猫の足跡ってかわいい!
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みなさんは、猫の足跡の形って書けますか?猫の足跡ってとってもかわいいですよね!雪の積もった日に猫の足跡が道路についているだけで、とっても温かい気持ちになったりします。ちょうどコンクリートを敷いて「進入禁止」となっている場所に、猫が堂々と通った足跡が残っている画像とかもたまらなくかわいいですよね。
家を建てるときに、自分の家族の足跡をコンクリートに記念として残す方もいますが、愛猫の足跡をつける方もいるくらい、猫の足跡はアートの一つにもなっています。洋服や小物、いろいろなグッズのイラストにもなったりしていますよね。
猫を飼っている方であれば、肉球のむにっとした感触もたまらなく癒しに感じていることでしょう。もちもちとしているような、ぷにぷにしているような・・・。なんとも言えない気持ちよさなんですよね。猫の肉球や足跡の魅力を語ろうと思ったら、ページ数が足りなくなってしまいそうですが、ここでちょっと質問です。
みなさんは犬の足跡と猫の足跡の違いってわかりますか?なんとなく、猫のほうが足跡が小さいとか丸いとか、イメージとしては違いがあるかもしれませんが、実際どんな違いがあるのか知っている方は少ないかもしれませんね。ということで、今回はみんな大好きな猫の足跡の特徴や秘密をご紹介していきます!
猫の足ってどんな構造になっているの?
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動物の足跡ってとても魅力的です。そして可愛いだけでなくとても面白いものです。動物によって形、大きさが違います。でも、その足は見た目が魅力的である以上に、とても機能的で繊細な作りになっているんです。
猫の肉球は、指球(しきゅう)、掌球(しょうきゅう)、主根球(しゅこんきゅう)、そして狼爪(ろうそう)でできています。
掌球(しょうきゅう)というのは、人間でいう手のひらの部分のことで、猫の足跡で一番真ん中にあるあの三角形のような形をした部分となります。指球(しきゅう)は、掌球(しょうきゅう)の上についている小さな指のような肉球のことです。
狼爪(ろうそう)は親指のようなもので、いわゆる猫の足跡には残らない部分にあります。そして、これは基本的に後ろ足にはありません。主根球(しゅこんきゅう)は前脚にだけある肉球です。小さなおまめがついているような感じですよね。この主根球も、足跡には残らない肉球となります。
つまり、猫が歩いた後にできる足跡、または猫の足跡として描かれるイラストというのは、猫の肉球の中の指球(しきゅう)、掌球(しょうきゅう)ということになります。そして基本的に指球(しきゅう)は4つとして描かれています。手のひらにあたる三角形のような形をした掌球(しょうきゅう)のうえに、まあるい小さなおまめのような指球(しきゅう)を4つ書けば、簡単に猫の足跡が描けるわけですね!
しかし、中には指が普通の猫よりも指の数が多い猫種がいます。それは、カナダやアメリカにいるポリダクティル・キャットと呼ばれる猫です。普通、前足は親指に当たる狼爪(ろうそう)も入れると合計で10本の指があります。そして後ろ足は8本です。なので、合計すると18本の指を持つということになります。
でも、ポリダクティル・キャットの前足の指は片方1本づつ多いので、四肢の指の合計が20本になるというのです。なんとも不思議な猫ですね。それもギネスにのっているジェイクという名前の猫の指は合計で28本もあるようです。
肉球の構造と役割
ちなみに、どうして猫の肉球ってあんなにぷにぷになのかちょっと気になりませんか?
猫の肉球はどんな構造になっているのかというと、外側は表皮(ひょうひ)と呼ばれる角質細胞です。その中に真皮(しんぴ)と呼ばれるほとんどがコラーゲンから成る組織があり、そのまた内側に皮下組織があります。この皮下組織はほとんどが脂肪から成っています。このような層構造のゆえにあの柔らかさなのですね!
この肉球のおかげで猫は足音を立てることなく歩くことができます。猫は獲物を待ち伏せして、そっと近づいて狩りをします。そっと近づくときに気づかれないように歩くのに、肉球が役立っているのです。
また、歩くときのクッションの役割を果たしています。猫は高いところから飛び降りても見事に着地しますし、全然足を痛がっていませんよね!人間だったら、全身に衝撃としびれが走ります。なぜあんなに高いところから飛び降りることができるのかというと、肉球がクッションとして衝撃吸収してくれているのが理由の一つなんです。
そして、猫や犬は足裏からしか汗をかくことができないと言われていますが、足裏の汗腺からだされる汗は滑り止めのような役目もあります。猫を飼育している方は、時々猫の肉球が湿っている時があることに気づかれることでしょう。あれは体温調節をしているのではなく、滑り止めとしての汗だったんです。また病院で緊張しているとき、すぐに逃げ出したいときにも湿るようです。
肉球は物をつかむときにも役立っているといわれています。確かにあの小さな手で、とても器用に物をつかんだり引き寄せたりしますよね。
犬と猫の足跡の違い
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犬と猫の足跡って似ていますよね?みなさんは、その違いを見分けることができますか?じつは、ちゃんと見分けることができる”違い”があったんです。ではご紹介しましょう。
爪跡があるか?
普段、猫って爪を隠していますよね?必要なときにだけ爪を出します。猫の爪というのは、普段は靭帯の中に隠されているんです。これによって足音を立てずにそっと獲物に近づくことができます。しかし、獲物を捕らえるときや滑りそうになったとき、木登りをするときなどには爪を出します。
ちなみに、猫は爪とぎをしますけど、あれは伸びた爪を短くするためではなく爪を鋭い状態にしておくためにしているそうです。だから、後ろ足は爪とぎはしません。後ろ足の爪は自分で噛んでちゃんと短くするそうですよ。そして、肉球から出ている自分のフェロモンをこすりつけるためやストレス解消のために爪とぎをするといわれています。
一方、犬は常に爪がでています。犬は獲物を走って追いかけますが、爪が出ていることで急な方向転換もできます。つまりスパイクのような構造になっているというわけです。それで、足跡にもちゃんと爪の跡が残ることが多いんです。それで、足跡でも爪が出ている足跡なのか、それとも出ていない足跡なのかで違いがわかります。
でも、足跡のイラストなどでは違いがなく描かれていたりしますね。ただ、雪の上や砂の上を歩いた後の犬の足跡の写真なんかをみると、やっぱり爪跡が残っているのがはっきりわかります。一方で、猫の足跡にはそれがなくて、指球(しきゅう)の跡がまん丸に残っているんですよ。
全体的にまあるいのが猫の足跡!
猫の足跡は、全体的に犬のものよりもまあるい形をしています。それは、犬の場合は指の部分がより大きく、爪もありますから、形としてはよりメリハリがあるように残ります。一方で猫の場合は、小さくてまあるい形として残ります。
それで、指が大きいとすると犬の足跡ですし、指が小さくて全体がまるく収まっていると猫の足跡になります。イラストで違いを出したいときにも、指球(しきゅう)を大きく書くと犬の足跡っぽくなりますし、指球(しきゅう)を少し小さめに書くと、猫の足跡っぽくなります。そして指と指の間の感覚がより広いのが猫の足跡です。犬の場合は指も大きいですし、指と指の間の間隔が狭いんですよ。
断面の構造も違う
形だけでなく、じつは肉球の構造にも違いがあるんです。近年の研究で発見されたことのようですが、犬の肉球はとても特徴的な構造となっていて、断面がデコボコしているんです。このデコボコとした起伏は表皮乳頭(ひょうひにゅうとう)と呼ばれるようですが、このデコボコのおかげで、地面と直接接する面積が少なくなるといわれています。
また、動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)という構造になっていて、動脈と静脈が吻合することによって動脈血の冷えを緩和する構造になっています。これは、アヒルの足にも見られる構造ですし、海の中の生き物、イルカの尾びれやクジラの舌もそうなっているそうです。
つまり、寒いところに住んでいる動物にみられる構造が犬の足にも見られるというわけです。この構造のおかげで凍傷にならずに済んだり、体温の下がりすぎが防がれていたりするといわれています。
一方、この動静脈吻合は猫の足には見られません。また肉球の表面も猫の場合はデコボコしていないのです。だから、冷たい雪の上や雨の日に外を歩くのが好きではないのです。足がすぐに冷えてしまうわけですね。
このような構造の違いは、猫と犬の肉球をさわったときの感触の違いを生み出しています。犬と猫の肉球、どちらも触ったことのある方ならお気づきだと思いますが、猫の肉球はぷにぷにツルツルとしているのに対して、犬の肉球はザラザラしているんです。
猫はもともと、砂漠のほうに住んでいたといわれています。一方で、犬は寒いところに住んでいたといわれています。それで、寒いところに住んでいた犬はそれに耐えうる足の構造をしていて、温かいところに住む猫にはそれは見られないと結論されています。似ている足の形、そして肉球ですが、構造としてもこれだけの違いがあるんですね!