猫ちぐらとは?
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みなさんは「猫ちぐら」を知っていますか?きっと猫を飼っている方や猫好きの方ならご存知のことでしょう。猫ちぐらは、10年以上前から話題になっている稲ワラで編んで作った猫ちゃん専用のベッド、つまり、寝床のことです。
猫ちぐらはお米の生産量が豊富な新潟県や長野県を発祥の地とし、新潟県せきかわむらや長野県栄村などでは伝統工芸品として扱われています。”ちぐら”とは新潟県の方言で、正しくは「嬰児籠(えじこ)」と言うようです。地域によってはちぐらのことを、「いじこ」「つぐら」「いぶみ」「こしき」などのさまざま呼び方が使われています。
そもそもちぐらは、猫のためでなく、農作業をしている時に赤ちゃんを入れて寝かせておく”ゆりかご”のような存在でした。
そんなちぐらは、夏は通気性がよくて涼しく、冬は保湿性があり暖かく過ごせます。猫ちぐらは「猫がオールシーズン快適に過ごせるベッドに適している」と改良されてできました。
近年、猫ちぐらは猫ブームに伴い、機能性やクオリティーの高さ、手作りであること、猫が入っている姿がかわいいいなど人気が高く、たびたび話題となり注目されています。
本物の猫ちぐらはとても大人気で、現在2~3年待ちの予約商品である上、お値段も安いものではありません。
中国製の安価な猫ちぐらも販売されていますが、クオリティーや安全性の面で不安が残ります。
そこで、愛猫のために猫ちぐらを手作りする方が増えています。
本物の猫ちぐらは予約待ち
テレビなどのメディアで猫ちぐらが紹介されてから、猫ちぐらの本場・新潟県岩船群関川村の猫ちぐらは予約が殺到し、予約待ちとなっています。
稲ワラを100パーセント使用している猫ちぐらは、ひとつのちぐらを作るために、おおよそ60時間ほどかかるようです。”何年も待つのはイヤ”という方は、この機会に猫ちぐら作りに挑戦してみませんか?
手編みで手作りする場合は、紙紐を使うことがポイントです。では、これから猫ちぐらの作り方をご紹介しましょう。
初心者でも猫ちぐらを編める?
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本物の猫ちぐらは稲ワラを使用していますが、自分で手作りする場合は、稲ワラはもちろん、紙紐や麻紐などで代用することで簡単に作ることができます。紙紐や麻紐なら100円ショップやAmazonなどで揃えることができます。
さらに必要なものとして、はさみ、洗濯バサミ、わら細工用の引っ張り棒などが挙げられます。猫ちぐら作りの本も出版されているので、参考にすることができるでしょう。
では、さっそく猫ちぐらの作り方をみていきましょう。
稲ワラの猫ちぐらの作り方と必要な材料
稲ワラを使った猫ちぐらの作り方と必要な材料は、次の通りです。
◆材料
・60㎝程度の長さがある稲ワラ4㎏
作る予定の猫ちぐらのサイズによって必要となるワラの量は異なってきますが、一般的な猫の大きさであれば長さが60㎝程度の稲ワラであれば4㎏ほどのワラで作れます。
大型猫の場合は、少し多めに購入することができるかもしれません。
・霧吹き
稲ワラの下準備に必要です。
・木づち、はさみ
稲ワラの下準備に必要です。
・軍手
手にワラが刺さってしまう可能性もあるので、作業をする際には軍手を着用することをおすすめします。
・とじ針
とじ針は穴のサイズが大きくて、金属製のものを用意しましょう。
太めの針金やハンガーの一部を半分に折ってひねったものを、とじ針の代用として使うこともできます。
・洗濯バサミ
作業の過程で、洗濯バサミがあると便利です。
◆下準備
猫ちぐらを編み始める前に、まずワラの下準備をします。ワラに霧吹きで水をかけ、木づちで叩きます。そうすることで丈夫で強いワラになり、編みやすくなります。
その後、ワラの柔らかい下葉・はかまを取り除き、節の下カットし、下準備は完了です。
◆作り方
1、床面から編み始めていきます。まずワラで「輪」を作りましょう。
2、「輪」にワラを1本通してねじり、余った部分を「芯」にし、また、「輪」にワラを1本通して「芯」の上でねじって、余った部分を「芯」にしてまとめるという一連の手順を繰り返します。
3、1匹用なら直径おおよそ40㎝、2匹用なら直径45㎝程度になるまで段を増やしていきましょう。
4、底面ができたら、側面と天井も同じ編み方で続けていきましょう。
◆ポイント!
キレイに編むコツは、「目の幅」を揃えることです。
作業を中断する際には、解けないように洗濯バサミでとめるましょう。
紙紐の猫ちぐらの作り方と必要な材料
猫ちぐらはワラ細工ですが、ワラを手に入れることが難しい、もしくはワラが高い・・という場合は、紙紐を代用することで簡単に作ることができます。特に猫ちぐら初心者の方には、紙紐で作るのがおすすめです。
ただし、紙紐で猫ちぐらを作っていると、手の脂がなくなっていくので、編むときには軍手を使うと良いでしょう。軍手を付けて作業すると少し邪魔ですが、手が切れてしまうことを避けることもできます。是非、軍手を使って編んでいきましょう。
紙紐で作る猫ちぐらに必要な材料と作り方は次の通りです。
◆材料
・紙紐約1㎞
・霧吹き
・とじ針
・洗濯バサミ
・引っ張り棒
猫ちぐらを編んでいく過程で必要となるアイテムのひとつに「引っ張り棒」があります。編んでいく時に隙間から紙紐を引っ張る際に、引っ張り棒を使うことで、紙紐をしっかり引っ張ることができます。つまり、引っ張り棒がないとしっかり編み込むことができません。
市販の引っ張り棒を購入することもできますが、引っ張り棒を自分で自作することも可能です。その際に必要となるのが、針金のハンガーです。
まず針金のハンガーを伸ばし、40㎝くらいの部分でカットします。その後、針金を半分に折ってからつぶし、細かくし、手前の部分にビニールテープを巻きつけて完成です。先の丸い部分に奥の紙紐を通して引っ張り、編んでいきましょう。
◆作り方
1、まず紙紐の下準備をします。紙紐を60㎝にカットしましょう。
2、紙紐のよれを解くために、霧吹きで水をかけます。その後、何本かをまとめてねじり、ほぐしてから乾燥させましょう。
3、上記の稲ワラと同じ方法で編んでいきます。
手編みなら紙紐がおススメ!
猫ちぐら作りが初めての場合は、上記で見た市販の紙紐をつかった手編み猫ちぐらがおすすめです。手編みなので手間と時間はかかりますが、その分愛猫も喜んでくれることでしょう。紙紐で作る猫ちぐらは、虫が湧く心配がありませんし、仕上がった作品が軽いなどのメリットもあります。
ただ紙紐なので、愛猫が猫ちぐらの上に乗っかると、その重さで紙紐がへこんでしまう・・というデメリットもありますが、壊れてしまったらまた手軽に作れるのも紙紐ならではの魅力と言えるでしょう。
根気が必要
紙紐でも稲ワラでも、手編みの猫ちぐら作りが初心者の場合、根気が必要です。慣れていないのでおおよそ2週間くらいはかかることでしょう。特に底の芯の部分は編み方が難しいので、悪戦苦闘するかもしれません。一目一目を自分の手で編んでいくので、その回数分だけ時間と根気が求められます。
ただ、作業自体はコツを覚えてしまえば単調なので、テレビをみながらの作業でも行うことができます。すでに猫を飼っている方なら「大好きな愛猫のために作ってあげたい!」という気持ちが強い動機付けになるでしょう。猫を飼っていない方でも、友だちの家に猫がいるなら手作り猫ちぐらをプレゼントしてあげることができるかもしれません。お友だちに喜ばれることはもちろん、猫ちゃんにも喜ばれることでしょう。