柴犬はドッグランで敬遠されがちってほんとう?
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飼い主に忠実な犬といえば「柴犬」といってもよいほど、柴犬は従順で忠誠度の高い犬です。飼い主にとっては非常にかわいいのですが、実は柴犬はドッグランで少し敬遠されがちなんだそうです。
なぜでしょうか?一体何が嫌われてしまう原因になっているのでしょうか?今回は、柴犬がドッグランで嫌われてしまう原因や注意点について紹介したいと思います。
ドッグランとは?
そもそもドッグランとは何でしょうか?どんな場所なのでしょうか?
ドッグランとは飼い主と飼い犬専用の広い広場、公園のことを言います。リードをせずに解放的に遊ぶことができる場所で、日本では「ドッグラン」、海外では「ドッグパーク」などと呼ばれています。
最近のドッグランはいろいろなアジリティー施設が整っているところも増えており、愛犬と飼い主が一緒に楽しむことができるような場所も増えています。
また、最近は愛犬と一緒にドライブや旅行に行く方が増えているため、高速道路のサービスエリアや道の駅などにもドッグランが併設されているところが増えています。ですから狭い車の中でたまったストレスを上手に発散させながら、旅行を楽しむこともできますね。
そんな犬のための施設「ドッグラン」なのですが、犬同士による噛みつき等のトラブルは後を絶ちません。特に柴犬はトラブルの原因となることが多いようで、敬遠されがちです。なぜ柴犬はドッグランでトラブルになってしまうのでしょうか?
柴犬がドッグランでトラブルになる原因とは
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柴犬はとても賢く、飼い主に従順な犬として知られています。ところがドッグランではなぜかトラブルの原因となることがあり、敬遠されがちです。なぜでしょうか?
その原因は、柴犬の「気質」にあるといわれています。ですからまずは、柴犬の気質についてよく知っておく必要があるでしょう。
気質による問題
柴犬は飼い主に忠誠を尽くす犬として知られています。しかし他の人に対しては愛想がないタイプの柴犬もいます。
私たち人間にも個性があってみんなそれぞれ性格が違いますよね。柴犬だって同じです。友好的な性格の柴犬もいれば、人見知りだったり活発だったり、わんぱくな子もいます。
ここで問題になる性格が「ワンドッグ」タイプと言われる性格です。この性格を持つ柴犬は飼い主に対してはすごく忠実ですが、警戒心と独立心が強いため他の人や他の犬に対しては愛想がなく、攻撃的になることがあります。
こういった気質の柴犬を飼っている場合、もしかしたらドッグランでトラブルの原因となってしまうかもしれません。
血統的な問題
なぜこうした攻撃的な柴犬が産まれるのでしょうか。
これは少しブリーダーとも関係のあることですが、柴犬が本来持っている飼い主に対する忠誠心という良いところを伸ばそうと研究して交配を行っているブリーダーがいる一方で、見た目を重視し販売効率だけを考えた交配をさせるブリーダーもいます。
そうした場合、攻撃的な柴犬が出てしまう可能性があります。血筋的に攻撃的な気質を持っているため、ドッグランにおいてもトラブルの原因となってしまうことがあるかもしれません。
とはいえ、少し苦労はするかもしれませんが、正しい方法で根気よくしつけを行えば、従順で落ち着きのある子に成長させることは可能です。
しつけの問題
どんな柴犬でもしつけは大切です。間違ったしつけをしてしまうと飼い主との信頼関係が壊れてしまい、攻撃的な性格になってしまうこともあります。
子犬期のしつけが大切というのは周知の事実ですが、特に社会性を身に着ける社会化期のしつけは大切です。生後3か月ころまでに他の犬や他の人との接触があると慣れることができます。そして、「おすわり」や「まて」などのコマンドを教え、飼い主とのアイコンタクトができていることが望ましいです。
子犬期はいたずらが多く、歯の生え代わりによってムズムズするため、何でもかんでも噛みたがります。甘噛みも多い時期になるため、中にはカッとなって手を挙げてしまう飼い主さんもいることでしょう。
しかしこうした体罰は飼い主さんに対する信頼感を失わせます。体罰へ対する恐怖心から攻撃的になる犬もいるのです。
ドッグラン利用前に身につけさせたいこと
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このように柴犬がドッグランで敬遠されがちな原因についてみてきました。しかしだからといって、柴犬はドッグランを使用できないというのではかわいそうです。
そこでここからは、柴犬がドッグランを利用するために何ができるか紹介したいと思います。まずはドッグランを利用する前に身につけておきたい事柄について見てみましょう。
大事なのは「しつけ」と「社会性」を身に着けさせることです。これは柴犬に限ったことではありませんが、周りの犬のためにも基本的なしつけはできている必要があります。
呼び戻し
必ず身につけさせたいしつけのひとつが「呼び戻し」です。
柴犬は洋犬と違って感情のアピールがあまりありません。そのため、他の人からすると遊びから攻撃への切り替えが早いように見えます。柴犬自身からしたらそんなことはないのかもしれませんが、周りからすると急に攻撃に入るように見えて、危険な犬だと思われてしまいがちなのです。
飼い主さんでしたら愛犬(柴犬)のわずかな攻撃スイッチがわかることでしょう。攻撃スイッチを刺激しそうな犬が近くにいたなら、「呼び戻し」をしてリードを付けるなどの対処ができるでしょう。
もしも愛犬の攻撃スイッチが分からないようでしたら、ドッグランの利用は周りの犬に迷惑をかけてしまうので控えた方が賢明かもしれません。
クールダウン
もう一つ身につけさせたいしつけが「おすわり」や「ふせ」といった「クールダウン」です。
攻撃スイッチが入りそうな柴犬を、呼び戻しで相手の犬から離したとしても、興奮状態で吠えてしまっては相手の犬を刺激し、興奮させてしまう可能性があります。そのため呼び戻しをしたら、クールダウンさせることが大切になります。
呼び戻した後はリードをつけてクールダウンさせましょう。とはいえ周りにたくさんの犬がいてうまくクールダウンができない場合は、一度ドッグランから出た方が賢明かもしれません。気分転換に近くを散歩させると気分も落ち着くかもしれませんよ。
社会性
しつけと同じくらい大切なのが「社会性」を身に着けさせることです。
柴犬の気質のところでも紹介しましたが、柴犬は飼い主に対してすごく忠実な「ワンドッグ」といわれる犬種です。飼い主との一対一の関係を大切にし、飼い主に対しての愛情が深く主従関係がしっかりしています。
そんな性格のため飼い主や家族を守ろうとして、周りの人や他の犬に対して攻撃的になりやすい面があります。そこで他の人や他の犬に対して警戒心がつかないように、社会化期と呼ばれる時期に社会性を身に着けさせることが大切になります。
犬が社会性を身に着けるのは、社会化期といわれる生後3か月ころまでの時期を言います。この時期に母犬や兄弟犬と過ごすことで、犬のコミュニケーションを学ぶことができます。
また良心的なブリーダーの元で育った子犬でしたら、ここで人間とのコミュニケーションも学ぶことができます。しかしペットショップで販売される仔犬の場合、早い時期に母犬や子犬、ブリーダーから離され、ひとりショーケースで過ごすため、社会性を身に着けることが難しくなっています。
そこで、少しでも他の人や犬に対する警戒心を付けないためにも、早い時期から社会性を身に着けさせるようにしましょう。
普通生後4か月ころにはワクチン接種が済みます。そうしたら積極的に外へ散歩に連れて行くようにしましょう。こうして家族以外の人や犬に接する機会を作るのです。