新型コロナウイルス感染症の新種の「オミクロン株」が24日(2021年11月)に南アフリカで確認されて以降、世界各国で渡航禁止措置などの「水際対策」が広がっている。日本の対策は「10日間の国内待機義務」だが、29日の「モーニングショー」では、コメンテーターの玉川徹が、「イスラエルを見習って全面禁止にすべきだ」と提言した。
オミクロン株対策として、EU(欧州連合)は26日、「南アフリカを含む7カ国から、EU域内への渡航を一時停止」することで合意した。イスラエルは、「27日以降2週間、特別な許可のない限り、すべての外国人の入国禁止」を決めた。イスラエルは、今月から1年8カ月ぶりに外国人観光客の受け入れを始めたばかりだった。WTO(世界貿易機関)は30日から閣僚会議を予定していたが、延期した。日本からは林外相と萩生田経産相の出席が予定されていた。
「イスラエルの方が合理的」
これに対し、日本の水際対策は、「南アフリカを含め、その周辺の9カ国からの入国者について、指定施設で10日間の待機義務付け」(27日時点)だ。日本人と在留資格者であっても待機の対象となる。国際医療福祉大の松本哲哉・主任教授は、「日本はもともと水際対策が緩い。政府が、絶対にオミクロン株を日本に持ち込ませない、と判断するなら、飛行機などをいったんとめるべき」という。英国は6日間の入国制限、米国は8カ国の入国禁止、韓国は8カ国の外国人の入国禁止だ。
コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日社員)は、「イスラエルの方が(日本より)合理的ですよね。今は、どれくらい危険なのかがわからないから、わからないうちは最悪を想定して止める。まさに危機管理の要諦だ。2週間という期間も、ワクチンがどれくらい有効かを、製薬会社が確かめることができる期間と一致する。日本のように、とりあえず入れちゃって、そのあとでとんでもない株だったとわかったら、取り返しがつかない」。
一方で、当の南アフリカ国内では、パンドール外相が、「渡航制限は観光業とビジネスに与える損害だ」と反対。パーヒュラ保健相は、「オミクロン型の感染力を示す証拠があるとは言われていない。各国の渡航制限は、WHOが示す規範や基準に完全に反している」と反発している。同国内の警戒レベルは、5段階で最も低い1だ。第二の都市ケープタウンでは、いま夏で暑いので、マスクをしない人もいるそうだ。
(栄)