犬が寝ているといたずらしてくる理由
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休みの日に気持ちよく眠っていたのに、愛犬に起こされるということは飼い主さんならよく経験する出来事ではないでしょうか。「今日は休ませて~」という飼い主さんの気持ちはお構いなしに、早く早くと起きるのを急かしてくることもあるでしょう。
早朝や夜中に起こされることもあります。愛犬が飼い主さんにちょっかいを出してくる様子は一見可愛らしい行動でもありますが、時間帯や飼い主さんの体調によってはかなりつらいときもありますよね。
愛犬が飼い主さんにいたずらして起こそうとするのには理由があるようです。では、愛犬が飼い主さんの睡眠中にいたずらしてくる理由を取り上げていきましょう。また睡眠を妨げないように愛犬をしつける方法についても見ていきたいと思います。
要求があるから
犬にとって望みを叶えてくれるのは飼い主さんだけです。トイレに行きたい、お腹が空いた、喉が渇いた、遊んで欲しいなどの要求があるときに飼い主さんを起こすという行動を取ることがあるでしょう。
散歩のときにしかトイレができない犬であるなら、朝起きてトイレに行きたくなったら必死で飼い主さんを起こすでしょう。寝起きの尿意などはなかなか我慢できないからです。
特に若くて元気な犬であれば、食べているときや寝ているとき以外はずっと飼い主さんのそばにまとわりついて、一緒に遊ぼうとしてきます。寝ている飼い主さんのところにおもちゃをくわえて走ってきて、気づかないと幾つも枕元に持ってきて遊んでと要求してくることもあるでしょう。
体内時計がしっかりしている
犬は人間のように時間を認識していませんが、人間よりも体内時計がしっかりしていると言われています。それまでの習慣から毎日決まった時間に起きることができるのです。
朝ご飯の時間、散歩の時間など決まったライフスタイルがある場合の子は、体内時計がしっかりしていることが多いです。特にご飯の時間がいつも決まっている子の場合、時間が空きすぎることで胃液を吐いてしまうこともあります。
そろそろご飯の時間なので待ち遠しくて、飼い主さんを起こしにくることも考えられるでしょう。食事の時間は愛犬にとって楽しみな時間ですからね。
学習によるもの
体内時計とも近いですが、学習によって飼い主さんを起こすということも考えられています。特に目覚まし時計を使っている場合には、「時間が鳴ったら飼い主さんが起きる」ということを知っています。
目覚まし時計が鳴るタイミング、もしくは少し早いタイミングで「起きる時間だよ」と起こすこともあるでしょう。飼い主さんが寝坊しないように助けてくれているということになりますね。
寂しさを感じているから
犬はもともと群れで生活していた動物です。いつも仲間と一緒にいたせいか、とても寂しがり屋さんなところもあります。寝床が飼い主さんと一緒でない犬などは、寂しくて飼い主さんを起こしにくるということも考えられます。
眠るときには飼い主さんがそばにいたけれど、朝起きたら飼い主さんがいなくなっていることに気づいて探しにくるのでしょう。飼い主さんとしては、ただ犬が寝たのを見届けて寝室に移動しただけですが、犬にとっては朝起きてひとりであることがとても寂しいことなのかもしれません。
犬が飼い主さんを起こすようになるきっかけ
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愛犬が飼い主さんを起こすようになるのには要因があります。きっかけは様々ですが、目覚まし時計のような必ず決まったタイミングで起こる「必然的な学習」と、意図せずに行なった動作にたまたま飼い主さんが反応してくれた「偶然な学習」に分けることができます。
目覚まし時計など必然的な学習の場合は、飼い主さんが起きるタイミングが犬にもわかるので、嬉しくて飼い主さんよりも先に起きてそわそわしているということになります。
一方偶然的な学習の場合には、たまたま犬がとった行動に飼い主さんが反応してくれたという経験から、「鳴く」「舐める」「触る」という行動が強化され繰り返し行なうようになります。
睡眠を妨げないようにさせるためには
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飼い主として愛犬に頼りにされるのは嬉しいことですが、「頼ってくれている」という可愛らしい愛犬の行動も度が過ぎたり、毎日繰り返されたりすることで、ノイローゼになってしまうということもないわけではありません。
早朝や夜中に起こされて睡眠不足により、生活リズムが崩れ体調不良やストレスの原因になることもあるでしょう。
そうなる前に、お互いにとって快適な休息を取れる環境を整えることができます。では、愛犬にどのようなしつけをすることによって睡眠を妨げられることがないようにできるでしょうか。
1.ハウストレーニングをする
夜寝るときには、クレートやケージに「ハウス」させずにフリー(自由)にさせている場合には、ハウストレーニングをしてひとりで寝かせるようにしましょう。寝る場所を分けることによって、寝返りなどお互いの動きを気にすることもなくなります。愛犬の上に乗ってしまい、ケガさせる心配もなく安心できますよね。
ハウスで寝る習慣ができると「舐める」「触る」「ベッドに乗ってくる」といった起こし方ができなくなります。飼い主さんの寝室は自分のテリトリーではないということが愛犬に分かりますし、寝室に入れなくすることにより、眠りを妨げられるということが少なくなるでしょう。
2.トイレは夜に済ませる
夜中にトイレに行きたくなる子の場合は、トイレのしつけと同時に寝る前にはトイレをさせることを習慣にしましょう。そうすることによって夜中にトイレに起こされることがなくなります。
子犬の場合には、長くトイレを我慢することができないならば、水を与える量を飼い主さんが調整してあげることも一つの方法です。寝る直前にたくさんの水を飲ませることは避けるようにして、夜のトイレの前まで自由に飲ませてあげるなどの対策も有効と言えるでしょう。
ただし、夏場や寝室が完全に別であるなら熱中症などの危険もありますので、注意が必要です。
3.食事の時間と量を見直す
お腹が空いて起こしてしまうという場合には、食事の時間、食事の量を見直してみましょう。
基本的には成犬の食事の回数は2回、水は自由に飲めるように置いておきます。朝から夜の時間、夜から翌日の朝までの時間に大きな差がないか、1回の食事の量は適切かどうか確認しましょう。
急に生活リズムが変わり、今までと同じ時間に食事をあげられない場合には、食事の時間を変えるまたはランダムにすること可能です。
4.無理に起きる必要はない
可愛く起こされたら、まだ寝ていたいと思っていても「しょうがない起きるか」と飼い主さんとしては起きるという選択になりますね。
しかしこれこそが「犬が起こす」という行動をエスカレートさせる原因にもなるのです。緊急性のない場合には、起こされたからといって起きなくても大丈夫でしょう。
起こされても2度寝(無視)することで、犬も起こしても起きてくれないということを理解するようになります。しかし無視のしつけをすると、一時的にそれまでの行動がエスカレートすることがあります。吠えるとか、ベッドに乗って掘ってくるなどの行動になると無視するのはとても難しいでしょう。
「起こされても起きない」を理解してくれるまで、クレートやケージなどのハウスで寝かせるようにしましょう。その場合には、ハウスから外が見えないように、大きめのタオルなどをハウスの上にかけておくこともできます。そうすることによって、吠え声も軽減されるでしょう。
愛犬が起きてこない?!起こし方のコツとは
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飼い主さんを一方的に起こす犬とは対象的に、なかなか起きない犬もいます。
犬の睡眠時間は人間よりも長いと言われています。それは浅い眠りのレム睡眠が多い犬の場合、睡眠時間の約80%が浅い眠りなので、疲労回復により長い睡眠時間を必要とするからです。
基本的には名前を呼べば起きますが、中には熟睡しきっていたり、老犬で耳が遠くなって呼んでも起きなかったりするということもあるでしょう。そのようなときには、起こし方によっては唸って起こる犬もいるので注意が必要でしょう。
触られることに慣れさせる
触られることが嫌いな子は、普段から起きているときからたくさん撫でてあげるようにしましょう。体に触れられることに慣らしてあげることが必要です。
驚かさないように優しく
耳の遠い犬や熟睡しきっている犬は呼んでも聞こえませんし、飼い主さんが近づいてきたという気配にも気づきません。そんな状態の時に、急に体を叩かれたり、揺らされりするならばビックリさせてしまうでしょう。驚かされて怒るかもしれません。
犬の五感は人間よりも優れています。中でも嗅覚は歳をとっても長く使うことができると言われています。
そのため、鼻先に手を近づけ匂いを嗅がせてから声をかけてみましょう。声をかけながら犬の背中や肩あたりをなでるように優しく触れてあげることで、ビックリさせないで起こしてあげることができます。