はじめに

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ずっと憧れていた子猫との生活がいよいよ実現しようとする今、たくさん遊んであげたいと心がワクワクしていることでしょう。また、これから子猫を家族として迎えようと検討している方もいるかもしれません。
新たに子猫を迎えることが決まったら、子猫のために準備するものがたくさんあります。その中にはフードやトイレなど飼育に欠かせないもののほかに、「おもちゃ」もあります。
みなさんは、子猫用のおもちゃと成猫用のおもちゃは遊ぶ目的が異なっていることをご存知でしたか?つまり、子猫には子猫用のおもちゃを選んであげることが大切だということなんです。
この記事では、子猫にとってのおもちゃの役割と子猫用のおもちゃの選び方などを解説していきます。さっそくみていきましょう。
子猫の遊びには種類がある!

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子猫を迎える前に、子猫の遊びの種類を学んでおくことは大切です。遊びの種類を把握しておけば、子猫におもちゃを与えるタイミングも判断できることでしょう。
ではどんな遊びの種類があるのでしょうか?それは、生後1ヶ月頃からの「社会的遊び」と、生後2ヶ月頃からの「単独遊び」の2種類です。一つずつ詳しく取り上げてみましょう。
社会的遊びとは?
社会的遊びとは、一緒に生まれてきた兄弟猫や母猫とじゃれ合って遊ぶ猫同士の遊びです。
兄弟がいる子猫は、生後1ヶ月頃から兄弟と遊び始めるようになります。兄弟がいない一人っ子の場合は、母猫が遊び相手となって遊んでくれます。
社会的遊びの中には、兄弟やお母さん猫に向かって飛びかかったり、通称猫パンチと呼ばれている前足を相手に向かって動かす動作をしたり、二本足で立って身体を大きく見せるような動きをすることなどがあります。
このように、生後1ヶ月頃の猫同士の遊びには、身体の基本的な動きや猫同士の関わり方を身に着ける目的があります。
単独遊びとは?
単独遊びはその名前の通り、子猫が単独で遊ぶ遊びです。子猫同士で遊ぶ社会的遊びを経たのち、生後2ヶ月目頃から単独遊びへと切り替わり、ひとりで遊ぶようになります。
この遊びには、狩猟行動の練習のような動きも見られます。つまりこの頃から、ボールを追いかけたり飛んでいるものに向かってジャンプしたりなどの行動が見られるようになるのです。
子猫におもちゃを与える時期はいつ?

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では、いつ頃から子猫におもちゃを与えることができるのでしょうか?
子猫におもちゃを与えるベストな時期は、単独遊びを始める生後2ヶ月を過ぎた頃からと言われています。ペットショップやブリーダーさんなどを通して迎えた子猫なら、通常生後2~3ヶ月以上の子猫がほとんどです。
遊び相手がいるならおもちゃがなくても猫同士で遊びますが、単独で子猫を迎える場合は、2ヶ月頃から子猫用のおもちゃを与えましょう。子猫のおもちゃを使った遊びは、運動、社会性、狩猟練習など子猫の発達に良い影響を与えます、
また、生後3ヶ月頃には乳歯が永久歯に生え変わる時期で歯がかゆくなっているので、噛むことができるおもちゃを与えることができるでしょう。さらに子猫が思いっきり遊べるよう、壊れても危なくない安全なおもちゃを選ぶことは大切です。
子猫が好むおもちゃとは?

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猫は狙った獲物をじっと観察し、隙をみつけて一気に襲い捕まえようとするハンターです。
子どものときからハンター性質を持ち合わせている子猫にとって、どんなおもちゃが興味をひくのでしょうか?
まるで生きているような獲物に見立てた動きをするおもちゃ
猫は基本動くものに反応を示します。それも定期的な動きではなく、突然素早く動いたり急にピタッと止まったりする、生き物のような動きをするものに反応します。
猫の持つ瞬発力や跳躍力を最大限引き出せるような、獲物に見立てた動きをするおもちゃを選ぶことができるでしょう。
猫の聴覚を刺激する音がするおもちゃ
猫は五感の中で、聴覚が一番発達していると言われています。猫はネズミを捕食していたため、ネズミが発する高音域の音を識別することができ、耳をピンと立てて左右別々の音を聞き分けることが可能です。
そんな猫にとって、音のするおもちゃは聴覚が刺激されるのですぐに飛びついてきます。特にスーパーの袋など、”カシャカシャ”する音によく反応し、中にはスーパーの袋を舐めながらその音を楽しむ子もいます。
猫のおもちゃにも”カシャカシャ”音がするものがありますし、ビニールやフィルムなどの素材で出来ているおもちゃもありますよ。
爪や歯が立てられる素材や大きさのおもちゃ
飼い猫の場合は、外敵から身を守る必要がない安全な環境で、狩猟をしなくとも美味しいごはんを食べることができますが、動くものを追いかけたりする狩りを好んだりする本能は残されています。
そのためおもちゃで遊ぶときも、プラスチックなどで出来ているツルツルした素材よりも、爪や歯を立てて捕まえる感覚を味わえる素材でできているおもちゃを好む傾向があります。
猫の色覚に訴えるカラー
わたしたち人間はさまざまなな色を見分けられますが、猫の色覚はそれほど良くなく、はっきりと色を区別することができないと言われています。そのため優しい淡い色をしているおもちゃよりも、はっきりとした鮮やかなカラーのおもちゃを好む傾向にあります。
愛猫のおもちゃを選ぶときは、形や素材だけでなく、カラーも考慮してあげましょう。
細かいパーツが付いているおもちゃはNG
猫は獲物を捕まえたらすぐに口に運ぶ習性があります。つまり、獲物とみているおもちゃもすぐに口にいれるので、誤飲に注意が必要です。
おもちゃで無我夢中に遊んでいると、飲み込んでしまったり食べてしまったりする子もいます。最悪の場合、開腹手術が必要となることもありますので、おもちゃを選ぶ際には飲み込めるほど小さいものや、金具などのパーツが付いているおもちゃの購入は避けましょう。
また一見安全そうに見えるおもちゃでも、少しずつ噛みちぎって飲み込んでしまう可能性もありますので、おもちゃを片付けることを習慣とすることも大切です。
一緒に遊べるおもちゃがベスト
猫用のおもちゃはさまざまなタイプのものがあります。その中には電池で動くものや、バネ付きで猫ちゃんが手を出せば反動で戻ってくるようなものなど、飼い主さんがいなくても猫がひとりで遊べるような設置型のおもちゃがあります。
最初の頃は興味半分で近づいて手を出す子が多いですが、時間とともに飽きてきて、最終的には全く遊ばなくなってしまいます。
そう考えると、スキンシップをはかりながら飼い主さんと一緒に遊べるおもちゃがベストと言えるでしょう。