ワンちゃんは人間のように言葉を発することはありません。ですから、ワンちゃんの身体の状態は、ワンちゃんが発する仕草から見極める必要があります。日常の些細なことであっても、ワンちゃんはわたしたちが気付くことのできるサインを出しているのです。
私たちは、いつもご飯を食べている時間が近づくと「お腹すいたな」と、空腹を感じるものです。ワンちゃんたちも同様で空腹を感じます。そうした空腹のサインはワンちゃんのどんな仕草に表れるのでしょうか?今回はワンちゃんの空腹サインについてご紹介したいと思います。
ワンちゃんの空腹時のサインを見極めよう
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ワンちゃんにごはんを与える時間を定めている人は多いでしょう。ごはんは1日に1度としているかもしれませんし2、3回にわけて与えている飼い主さんもいることでしょう。
その時間に欠かさず与えることが定着しているなら、ワンちゃんはその時間が近づくと空腹を感じることでしょう。「お腹がすいたな」「ごはんまだかな」という気持ちを仕草で示すのです。
また私たちが忙しくしていてごはんを与えることを忘れているならどうでしょうか?ワンちゃんの空腹サインで与えていないことに気付くことが出来るかもしれませんね。
ワンちゃんに必要なご飯の量は、身体の大きさや、運動量によって大きく異なるでしょう。ワンちゃんに合ったご飯の量を知るためには、ワンちゃんの空腹に感じているかどうかを知ることが大切です。
ワンちゃんのお腹が空いているときのしぐさ
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これから、ワンちゃんのお腹が空いている時によく行うしぐさをいくつかご紹介したいと思います。これらのしぐさを知っておくことでワンちゃんのごはんの量とタイミングをしっかりと見極めることが出来るでしょう!
飼い主がドッグフード近づくと喜ぶ
ワンちゃんにごはんを与える時、飼い主さんはいつも同じ動作を繰り返すことでしょう。ドッグフードの袋の場所に行きます。そこからドッグフードを取り出して、フードボウルに入れてあげるのです。そうした一連の動作をワンちゃんは覚えています。
おなかが空いているワンちゃんは、「いつになったらごはんをもらえるのだろうか」とウキウキした状態です。飼い主さんがドッグフードの袋に近づくだけで、ごはんがもらえるものだと勘違いしてしまうこともあるでしょう。うれしくなって、尻尾を振って「やったー!ごはんだー!」と喜んでしまうのです。
飼い主を見つめる
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ワンちゃんは言葉を話すことが出来ないかもしれませんが、その分、目線などでも意志を訴えてくることがあります。飼い主に近づいてきたと思ったら、つぶらな瞳でこちらを見つめるかもしれません。
「ご主人様、お腹すいたな~」「お願い、ごはんちょうだい~」とかわいい顔で見つめられると、飼い主さんはその誘惑には勝てないかもしれませんね。
ごはんをしっかりと食べたワンちゃんであっても、そのようにせがまれると、おやつを与えたくなるものです。しかし、ワンちゃんの健康が関係していますので、ワンちゃんの甘えには乗らないようにしたいものです。
フードボウルを舐める
お腹がすいてもごはんが与えられないと、ドッグフードのにおいや味を感じる場所へと自然と誘導されるものです。
フードボウルにはドッグフードのにおいがしっかりと付着しています。舐めると味も若干感じることが出来るでしょう。そのようなわけで、腹ペコワンちゃんはフードボウルをペロペロと舐めて空腹を紛らわせることがあります。
ごはんを食べた後に、空になったフードボウルをいつまでも舐めることがあるかもしれません。これも「まだお腹空いているよ」「物足りないよー」というサインかもしれません。
普段のドッグフードよりも豪華で美味しいものを食べたときにも「もっと欲しい」という気持ちで舐め続けることがあるでしょう。
飼い主の顔や口を舐める
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ワンちゃんが近づいてきて飼い主の顔や口を舐めることがあるでしょうか?
前回ごはんをあたえてから、ある程度の時間がたっているのであれば、これも空腹サインかもしれません。これはワンちゃんの特性からくるものと、飼い主さんの口周りの状況からくる2種類の原因が考えられます。
ワンちゃんの特性として母親の顔や口元を舐めるというものがあります。
子犬は母親に母乳やごはんを催促する時に、お母さんの顔を舐めます。幼い期間は成長するためにたくさんのごはんと栄養を必要とします。1度にたくさんのごはんを食べることが出来ませんから、1日に何度もごはんを食べます。
ですから、お腹が空いたときにお母さんの顔を舐めて知らせるのですね。こうした習性が残っているワンちゃんはごはんを与えてくれる飼い主さんにも同様の行動をすることによって、ごはんを催促するのです。
また、こうしたワンちゃんの特性とは関係なく、口元を舐める場合もあるでしょう。
飼い主さんがごはんやおやつを食べた後は、口元から美味しい食べ物のにおいが漂っているものです。口周りにも小さな食べかすが付着しているかもしれません。おなかが空いたワンちゃんは、フードボウルを舐めるかのように、飼い主さんの口元も舐めてしまうのです。
もちろん、空腹でなくとも飼い主の顔や口を舐めることはあります。特に敬意と愛情の表明としてそのような行動をすることがあります。普段からよく舐めてくるからと言って、「ご飯が足りていないのかな」と与えすぎないようにしましょう。
吠える
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ワンちゃんが吠える時は、何かを要求している時でもあります。誰かを警戒して吠える時には連続して何度も吠えるものですが、飼い主さんに対して要求をするときは、こちらをじっと見つめて一度だけ「ワン」と吠えるでしょう。
このような吠え方をすることによって、飼い主さんの注意を自分に向けたいと思っているのです。
もちろん、ごはん以外の要求である場合もあるでしょう。飼い主さんはこのように吠えられたなら、何か忘れていないか考えることが出来るでしょう。ごはんを与えていないでしょうか?散歩に行きたいのでしょうか?ぜひ、ワンちゃんの必要を叶えてあげてくださいね。
ごはん前のしつけの仕草を行なう
皆さんはしつけとして、ごはん前に「待て」とか「おすわり」といった指示を出しているでしょうか?もしそうであれば、ワンちゃんにはそうした指示とごはんが結びついているでしょう。
ごはんを手に持っていると、何も言わなくてもお座りしたり、「待て」のポーズを取ったりすることでしょう。
お腹が空いている時は、私たちがごはんを与える準備をしていなくても、そのような行動に出ることがあります。フードボウルの前で落ち着きなくお座りして飼い主さんのほうを見つめているかもしれません。賢いワンちゃんたちに共通する行動ですね。
落ち着きがなく、食事場所をウロウロする
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私たち人間でも空腹が続くなら、イライラする人がいるのではないでしょうか?作業をしていたとしてもなかなか集中できず、「お腹すいたな」「早くご飯食べたいな」とソワソワしたり、イライラしたりするものです。ワンちゃんも同じような行動をすることがあります。
あまりにもおなかが空いてじっとすることができません。食事場所に歩いて行って、ごはんが無いことを確認して「まだかな」とその周辺をウロウロと歩き続けます。
座って待つことが出来ないほどにおなかが空いているのですね。とてもおなかが空いている証拠です。ごはんをしばらく食べることが出来ていないに違いません。
吐く
ワンちゃんたちはあまりにも空腹の時間が長いことで吐いてしまうことがあります。もちろん、胃の中には何もないので、胃液だけを吐き出すでしょう。
おなかの中が空の状態が続くと、胸やけを起こすことが原因だと言われていいます。ワンちゃんが空腹で吐いてしまわないように、ごはんは忘れないようにしましょう。
ワンちゃんによっては空腹で吐きやすい子もいるようです。その場合は食事の回数を増やすことで胃の中に食べ物があるように調整してあげることが出来るでしょう。