はじめに
愛犬の快適な生活環境を整えることには、トイレが愛犬にあっているかどうかも重要なポイントになります。室内飼いをする飼い主さんにとって、トイレトレーニングは愛犬のはじめてのしつけになることでしょう。
実は、愛犬にあっていないサイズのトイレトレーを置いておくと、そそうの原因になってしまうことがあります。
そこで今回は、愛犬に合ったトイレトレーのサイズの選び方と、買い替えの目安をどのような見分けたら良いのかについてご紹介したいと思います。
トイレトレー選びが重要なわけ
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室内での排泄に欠かせないトイレトレーですが、飼い主さんの中には「うちの子はお散歩のときしかしないから必要ない」、「オシッコしたいときには自分で外に出るから大丈夫」という方もおられるかもしれません。
犬のトイレトレーは種類が豊富
最近のトイレトレーは種類が豊富です。男の子用のL字型、トイレシーツをビリビリ破ってしまうようないたずら好きなワンちゃん用のメッシュ付きトレー、持ち運びが便利なシリコン製のもの、飛び散り対策の囲いのあるトレーなど、デザインや種類が実にさまざまです。ではそそうしにくいトイレトレーはどんな点に気を配れば良いでしょうか。
しかし、愛犬の健康と安全のためには室内で排泄できるようにトレーニングすることが必要です。飼い主さんが体調を崩して犬が散歩に出られないときや、災害等で避難するときでも、室内でのトイレマナーが身に着いているなら一緒に問題なく生活することができるでしょう。
愛犬が歳をとって外出が難しくなった場合でも、室内で排泄する習慣があれば安心です。シートに出た尿や便の色を観察することで、健康状態の変化にも気づくことができるでしょう。ですから、トイレ環境を整えてあげることはとても大切です。
そそしにくいトイレトレーの選び方
犬は大きいトイレトレーのほうが排泄しやすいので、愛犬がトイレトレーに入ったときには、最低ひとまわり大きいサイズを選ぶようにしてあげましょう。しっぽがトレーからはみ出してしまうような大きさだと、そそうしやすくなってしまうでしょう。できれば体全体が乗っても余裕がある大きさが必要でしょう。
目安は、超小型犬がレギュラーサイズ、小型犬・中型犬はワイドサイズ、大型犬はラージサイズ以上です。犬種によっては小型犬用など、体重による分類にとらわれないトイレトレー選びが必要になります。トイレを失敗しやすい犬であるなら、目安よりも大きめのトイレトレーを使うだけで改善されてこともあります。
例えば、「ミニチュアピンシャー」や「イタリアングレイハウンド」など小型犬でも脚が長い犬種の場合には体高があるので、より広範囲にオシッコが飛び散ってしまう可能性があります。「ミニチュアダックス」のような胴が長い犬種の場合、小型犬サイズでは体がはみ出してしまうでしょう。
子犬のときにトイレトレーを購入する場合には、成犬が成長したときのサイズに合わせて選ぶことができるでしょう。トイレトレーニングも大きめのトレーで始めると失敗が少なくなるので、しつけ的にもおすすめです。
大型犬で市販のトイレトレーでは大きさが足らない場合には、段差が小さくて繋げやすいシリコンタイプのワイドサイズを2つ並べて使うこともできます。そのままトイレシーツを並べて置いておくよりもシーツが安定するので、犬が使いやすくなるでしょう。
トイレが小さすぎて排泄しにくいと、別の開けた場所で排泄してしまうのでそそうしてしまいます。手作りで愛犬に合ったトイレトレーを作ってあげることによって、そそうせずに済むでしょう。
また年齢とともに排泄の悩みを抱える飼い主さんも多くおられます。シニア犬は筋力が落ちていることが多く、トイレトレーの縁のちょっとした段差でも負担になることがありますので、段差が小さくつまずきにくいシリコンタイプを使うと良いでしょう。安全にトイレに行き、楽にできるようにしてあげましょう。
トイレトレー買い替え目安
愛犬に気持ち良く排泄してもらいたいですし、家の中で使うトイレトレーだからこそ、きれいに掃除して清潔さを保ちたいですよね。清潔さを保つためには、2日~4日に1回くらいの割合で洗ってあげると良いでしょう。
メッシュの網目に排泄物が付いてしまったときには水洗いをしてあげると良いです。それでもトイレトレーのニオイや汚れが目立ってきて、洗っても取れなくなったら買い替え時です。ニオイや汚れは衛生上好ましくありません。
またトイレトレーの縁やメッシュ部分が壊れているのに気づいたなら、そのまま使い続けていると愛犬のケガにつながることも考えられます。掃除するときには破損している部分はないかチェックするようにしましょう。
犬のそそうの原因
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そそうの原因にはトイレトレーのサイズが合っていないことのほかにどのような原因があるのでしょうか。犬がそそうしてしまう原因には、その子によって異なるため、やめさせるためにはまずは原因を見極める必要があるでしょう。
1.「トイレでしていけない」と勘違い
最初にトイレトレーニングをした際に、「トレーから少しオシッコの位置がずれてしまった」という理由で激しく怒ってしまったことはありませんか?少し位置がずれただけの場合、犬は「しっかりトイレでオシッコができた」と思っているため、どうして怒られたのか分からなくて困惑してしまいます。
その結果、「もしかしたらここがトイレじゃなかったのかもしれない」と勘違いしてしまい、その後から違う場所で排泄してそそうしているという状況になっているのでしょう。愛犬が飼い主さんの行動から勘違いして記憶してしまっていることが原因になってしまっています。
この場合の対処法としては、最初からトイレトレーニングをやり直すしかありません。徹底的に愛犬を観察して、床の匂いを嗅ぎながらぐるぐると回り始めたらトイレの合図ですので、すぐに駆け寄りトイレに連れて行きましょう。しっかりとオシッコができたら、大げさに褒めてあげてください。
この方法を繰り返して根気づよく行なうことによって、もう一度トイレの場所を正しく再認識することができます。「ここがトイレだったのか!」と覚えてしまえば、そそうすることは少なくなるでしょう。
2.そそうした時のニオイが付いている
以前、そそうをしてしまった場所にニオイがまだ残っている場合、犬はそこがトイレだと勘違いしてしまい、何度もそこでそそうをしてしまうようになるでしょう。例えば、毎回なぜか布団の上でそそうしてしまう子の場合、その布団にニオイが染み込んでしまっているのかもしれません。
「きちんと掃除したのに」と思っていても犬の嗅覚は優れていますので、人間には感じ取れないニオイを感じ取っている可能性があります。ですから拭くだけでなく、もう一度念入りにキレイに掃除してニオイを残さないようにしましょう。
または犬が嫌いなニオイのスプレーを活用することもできるでしょう。そそうしてしまった場所に吹きかけておくことによって、その場所に寄りつかないように対処できます。そうすることによって、そこにそそうをしてしまったことを忘れさせることができます。
3.トイレが汚れている
人間もトイレが汚れていたら、そこのトイレを使いたくなくなりますよね。不衛生な場所を使いたくないのは犬も同じです。いざオシッコをしようとトイレに行っても、トイレが汚れたままだと「そこでしたくない」と感じて、他の場所でそそうしてしまいます。
飼い主さんが外出している時などは、トイレが汚れたままになってしまうことがあるでしょう。そういう場合は、そそうを招きやすくなります。犬はしっかり汚れた場所を避けてオシッコをするのです。
したがって、トイレが汚れていることがそそうの原因として考えられるなら、飼い主さんがこまめにトイレをチェックして、オシッコがそのままになっていないかどうかを確認してあげる必要があります。長時間の外出の場合には、トイレを2つ準備して置いてあげるなどの工夫もできるでしょう。