癌治療を拒否してロードトリップに出た老女の決断
突然の宣告
ある日、癌を告知された米国のミシガン州に住むノーマさん(90才)は、癌という病気にも負けず、全米ロードトリップの旅に出ることを決意します。プードル犬のリンゴと息子夫婦と共に、42週75都市以上の全米の都市を約一年かけて巡りました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
ある時はスリリングな体験をし、ある時は雄大な自然を目前にしばし時を忘れ、ある時は見知らぬ人と触れ合いながら、残り少ない時間を大切な家族と一緒に過ごしました。
彼女の最後のジャーニーの様子はフェイスブックやメディアを通じて、世界中に発信され、瞬く間に広がりました。
ある日突然、自分の体が病に侵されていると知ったノーマさん。
悲観的にならずに、残り少ない時間を家族と一緒に旅に出ることに決断した、ノーマさんの心の強さ。
もし、自分がその立場になったら・・・?と考えると、なかなか真似出来ませんよね。
今までの人生で行ったことがない場所や、いろんな人に出会う旅・・・
ノーマさんにとっても、ご家族にとっても忘れられない時間になったでしょう。
担当医からの後押し
彼女のファイスブック『Driving Miss Noma』は52万人以上のフォロワーを持ち、病気や年齢に負けず、いろいろな事にチャレンジするノーマさんの姿は反響を呼び、現在も多くの人に勇気と感動を与え続けています。彼女の健康状態を気にしていた息子さん夫婦は、ロードトリップという選択が、無責任のものでないかを担当医に尋ねたそうです。担当医は手術や老人ホームにおけるケアの副作用にも言及し、彼女の選択を歓迎し同意してくれました。こうして、ロードトリップは始まったのでした。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
この決断はご家族と彼女にとって、簡単なものではなかったはず。
旅の途中で体調に異変が起きたり、その旅がノーマさんの体に負担をかけたりするのではないか?
様々な思いを抱えていたでしょう。
そんな息子さん夫婦の背中を押したのは、ノーマさんの担当医。
本人の意思を後押しするのも、医者のお仕事なのかもしれませんね。
そして、人生を最後まで謳歌するノーマさんの姿に、心を動かされた人もいるようです。
大切な相棒
義理の娘さんであるロミーさんは次のように語りました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
「義母は数年前に愛猫を亡くしたのですが、彼女はずっと猫派だったんですよ。それがリンゴと旅を始めてからはいつもリンゴと一緒です。リンゴは私達、旅の仲間にとって欠かせないメンバーとなりました。もし彼が居なかったら、きっと違う旅になっていたことでしょう」
このわんこが相棒のがリンゴ、当時8才です。
ノーマさんとリンゴの間には、いつも穏やかな時間が流れていたそうです。
猫が好きだったノーマさんの心を射止めたリンゴとの旅は、特別になものだったでしょう。
実際、旅の写真を追っていくと彼女はどんどんと元気になっているように見えますね。
車椅子に乗るのはリンゴ
「リンゴはスタンドアップ・パドルボートに乗るのが好きだったからでしょうか、彼は車椅子に立って乗ることが好きです。見てる人は、リンゴが歩くことが出来ず車イスを必要としていると思うみたいで、最後には飛び降りて歩きだすのを見ると一様に驚き、笑みがこぼれます」とロミーさんは語りました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
今日はノーマさんがリンゴを押す番?
これでは立場が逆ですね。
小柄なノーマさんの隣だと、リンゴはかなりのジャイアント犬に見えます。
しかし、ノーマさん、元気そうで本当に良かったです。
旅はまだまだ続く……
初めての体験を
最高の旅の相棒を得たノーマさんの冒険は留まるとことろを知りませんでした。グランドキャニオン、イエローストーン、ナイアガラの滝など有名スポットを回ることはもちろん、熱気球に乗ったり、乗馬をしたり、生まれて初めてのペティキュアをしたり、いろいろなことにチャレンジしました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
ノーマさんらは、このトレーラーで全米を移動しました。
ロードトリップの途中ではいろいろなモノを見て、いろいろな人にも会いました。
トレーラーの中から手を振るノーマさん。その笑顔はとても輝いていますね。
次の旅先では、どうやら宇宙人にもお会いしたようです。
宇宙人と交信?
ケネディー宇宙センターで宇宙人にお目にかかるノーマさんとリンゴ。
宇宙人と何か交信してるみたいですね。
「地球人には、命に限りがあるけど、貴方たちはどうなの?」
「私の時間はそう長くはなさそうだけど、こうして私は今を生きてエンジョイしてるのよ」
なんてことを話しているのでしょうか。
リストの一つが叶った!
この旅を決めたとき、息子さんはノーマさんの行きたい場所なら、どこにでも連れて行くと約束してくれました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
グランド・キャニオンは彼女のそのリストの一つでした。
雄大な自然に圧倒されるノーマさんとリンゴ。
どこまでも続くこの景色は、いつまでも見ていられます。
希望していたグランド・キャニオンを家族で見ることが出来て、きっと嬉しかったでしょうね。
トウモロコシと記念撮影
サウスダコタ州のワールド・トウモロコシ宮殿も訪れました。出典:http://www.boredpanda.com/90-year-old-woman-cancer-road-trip-dog-miss-norma/
リンゴが彼女の傍に佇んでいるだけで、彼は彼女のセラピストの役目を果たしているのだそうです。
リンゴがいるだけで、ノーマさんの心は落ち着くそうです。
不安や悲しいことも、リンゴと一緒なら乗り越えられる・・・
お互いが強い絆で結ばれているのですね。
動物との出会い
リンゴも、道中いろいろな仲間に出会いました。
ブタ君と猫ちゃんに興味津々ですね。
この旅はノーマさんだけでなく、リンゴにとっても楽しく面白い旅だったでしょう。
ノーマさん空を飛ぶ!
フロリダでは熱気球にも乗り、空を飛びたいという彼女の夢も叶いました。
きっと、先に逝った旦那さんも、天国から「君だけずるーい」と羨ましがっているかもしれませんね。
そのくらいとっても素敵な笑顔をしています。
この笑顔が彼女の人生の全てを表していますね。
最後に
ノーマさんはその後も旅を続け、カナダのビクトリアまで足を延ばした後、2016年9月、国境に近いワシントン州の美しい島で一生を終えました。
余命を宣告されても諦めず「今」を生き続け、愛する家族と最後まで旅を続け、ノーマさんは笑顔で一生を全うしました。
勇気ある彼女の決断はもちろんですが、最期の最後まで彼女の幸せを願った理解ある家族と、彼女にそっと寄り添っていたリンゴの存在なしでは、この旅は実現しなかったことは言うまでもありません。
本当に素敵なご家族ですね。