生の崖っぷちから見事回復した犬
発見当初のエンリケ
エンリケ(Enrique)が発見されたとき,体はやせ細り体毛はほとんどありませんでした。体には力が入らないようで,十分に立つこともできず,動こうともせず,その皮膚はひび割れ,乾燥していて固くなっていました。これほどまでにひどい皮膚病は珍しいと,獣医はエンリケの回復に期待が持てなかったそうです。しかし,”Mayan Families Hope for Animals”という動物保護団体のスタッフたちは,簡単にあきらめることができませんでした。出典:https://www.boredpanda.com/see-the-incredible-transformation-of-enrique-a-street-dog-from-guatemala/
発見当初(左)は非常に痛々しい様子がひしひしと伝わってきます。
体全体から苦痛が感じられ,獣医という専門家の目から見ても回復は難しいとあきらめるのも分かる気がします。
それでも,”1匹の大切で大きな命を失いたくない!”と心から願う人たちの努力のおかげで,大きな奇跡が起こったようです。
順調な回復
3か月に及ぶ入院治療と薬湯のおかげで,エンリケの体は被毛に覆われるようになり,きちんと立つことができるようになったのです。しかしまだまだ試練は残っていました。皮膚病と栄養不良をほとんど克服したにもかかわらず,路上生活の苦しみから来るトラウマが彼に傷跡を残していたのです。エンリケは,何に対しても誰に対してもひどく怯えていました。彼には,社会性や忍耐力の訓練が必要であり,かつて閉ざしていた世界に少しずつ慣れていく必要もあったのです。出典:https://www.boredpanda.com/see-the-incredible-transformation-of-enrique-a-street-dog-from-guatemala/
カメラにがっちりと視線を向けるエンリケ。
当初の憂いを吹っ飛ばすくらい,見た目は回復しているようですが,目に見えない内面の傷はかなりの時間が必要のようです。
人間でも身体的ダメージより,精神的ダメージの方が深く,時間がかかりますよね。
エンリケが生き抜いてきた路上生活の厳しさが心の傷となって深く残っているようです。
傷ついた動物は,言葉で苦痛を伝えることができないだけに,周りの献身的なケアが必要になりますよね。
時間をかけて癒していく…