないので、食べるのが遅いのかもしれません。いわゆる「ダラダラ食い」というものです。
猫の気を逸らす何かが周囲にあるでしょうか?気になる音やニオイがあるのかもしれません。
食事の最中でどこかへお出かけしてしまう猫もいます。他の事に気がそれてそちらに行ってしまうのですね。しばらくすると戻ってきて食事を再開するのですが、全体的にはかなり時間がかかってしまいます。途中で食べることに飽きて、食事を残してしまうこともあるでしょう。
④量が多い
単純に量が多いのかもしれません。キャットフードは体重や年齢に応じて与える量が決まっているはずです。規定量よりもたくさん与えていないか再確認しましょう。
成長期の猫や妊娠中・授乳中の猫はたくさんの栄養を必要とします。その時はたくさん食べるのですが、その時期を過ぎると食欲は元に戻るでしょう。変わらずたくさん与えていると、全部を食べきるのにも時間がかかるものです。
猫は量が多くても食べきる子が多いです。与えすぎて肥満にならないようしてくださいね。
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⑤食べづらい
食欲はあっても、食べづらいのが原因で食事のスピードが遅いのかもしれません。どうして食べづらいのでしょうか?食事の内容や形、食器の形が原因となっているかもしれません。
硬すぎたり大きすぎたりする食事を与えていないでしょうか。食べづらいごはんを与えていると、どうしても食べるのに時間がかかるものです。手作りごはんを与えている場合には、食べやすいごはんを意識すると良いでしょう。
食器(フードボウル)の形状が問題なのかもしれません。フードボウルの底が深すぎると、きれいに食べることが難しくなります。
さらにフードボウルが固定されていない場合も食べづらくなります。猫が食べるごとに食器が動いてしまっていないでしょうか。そうであればどうしても食べづらくなってしまいます。
⑥個性
食事のスピードが遅いのは個性が原因かもしれません。通常、猫の食事は早いものですが、飼い猫として生活していると素早く食べる必要性は無くなります。それで猫の中には、環境に適応してゆっくり食べ出す子もいます。
猫のなかでも、もともと食べるのが遅い子はいるものです。もともと食べるのが遅かったり、不器用で上手に食べられなかったりするのです。
そんな場合は急かす必要はないでしょう。個性を生かして落ち着いて食べてもらいましょう。飼い猫にとってゆっくり食べること自体は悪いことではありません。
⑦老化
老化していくとどんな猫でも食事はゆっくりになるものです。老化を免れることのできる生き物はいません。老化にともなってあらゆる動きは遅くなります。立ち上がるのも、歩くのも遅くなるのです。当然食べるのも遅くなります。
老化が原因かどうかを判断するには、食事が遅くなる経緯を考えると良いでしょう。突然ゆっくり食べ出したのであれば、老化が原因ではありません。
飼い主でも気付かないほど徐々にスピードが遅くなっているでしょうか。「そういえば、1年前に比べてかなり遅くなった」と感じることがほとんどでしょう。
高齢の猫でそのような経緯があるのであれば、大抵は老化が原因でしょう。もちろん老化による病気を見逃してはいけません。
⑧病気
何も変化していないのに、急に猫の食事のスピードが遅くなることがあるかもしれません。そんな場合は、病気を疑うと良いでしょう。
病気によって食欲がなくなっているのかもしれません。病気の痛みによって、食欲はあっても上手に噛んだり飲み込んだり出来ないのかもしれません。
病気が原因である場合は、食事以外にも影響が表れているはずです。元気があるかどうか、うんちは通常と変わらないかなどを観察しましょう。息の荒さや歩き方にも症状があらわれる場合があります。
病気の場合は無理に早く食べさせてはいけません。食べようとするのであれば、食べきるまで待ってあげましょう。場合によっては食べるためのフォローが必要かもしれません。