チャウチャウの特徴
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ちいさなライオン、子グマのようなモフモフしたぬいぐるみのような外見のチャウチャウ。
ちょっと困ったような表情がたまりませんね。
チャウチャウの外見的特徴
ライオンのたてがみにも似ている顔の周りの毛がとても特徴的です。
その毛に埋もれているかのようなつぶらな瞳。
困ったようなしかめっ面がまた愛らしいですね。
毛が羊毛のようなフワフワでモフモフしており、まるで動くぬいぐるみのようです。
そして、パッと見ただけではわかりませんが、舌が青黒いのです。
初めて見る「病気?」「具合が悪いの?!」とビックリする人も多いようですが、これがチャウチャウの特徴なのです。
これはすでに絶滅してしまった中国の犬「ハン・ドッグ」の血統から引き継がれているのではないかと言われており、この舌の色ゆえにチャウチャウには「黒舌犬」という別名ももっています。
チャウチャウの寿命・体型
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チャウチャウの寿命は個体や飼育環境によってだいぶ異なるようですが、平均は10年前後です。
中型犬の平均寿命は11~14年なので、平均的かちょっと短めです。
体高は45~56㎝、体重は20~30kgで大きさのわりに体重がありますね。
これは、食肉用に改良された歴史をもっているためです。
また、オスはメスより大きめになります。
体の大きさは中型から大型になり、ガッチリ体型の筋骨隆々です。
全体的にバランスよく筋肉がついており、しっぽをくるりと巻いて背中に背負っているかのような姿をしています。
後脚がまっすぐなため、竹馬に乗っているかのような特徴ある歩き方をします。
チャウチャウの歴史
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チャウチャウは中国原産の犬です。
正確な歴史は謎に包まれていますが、紀元前から中国にいた地犬とされており「中国2000年の歴史を持つ犬」とも言われています。
古くから人と生活を共にし、猟犬、番犬として人間社会に密接して生きてきました。
中国王朝時代からお寺の守護獣として飼われていました。
7世紀、唐の皇帝は獣量目的で2500組のチャウチャウを飼育していたとも言われています。
満州、モンゴルでは食肉用にもされ、チャウチャウの毛皮は防寒具として用いられていたこともあるそうです。
1700年終わり、イギリスの「東インド会社」の船でヨーロッパへ渡ります。
そのイギリスでは、ある動物園で「野生の犬」と紹介されたことでビクトリア女王の目に留まります。
それまでは猟犬、番犬として活躍してきたチャウチャウが家庭犬としても飼われるようになりました。
狼に近い犬種で、北海道犬や秋田犬と近縁であると言われています。
古くは猟犬として飼われていましたが、猟犬にしては運動能力が高い犬種ではなかったため、次第に太りやすく交配させられ食肉用になったそう。
同じチャウチャウでも、猟犬や番犬、食肉用、毛皮用と用途別に飼育されていた犬種です。
日本では、昭和時代にテレビCMに出演したことで一時的にブームになります。
中国や日本でのブームにより乱繁殖や幼齢期売買の乱行が起き、問題行動の多い系統が広がってしまい「飼いにくい犬」と言われるようになってしまいましたが、これは犬の性格ゆえではなく人間の責任ですね。
実は今でも、国際畜犬連盟に登録されており食用に改良されたチャウチャウが中国に存在します。
純血のチャウチャウではなく、あくまでも食用に改良され飼育されているチャウチャウですけどね。
古い歴史を持つチャウチャウですが、その名前の由来にもいくつかの説があります。
猟犬時代、中国の北方向ではソリ引きもしていたことから「雪橇(シューチャウ): 中国語でソリの意」からきている説。
また、イギリスの船でヨーロッパへ渡った際、船の貨物と一緒にチャウチャウが置かれており、その貨物品の明細に「チャウチャウ(東洋の骨董品・珍しい装飾品の意味)」とあったことから、チャウチャウと呼ばれるようになった、という説もあります。