猫の寒さ対策はどうしたらいい?
Africa Studio/shutterstock.com
寒い冬の時期、猫ちゃんはコタツに入ったりストーブの前に陣取って動かなかったりと、自分で暖を取れる場所を探しながら工夫して寒さを乗り越えていますね。
しかし飼い主さんが外出する際にストーブがつけっ放しだったり、こたつの電気が入ったままだったりすると、火災発生の危険や電気代が心配です。
そのような時のための便利グッズは湯たんぽです。湯たんぽがあれば長時間温かさを保てますし、何より安全です。今回は湯たんぽの注意点やメリットなどについて考えていきたいと思います。
まずは、湯たんぽを使う際の注意点から見ていきましょう。
湯たんぽを使う際の注意点
22Images Studio/shutterstock.com
私たち人間でも湯たんぽを使う際には注意が必要なのと同じように、猫ちゃんのために湯たんぽを使う際にも注意が必要です。特に猫ちゃんは言葉で意思を伝えることができませんから、飼い主さんが十分注意してあげる必要があるでしょう。
では、具体的にどんな注意点があるでしょうか?見ていきましょう。
「低温ヤケドに注意!」
低温ヤケドは人間だけでなく猫ちゃんにも起こり得ます。冬場には湯たんぽを使って低温ヤケドになり、病院で診てもらう猫ちゃんの割合がかなり高くなります。
低音ヤケドは、44度くらいの温度の物に約3時間から4時間ほど触れていることにより発症します。温度が高ければ高いほど低温ヤケドになり得る時間は短くなっていきます。
低温であるために熱さや痛みを感じにくく、それだけ長時間にわたって熱に触れてしまうため、皮膚だけでなく筋肉の組織に至るまで深いヤケドを負ってしまいます。その症状は深刻な程度になってしまいがちです。
猫ちゃんは毛に覆われているため、低温ヤケドの危険は少ないと感じる方が多いのですが、毛が多い分皮膚は薄いので、皮膚に直接熱い物が触れてしまうとヤケドになる可能性が高くなります。
湯たんぽの温度を38度から40度ほどにしてタオルでくるんだり、カバーを取り付けたりして、猫ちゃんの肌に接する部分が熱くないか飼い主さんが直接触って確認してあげてください。
低温ヤケドをしているかどうかは、どうしたら分かるでしょうか?例えば、同じ場所を気にしてずっと舐めている、特定の場所を触ると嫌がる又は痛がる、皮膚が赤い、皮膚に水ぶくれがある、皮膚がめくれている、体毛が一部分ハゲているなどの症状があれば低温ヤケドを疑いましょう。
では、低温ヤケドをしていると気付いたならどうしたらいいでしょうか?
見た目がそれほど酷くなく、軽傷のように見えても必ず病院に連れて行きましょう!猫ちゃんは毛で覆われているので本当の状態が分かりにくく、軽傷に見えても実は皮膚下でヤケドが広がっていた…なんてこともあります。
ヤケドの部分に冷水で濡らしたガーゼや氷のうを当ててすぐに冷やし、なるべく動かさないようにして病院に連れて行きましょう。病院で消毒を行なってくれますので、ヤケドの部分に何も付けずに病院に行くことをオススメします。
「湯たんぽの正しい使い方を守る」
湯たんぽには、猫ちゃん専用の湯たんぽや手作りの湯たんぽ、人間専用の湯たんぽなど様々な種類があります。どんな湯たんぽを使うにしても、使う前には必ず説明書を読んで、指示通りの使い方をしましょう。例えば、耐熱温度を超えた温度のお湯を入れない、決められた水量よりたくさん入れないなどの注意点があるでしょう。
こうした使い方を守らないと、蓋が外れて猫ちゃんがヤケドしてしまったり…と防げるはずの事故も防げなくなってしまいますので、注意して説明書に沿ってお使いください。
「毎回使う前に湯たんぽを確認」
昨日も使って何事もなかったのだから、今日も使っても大丈夫だろうという思い込みが、猫ちゃんが怪我をしてしまう原因になってしまうかもしれません。劣化していたり破損していたりすれば、そこからお湯が漏れて猫ちゃんがヤケドすることもあり得ます。
毎回使う前には劣化していないか、壊れている箇所はないか、ヒビなどは入っていないかなどしっかり確認しましょう。もし、異常に気が付いた場合には使用せず、新しい物と取り替えてあげてください。
では、次に湯たんぽを使うメリットについて考えてみましょう。
湯たんぽを使うメリット
Gints Ivuskans/shutterstock.com
猫ちゃんは寒がりな動物です。猫ちゃんの種類にもよりますが、快適に過ごせる温度というのは20度から28度だと言われています。温度が下がりすぎてしまうと体調を崩しやすくなり、感染症や低体温症などの危険性もあります。その為、出来るだけ猫ちゃんが快適に過ごせるように、飼い主さんが温度に気を配ってあげるのは大切な事です。
とはいえ、冬場中ずっとエアコンやストーブ、こたつを点けておく訳にもいきませんよね。冒頭で触れたように火災の危険もありますし、電気代の心配もあります。
そこで、出番なのが「湯たんぽ」です!!お湯を入れれば数時間温まれますし、お金もそれほどかかりません。
また、エアコンなどと違って猫ちゃん自身が自分で体温調整できるようになっています。寒ければ湯たんぽに体を密着させたり、暑くなったら少し離れたりすることができます。
湯たんぽは猫ちゃんを温める以上の効果をもたらします。猫ちゃんに安心感をもたらすということもできるようです。
例えば、捨てられて母親のいない子猫に湯たんぽを使ってあげると、湯たんぽの暖かさが母猫の体温に似ているために安心するようです。特に3ヶ月未満の子猫の場合には、真夏以外は湯たんぽがあった方がいいでしょう。子猫の場合は室温25度が適温となっています。それ以下になると体が弱ったり、感染症にかかったりする恐れがありますので、温度管理は非常に大切です。
湯たんぽを使うメリットがよく分かりましたね。では次に、湯たんぽを手作りする方法について見ていきましょう。
猫ちゃんの湯たんぽを手作りする方法
Narachaporn kiatjareansin/shutterstock.com
猫ちゃん専用の湯たんぽなども売られていますが、湯たんぽが何個か必要という方にはペットボトルを利用した、簡単に作ることのできる湯たんぽをお勧めします。
準備するものとして、まずホットドリンク用のペットボトルを用意します。コールドドリンク用のペットボトルだと耐熱ではありませんし、お湯を入れた時に縮まり破損してしまう可能性もあるため、使用はお勧めしません。
それに加えて厚手の靴下を準備して下さい。厚手の靴下がない場合には、薄手の靴下を2枚か3枚用意します。人間用の髪ゴムもあれば準備しましょう。普通のゴムだと猫ちゃんが絡まったり、間違えて飲み込んでしまったりする危険もありますから、人間用の髪ゴムをお勧めします。
作り方は簡単です。ホットドリンク用のペットボトルに少し熱いと感じるくらいの温度のお湯を入れます。目安としては、暖かいお茶などのペットボトルの温度程度です。お湯を入れたペットボトルに厚手の靴下か、2枚か3枚の薄手の靴下を履かせます。靴下が脱げそうなら靴下にゴムを巻きましょう。
手作り湯たんぽの注意点としては、何度かペットボトルを使っているうちに穴が開いてしまったり、劣化により注ぎ口から水が漏れたりしてしまう事があるということです。穴や劣化がないか注意しながら見て使ってあげてください。
汚れなどが目立ってきたら、衛生上使い続けるのは良くありませんので、新しいペットボトルと交換してあげましょう。すぐに捨てられて、新しいものと交換できる点もペットボトル湯たんぽの良いところですね。
湯たんぽを包むのに、靴下だけでなくタオルなどでもいいのですが、通常のタオルはほつれた糸が輪っかの形状になって猫ちゃんの爪に引っかかりやすくなってしまいます。タオルを使う場合にはマイクロファイバー製のタオルなど、爪の引っかかりにくいタオルを使用してください。
また、猫ちゃんが低体温症になり緊急に温める必要がある場合には、ぬるま湯を耐熱性のジップロックの袋に入れて、猫ちゃんの体に当ててあげるなら、ペットボトルで温めるよりも熱が伝わる面積が広いので効果が期待できます。
しかしこの際にも、低温ヤケドにならないようタオルなどで包み、ジップロックの口をきちんと閉めて、飼い主さんが見守ってあげてくださいね。あくまでもこれは応急処置ですから、普段であればペットボトルが一番良いと思います。
ここまでで猫ちゃん用の湯たんぽを紹介してきましたが、湯たんぽだけでは寒そうとか、もう少し暖房になるような物が欲しいという飼い主さんに、湯たんぽ以外の暖房器具についてお伝えしていきたいと思います。