犬のドライヤーのコツが知りたい
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犬の体を洗った後にドライヤーをしますが、このドライヤーを嫌がる犬が多いようです。
暴れる愛犬を無理やり抑えてドライヤーをするのは心苦しいですが、そのまま放置して自然乾燥にすると風邪をひいたり、皮膚が不健康になったりするなど、体調に悪影響を及ぼす可能性もあります。
毛が短い犬種ならまだしも、毛が長い犬種の場合はどうしても毛を乾かす必要があるでしょう。では、どのように愛犬の負担を減らしながらドライヤーをかけることができるでしょうか?
この記事では、ドライヤーを上手にかけるコツについて解説していきます。さっそくみていきましょう。
犬がドライヤーを嫌がる理由とは?
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ドライヤーを嫌がる犬は多くいますが、その多くは次のような理由でドライヤーを嫌がるようです。
理由①ドライヤーの温度が熱く感じるから
多くの飼い主さんは、人間用のドライヤーを使って愛犬の被毛を乾かしていることでしょう。
自分の髪の毛を乾かすときにドライヤーを使っている時は熱さをあまり気にすることはないと思いますが、人間用のドライヤーは吹き出し口が80度近くになるほど高温になっています。
つまり、犬にとって近い距離で温風を当て続けられるととても熱く、それがドライヤーを嫌がる原因となる場合があるのです。
理由②ドライヤーの音でビックリする
人間は毎日ドライヤーを使っているのでドライヤーの音に聞き慣れていますが、犬にとってはそうではありません。
特に犬の場合、優れた聴覚を持っているので、ドライヤーの音は騒音となってしまいます。たとえドライヤーの音を”弱”にしたとしても、耳のいい犬にとっては不快な音に感じてしまうのです。
飼い主さんが時間を短縮して”素早く乾かそう”という気持ちから強いモードを使うことを習慣とするなら、犬はドライヤー嫌いになってしまうかもしれません。
理由③ドライヤーの風が怖い
ドライヤーの風は小さな吹き出し口の部分から急速に出てくるので、犬の中にはそれを怖がる子がいます。
犬が散歩の途中に感じる爽やかな風とは違い、被毛を乾かすための熱い風なので、それが直接顔や耳、目に当たると犬にとってはイヤなものになるようです。
犬にドライヤーを使うときに気を付けたいこととは?
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ドライヤーがキライな犬にとって、ドライヤーの時間はとても苦痛なものとなります。
特に毛が長い犬の場合、毛が長い分ドライヤーの時間も長くなるので、ドライヤーを負担に感じないよう次の点に気を付ける必要があります。
シャンプー前にブラッシングをする
どんな犬種でもシャンプー前にブラッシングをすれば毛のもつれがとれるので、素早く乾かすことにつながります。
特に毛が長い犬の場合、毛がもつれている可能性があります。シャンプー前にしっかりブラッシングをし、必要ならば毛がもつれている部分をカットをしましょう。
自分で毛のもつれをカットすることはできますが、それが難しい方はトリミングサロンにお願いすることができるかもしれません。余分な出費になりますが、それだけ犬にかかる負担を軽減できるでしょう。
ドライヤーの前に水分をしっかり絞る
ドライヤーの時間を少しでも短縮させるために、ドライヤーをかける前に水分を取り除く作業をしましょう。
毛が長い犬種なら、シャンプー後に被毛を手で絞り、水分を取り除きます。また毛が短い犬種でも、身体や足を撫でてあげるだけでずいぶん水がカットされます。
その後、タオルを使ってしっかり水気をふき取りましょう。しっかりタオルドライすることが、ドライヤーの時間短縮につながります。
タオルドライをする際、普通のタオルでも水分を吸収することはできますが、吸収力が高いタオルを使うならさらに効率よく水分を吸収できるでしょう。ドライヤーの短縮につながるので、吸収力の強いタオルが1つ家庭に用意しておくのが良いかもしれません。
しっかり乾かすこと!半乾きはNG!
犬がドライヤーを嫌がると、”少しだけドライヤーで乾かして、後は自然乾燥でもいいかな”と考える飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、被毛を半乾きのまま放置することはとても危険です。なぜなら、半乾きにすることで被毛と皮膚の間の水分から菌が増殖し、皮膚が炎症を起こす可能性があるからです。
愛犬がドライヤーを嫌がるから・・と良かれと思って早めに切り上げることは、後から皮膚病で辛い思いをさせることになるかもしれません。愛犬のためにもしっかりドライヤーを使って乾かしてあげましょう。
ドライヤーの温度を確認しながら乾かす
人間が短時間でドライヤーを使って髪の毛を乾かすときは、多くの方が強風モードを使用していることでしょう。しかし犬に強風モードを使い続けることは、ドライヤー嫌いをさらに悪化させる原因になります。
愛犬がドライヤー嫌いにならないよう、飼い主さんは吹き出し口に手を置いて温度を確認しながら使用するように心がけましょう。
同じ位置にずっと温風を当てない
人間でもそうですが、犬も体の同じ部分にずっと熱風が当たり続けると熱く感じます。それで、ドライヤーを使う時は少しずつ動かしながら、同じ部分にあて続けないように注意しましょう。
ドライヤーを左右に動かしながら、愛犬の被毛を乾かしてあげましょう。
犬とドライヤーの距離は30㎝以上離す
人間用のドライヤーを使って愛犬の被毛を乾かす場合、80度以上の温風が出てきます。その風が近ければ近いほど熱いです。
愛犬の毛を早く乾かしてあげたい!という気持ちから、皮膚から数センチしか離れていないとことでドライヤーをかけるなら、犬にとっては熱くてとても辛い時間になります。
犬がドライヤーの風が気持ちよく感じる温度は、30㎝以上離れた場所からの温風です。犬とドライヤーの距離を保ちながら、ドライヤーを使用するようにしましょう。
ドライヤー以外のアイテムも併用する
特に毛が長い犬の場合、ただ単にドライヤーの風をあてているだけだと毛がもつれてしまいます。毛がもつれないようにするために、ドライヤーで乾かす際には愛犬の毛の長さに応じたブラシを使いながら乾かすようにしましょう。
そうすることで毛の中に空気が入りやすくなり、乾燥の短縮につながります。愛犬の毛を早く乾かすために、以下のアイテムがあると便利です。
■「スリッカーブラシ」
スリッカーブラシは、犬の毛を早く乾かすための基本中の基本の道具のひとつです。トリミングサロンのプロは、このスリッカーブラシとドライヤーだけを使い、短時間で毛を乾かしています。
乾かすことはもちろん、抜け毛を除去することもできるのでとても便利な道具です。特に毛が長い犬の場合、皮膚を傷つけにくい、クッション部分が柔らかいソフトスリッカーがオススメです。まだ自宅にない方は、是非購入を検討してみましょう。
■「ラバーブラシ」
ラバーブラシは主に毛が短い犬種におススメですが、長い毛の犬にも使えます。
愛犬のドライヤー嫌いを克服するコツとは?
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愛犬のドライヤー嫌いを克服へと導くいくつかの対処法をご紹介しましょう。
コツ①愛犬が見えない位置からドライヤーをかける
ドライヤーが嫌いな子の多くは、顔の前方から風が当たることを嫌がります。おそらく目や耳など、敏感な部位に熱風が当たることが嫌なのでしょう。
それがトラウマになってドライヤー嫌いになってしまう子も多くいます。それで犬の視界に入らないよう、背中側から少しずつドライヤーをかけてみることをおすすめします。
コツ②ドライヤーの音に少しずつ慣らしていく
ドライヤーの音が嫌いという子の場合、まずはドライヤーの音に慣れさせることが大切です。
シャンプーのとき以外にもドライヤーの音を聞かせたり、飼い主さんが自分の髪を乾かすときにわざと愛犬の近くでドライヤーを使用してみたりすることができるでしょう。
毎日ドライヤーの音を聞かせれば、時々しか聞かなかった怖いドライヤーの音も聞き慣れた音へと変化し、音に怖がらなくなることでしょう。
コツ③日ごろからドライヤーをちらつかせてみる
ドライヤーに見慣れていないことも、ドライヤーを怖がる理由のひとつです。ドライヤーに見慣れていないと、ドライヤーは不快な音がして熱い風が出るなどマイナスイメージにしかなりません。
そんなマイナスイメージを覆すために、日ごろからドライヤーを見せて怖いものではないと認識させるようにしましょう。
コツ④冷風から少しずつ慣らしていく
愛犬が熱風を苦手としているなら、冷風から慣れさせていくことができるかもしれません。冷風といっても冷たいわけではありませんが、温風より嫌がらないことでしょう。
最終的には温風に慣れてもらうことが目的なので、冷風と温風を交互に切り替えながら乾かし、少しずつ慣れてもらいましょう。
コツ⑤ドライヤー後にご褒美をあげる
ドライヤーが終わった後いつもおやつをあげるなら、”ドライヤーの後にはご褒美がもらえる”と愛犬に認識させることができます。
またご褒美に加え、ドライヤーをかけているときに”あと少しだからね”とか”お利口さんだね~”などと、飼い主さんが優しく声をかけて安心させることも効果があります。
コツ⑥ペット用のドライヤーを使ってみる
ペット用のドライヤーは人間用のドライヤーとは違い、愛犬の被毛を優しく乾かすことを目的として開発されています。そのため低温で、犬の皮膚に安全に使うことができます。犬がトラウマとなる騒音や熱風が改善されているので、愛犬も安心することでしょう。
また、ペット用ドライヤーの中にはスタンドタイプもあり、飼い主さんが両手を使って乾かす作業に集中することが可能となっています。愛犬がドライヤーをかけると暴れる場合は、スタンドタイプの利用がおすすめです。
コツ⑦犬が反抗できない高い場所でドライヤーをかける
愛犬にドライヤーをかける場所は、ソファーの上やカーペットの上など、それぞれの家庭によって異なることでしょう。
一方トリミングサロンでは、犬を人間の腰くらいの高さの台の上にのせて作業をしています。これは、高い場所に犬をおくことでおとなしくなる効果があるからです。つまり、逃げられないという状況が犬をおとなしくさせます。
ですから自宅でドライヤーをかけるときも、トリミングサロンのように高い場所を利用して愛犬にドライヤーをかけてみましょう。
ただし、愛犬が高い所から落ちてしまうと危険なので、リードをつけて落ちないよう安全面に気を付けながら行うようにしてください。